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富士登山を計画&準備しよう

 富士山に登るのに、何はともあれ大切なのが計画と準備。成功する、しないの多くがココに隠されている。この章では、富士登山に絶対に必要な、準備と計画について詳しく見ていこう。

健康であれば誰でも登れる! 小学校2~3年生でも成功例多数

▲小学生でも富士登山者は多数いる。
山頂到達成功例も少なくないぞ!

 日本人であれば、きっと一度は登ってみたくなる山、富士山。富士山の山頂に辿りつくのは決して簡単ではないものの、それほど困難なものでもない。

 確かに3,776mは尋常ではない高さだが、富士山の登山道は整備が行き届いるので、難易度は決して高くはない。普通の体力さえあれば、登山未経験者でもトライできる。

 7~8月のハイシーズンの富士登山者の顔ぶれを見てみると、実にさまざま。小学生低学年でも多くの人がトライしていて、小学2~3年でも元気に山頂に立っている。また、70歳オーバーでも元気に登っている姿はよく見かける。

 しっかり準備をして体調を整えておけば、健康な人であれば十分に富士登山は可能なので、この夏はぜひ、富士山頂に立つことを計画してみよう。

 
行程は1泊2日がノーマル。日帰りも可能だが、夜間登山は危険がイッパイ

▲夕暮れてから登山を開始して、夜を徹して登る
夜間登山もあるが、体力的には極めてハード。
はじめての富士登山には、あまりオススメできない

 富士山の主要登山コースは、吉田ルート須走ルート富士宮ルート御殿場ルートの4つで、それぞれの所要時間は往復8~9時間(休憩時間は含まない)。したがって、1日で一挙に富士登山&下山も不可能ではない。

 最近は、登山口の五合目を夕刻から夜に出発して、夜を徹して登り続け、頂上でご来光を迎える「日帰り夜間富士登山」も盛んだが、これは体力的にはきわめてハードな工程だ。

 また、このスケジュールで行うと高山病の危険性も高い。寝不足は高山病に一番悪いので、途中で頭痛や吐き気などの症状が出て断念するケースは珍しくない。

 また、このスケジュールは御来光目当ての登山者が集中する時間帯でもあるので、山頂付近は大混雑必至。待ちくたびれて登頂断念というケースも近年では起きている。

 初心者は一気に登らず、通常、七~八合目の山小屋に泊まり、体を高度に慣らしてから頂上を目指す1泊2日の行程を組むと余裕が生まれるだろう。

 また、混雑が予想される時期は、山小屋が満員で宿泊できない場合がある。早朝に出発して、夕刻に山麓に戻る日帰りプランは安全面からもおすすめだ。

富士登山ルートマップ

登山道は4つ。ポピュラーなのは吉田ルートと富士宮ルート

▲もっともポピュラーな吉田口五合目は、
多くの登山客・観光客で賑わう

 富士山の登山コースの中で、最もポピュラーなのが吉田ルート(河口湖ルート)。最短距離で登れるのが富士宮ルート。穴場コースと言えるのが須走ルートで、御殿場ルートはロングコースの経験者向けとなる。細かい工程などは割愛するが、初心者は救護所があり、山小屋の多い吉田ルート(河口湖ルート)または富士宮ルートがオススメだ。

 それぞれの登山口には、車でも行けるが、混雑時はマイカー規制があるので注意が必要だ。また、規制時期以外でも週末は大混雑しているケースが多く、駐車場から延々数時間かけて登山口にたどり着くケースも珍しくない。

 こうした事態を避けるためにも、マイカーで行く場合でも混雑が予想されるピーク時は麓に車を止めてバスを利用したほうが良いだろう。

 なお、五合目までは、東京直通バスをはじめとして、ざまざまな場所からバスが出ているので、こちらを利用するのも賢い方法だ。また、富士登山ツアーに申し込めば、アクセスや山小屋予約は楽チンだ。

富士登山ルートマップ 特選・富士登山ツアーを探す

 
富士山の山小屋には当然、風呂はない。ホテルや旅館とは大違い!

▲山小屋は簡易宿泊所&休憩所という認識で!
ホテルや旅館のようなサービスは期待できない
ことは理解しよう

 富士登山を行う際の宿泊場所は、通常は登山道途中に点在する山小屋になる。これらの宿泊施設は、特殊な立地条件にあるために、ごく簡素な宿泊施設でしかない。

 水道がないので水は街のように使えない、洗面や浴室などの設備も当然なく、寝室も相部屋が基本となる。

 また、実際に山小屋で過ごすのは、夕方から深夜までで、夕食と休憩・仮眠をとる程度の滞在となる(頂上でご来光を臨むには未明に出発する必要があるため)。山小屋はあくまで登頂の足がかりとして利用する施設であり、ホテルや旅館のようなサービスはまず期待できないことを知ってほしい。

 なお、富士山の山小屋は基本的には予約による定員制なので、混雑時でも1人布団1枚程度のスペースは確保されるケースがほとんどだ。山小屋に泊まる場合は、事前に必ず予約を入れておこう

 
富士山は日本一の山です。夏山登山用の装備が必須となる!

▲とくに靴には注意が必要。登山用ではない
靴では、足裏のソールがはがれてしまう
ケースは数多い

 富士登山成功の秘訣のひとつとなるのが、十分な装備だ。富士登山に適したウェアや用具などの装備をしっかり整えておけば、富士登山成功は大きく近づく。富士登山で、とくに重要な装備は以下のものだ。

  • 足のくるぶしまでを包むタイプのトレッキングシューズ
  • 荷を背負って歩くためのザック(リュックサック)
  • 防寒や防風にも役立つ上下セパレートタイプの登山用雨具
  • 寒さを防ぐための防寒具(冬用のセーターやフリース)
  • 頭に装着する懐中電灯、ヘッドランプ

 これらの登山用具をはじめて揃える場合は自分だけで判断せず、できれば登山専門店で相談しながら購入しよう。その際には、とくに雨具やヘッドランプなどは、事前に使い方をしっかりマスターしておこう。

 靴に関しては、十分に配慮しておくべきだろう。普通の運動用シューズや古い登山靴で行くと、写真のように壊れてしまうケースがある(かなりの頻度で起きる)。また、新品の場合は事前に履き慣らしをしておくことも忘れずに。

富士登山用の装備一覧表

 
防寒対策は万全に! 山頂は氷点下になるときもある

▲とくに朝は寒い。御来光待ちの際は、
真冬の格好をしていないと耐えられない寒さとなる

 富士登山の装備のうち、ついおろそかになりがちなのが防寒着。うだるような暑さの街から出発するので「寒い」と聞いてもピンと来ないかもしれないが、富士山の頂上の気温は真夏でも6度前後、風が強いと体感温度は氷点下にもなる。セーターや手袋、帽子などの防寒着は必需品となる。

 登山口の五合目ではTシャツ1枚でも、七合目付近からは長袖シャツを重ね、頂上ではさらにセーターや雨具を着込んで寒さに対処することになる。

 とくに夜明け前は冷え込むので、頂上でご来光を迎える場合は防寒対策を万全にしておかないと、ほんとうに痛い目に遭うことになる。

現在の山頂の様子、天気・気温はこちら

 
富士山に行く前に、別の山に登って足慣らししておこう

▲事前に富士山以外の山に登っておこう。
首都圏近郊在住者なら、手軽な高尾山
などで準備してみては?

 登山のイメージは歩いているだけなので、それほど激しく体力を消耗するように見えないかもしれない。しかし実際にやってみると、思いのほか体力を消耗する。また、長時間の行動となるので、予想しない事態が次々と降りかかってくるものだ。

 そこで、富士山に登る前に、一度ハイキング程度のものでかまわないので、登山を経験しておくと良いだろう。とくに靴が新しい場合は、「靴ズレ」のリスクが大きい。靴ズレは起きた経験がある人はわかると思うが、どうにも動けなくなってしまう。

 行動時間は8時間以上ということをしっかり頭に入れて、体調と装備は万全にしておこう。

 
誰と富士山に行く? 親子富士登山成功のポイント

▲余裕を持った計画が親子登山
成功の秘訣。山頂御来光にこだ
わらず、じっくり山頂を目指そう!

 「誰と登るか」というのは準備段階での大きなポイントとなるが、親子で富士登山となると、さらに十分な準備が必要だ。行動中の注意点も含めて、以下の点をチェックしておこう!

■余裕をもった計画が重要
 忘れがちなのが五合目での準備と高所順応のための時間。五合目で1~2時間程度の滞在を計画に組み込むこと。また、平日に登るなど登山道や山小屋の混雑をできるだけ避けるプランを組みたい。山頂でのご来光にこだわって渋滞の登山道を登る必要はないが、中腹からでも印象に残る風景は見せたい。

■事前トレーニングと登頂の意志をもたせる
 近郊の低山に登るなど、内容がしっかりした事前のトレーニング山行を必ず行ない、それを通じて「富士山の山頂に立つんだ」という目標を子どもにもたせること。

■装備や体調管理に注意
 登山靴や服装はきちんとしたものを与えよう。子供だからといって、手近なもので間に合わせると、つらい目に遭わせることとなる。しっかり登山用の用具を持たせて行動しよう。

■ときに厳しく、ときにほめる
 富士登山に限ったことではないが、つらさから逃れようとする態度を見せたときは、ときに厳しくなることも必要。しかし、がんばったときはほめることも忘れずに。



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