南アルプス南端に「川根トレイル」誕生。川根本町が第1弾トレイルマップを発行

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長野県、山梨県、静岡県にまたがる長大な南アルプス。その南端に位置する静岡県の川根本町は、町内の山と集落を結んで歩く「川根トレイル」の整備を進めている。このほどトレイルマップの第1弾「智者山・天狗石山エリア」が完成した。

川根本町には南アルプスに連なる山々があり、原生林から里山まで、多様な生態系を形作っている。山間部に点在する集落の間は古道で結ばれ、現在はハイキングコースとして活用されている。このエリアでは5月の大型連休ごろから新緑が美しく、10〜11月には紅葉、冬は南アルプスを展望できるなど、通年ハイキングが楽しめる。

これまでも同町が整備したハイキングコースが15コースあったが、町内で開催されている「南アルプスマウンテンマラソン」の関係者の協力を得て、新たに町内のトレイルを踏査し、コースを再設定。駐車場やトイレ、宿泊施設などもプロットし、地形が読める地図に仕上げた。今後も七ツ峰・猿見石山、山犬段〜寸又峡などのコースを整備しマップにしていく予定で、最終的には同町のトレイルが接続するロングトレイルを設定する構想もある。

このコース整備に合わせて、コースの分岐点にある道標などに地図と連動する「A-1」といったサインプレートを設置しているほか、必要な箇所には新たに道標を設けるなどして、ハイカーを迎える準備をしている。

今回完成した第1弾のマップでは、大井川鐵道千頭駅から奥大井湖上駅への約15kmのコースを紹介。千頭駅から智者山(ちしゃやま)神社への参道が続く三十三観音ルートの里山を進み、標高1291mの智者山へ。そこから広葉樹の森を歩き、南アルプスの展望を楽しみながら天狗石山(てんぐいしやま、1366m)へ縦走し、水上に浮かぶ秘境駅として有名な奥大井湖上駅に降り立つ。

アプローチに利用するのは歯車で急勾配を投降する日本唯一のアプト式鉄道・南アルプスあぷとラインで、近くにある接岨峡(せっそきょう)温泉に前泊・後泊する楽しみもある。川根本町は、智者山と天狗石山に登って町内の宿泊施設(キャンプ場含む)に当日または前日に宿泊した人に「川根トレイルロゴワッペン」をプレゼントするキャンペーンも行っている(先着順200人)。

トレイルマップは同町役場や観光協会、町内の宿泊施設・観光施設、県内のアウトドアショップなどで配布しているほか、4月上旬からは中部・関東エリアのモンベルショップでも配布する予定。ウェブでもPDF版を閲覧・ダウンロードが可能だ。

 

関連リンク

川根本町「川根トレイル」ウェブサイト
http://www.town.kawanehon.shizuoka.jp/kanko/1/12641.html

 

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