大雪山・旭岳 | 旭岳ビジターセンター

姿見の積雪230cm。現在降雪中。天候回復後はトレースは皆無です。雪崩れと視界不良による道迷い、滑落に注意。

非常にキレイな結晶がみられました(2017.01.30 旭岳ビジターセンター)
非常にキレイな結晶がみられました(2017.01.30 旭岳ビジターセンター)
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天気・気温

01/12(木) 標高1600m姿見駅 15:00 雪 -19℃ 南西の風12m 視界不良 積雪230cm
旭岳温泉街 雪 積雪220cm。
旭川市の天気予報
明日
曇時々雨
8℃
2℃
明後日
晴時々曇
7℃
1℃
日本気象協会提供 2024年3月29日 4:00発表
帯広市の天気予報
明日
晴一時雨
12℃
3℃
明後日
11℃
1℃
日本気象協会提供 2024年3月29日 4:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

強い冬型の気圧配置の影響で、昨日今日と大荒れの予報でした。
実際には降雪、強風ですが、ロープウェイも昨日今日ともに運休せずにがんばっており、想定していたほどの大荒れという感じではありません。
まだ冬型は居座る気配があり、これからも油断はできません。

天候が回復した時には、雪崩れに注意。風で吹き寄せられたことろに安易に踏み込むことは危険です。
トレースも消えているので、自分でルートファインティングしながら慎重に進んで下さい。深入りすることは危険です。

●ビジターセンターでは随時「雪の結晶観察」を行っています。
天気の悪い日や、ロープウェイが止まってしまった時も見ることができます。ぜひお越し下さい。
雪が降っていない時でも保存してあるものを見ることができます。

●この時期の注意 雪崩れ、道迷い、滑落
一昨年末、大きな雪崩が発生、巻き込まれた人影が目撃されていたため、大規模な捜索が行われました。
2016年が明けてからと、今冬シーズンのはじまりには、単独行の登山者の遭難が起きています。
冬山の事故で最も件数が多いのは道迷いです。
GPSを所持していながら、ということも少なくありません。使い方や電池切れ対策をいまいちどご確認ください。

次いで多いのが転倒・滑落です。
雪崩事故は件数の上ではその次になりますが、しかし死者の数ではダントツですから、充分な準備が必要です。
旭岳では2004年3月に大雪の後の斜面をトラバース中に発生した雪崩で死亡事故が起きています。
好天日などはその同じラインをたどって滑る人が少なくありませんが、その中には雪崩装備を背負っていない人も多く、おそらく事故のことを知らずにいるのだろうと思います。

過去10年の山岳事故については、北海道警察のコチラの記事をご覧ください。
https://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/toukei/fuyuyama-sounan.pdf

また、北海道警察の「安全登山情報」はこちらです。今月と来月の事故の傾向を学ぶことができます。
https://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/sangaku/sangaku-top.html
 
日本雪崩ネットワークのHP http://www.nadare.jp/
雪崩の知識や講習会の紹介の他、「雪の掲示板」には大雪山旭岳の情報も時々投稿されています。講習を受けていない人には読み解くのが難しいですが、バックカントリー志向の方には避けて通れない情報でしょう。

登山道の状況

完全な積雪のある冬山となりました。
登山は、この時期のこのエリアについて経験と知識、技術のあるガイドさんなどとの入山をお勧めします。
登山道や探勝路など、夏のコースは道も標識も目印も雪に埋もれています。
圧雪されたスキーコースなどをたどるのでなければ、地図やコンパス、GPSなどで行った道を正確に戻って来られるようにしなければなりません。
降雪後は、雪崩れに十分注意して下さい。またコース外に行く方は道迷いにも注意が必要です。無理は禁物です。

●旭岳ロープウェイ
http://wakasaresort.com/asahidakeropeway/
スキーコースは全コースオープンしています。

●バス時刻 2016/10/1から変更
旭岳温泉に来るバスの時刻が10/1から変わりました。
いままで1日3便でしたが、4便になり、一番早く着くのが9時過ぎなので、スキーにしろ、自然散策にしても午前中の時間に余裕ができるのはいいですね。
66番 旭川空港経由・旭岳線(いで湯号)時刻表
http://www.asahikawa-denkikidou.jp/kyouei/66%20time(2016.10.1).pd

登山装備

登山には完全な厳冬期雪山登山装備が必要です。地図、コンパスやGPSなども必ず用意しましょう。雪崩れにも注意が必要なためビーコンの携行もおすすめします。

注意点

冬山での遭難は毎年発生しています。無理のない計画、装備の油断なく、天気をよく見て入山し、慎重な行動で安全な登山を。

・悪天候時の道迷いに注意が必要です。視界不良時には無理は禁物です。
・この時期は雪崩れにも注意が必要です。バックカントリースキーや登山の方はビーコンの携行をお勧めします。
・山頂をめざす方へ 下りでの滑落に注意。強風も吹きます。
・入山には、なるべくこの時期、このエリアの経験者との同行を。地元の経験者でも「思いがけない事」「予想外のこと」はままあるものです。初見の方はより慎重な対応を。

●天気の急変に注意
晴れていても森林限界より上では、天気の急変があります。ホワイトアウト、雪崩れなど危険は増します。地図やGPSなどは必ず携行して下さい。

●飲料水
・飲料水は旭岳温泉から持参しましょう。ロープウェイ姿見駅(上の駅)には給水施設がありません。ロープウェイ売店での販売となります。ビジターセンターでは飲料水(お湯はありません)をおわけすることができます

●ドローンについて
・旭岳ロープウェイがゴンドラ内への持込みを認めません。ご注意ください。
詳しくは以下のページの注意書きをお読みになって、ご不明の点はロープウェイにお尋ねください。
http://wakasaresort.com/asahidakeropeway/price/index.htm#label

・姿見駅や旭岳ビジターセンターは道有林ですので、無人航空機の飛行については以下をご覧ください。
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/sr/nsr/kannri/kannri/mujinkoukuuki.htm

・ビジターセンターの、道路をははさみ、すぐ南側のクロスカントリースキーコースなどは国有林ですので、以下をご覧ください。
http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/apply/nyurin/nyurin_sinsei.html

●「旭岳源水」は1月下旬から一時閉鎖されます。
護岸工事のため、旭岳源水は1/25から完全に閉鎖されます。工事は4月頃までの予定だそうです。
湧水汲みなどご利用の方は、ご注意ください。

お知らせ

●旭岳ビジターセンター
http://www.welcome-higashikawa.jp/info/?c=16
旭岳の登山・自然の情報はビジターセンターにおたずねください。
来館した方や、電話・メールなどのお問合せに対し、最新の現地情報と、過去の事例や個々の事情に照らし、最適な答えを返せるよう努めています。

・ビジターセンターでは雪の結晶観察を随時行っています。
観察にもは防寒着、防寒手袋が必須です。

・長靴、スノーシューのレンタルもあります。

旭岳ビジターセンター周辺の過去の様子

  • 山麓駅付近~ロープウェイの車窓からも綺素晴らしい絶景に出会えます
  • 旭岳スキーコースがオープンしました
  • 10月6日に初冠雪が観測されました
  • 裾合平の紅葉は全体的に少し渋めになってきた印象
  • 裾合平・白鳥の雪渓
  • 裾合平のお花畑はまだ雪に覆われています

旭岳ビジターセンター

電話番号:
0166-97-2153
連絡先住所:
〒071-0372 上川郡東川町旭岳温泉

地図で見る
http://www.welcome-higashikawa.jp/asahidake-vc/

施設の詳細を見る

関連する山

北海道 / 石狩山地

大雪山・旭岳 標高 2,291m

 大雪山の盟主として、また北海道の最高峰として、誰もが一度は登りたい、また登らねばならない山が旭岳である。「ヌタプカムウシュペ」というのはこの山塊全体の呼称で、個々のピークにアイヌは名をつけなかったようだ。旭岳という名称は、忠別川の源頭にあるところからきており、アイヌ語でチュプ・ベツ「日の川」を旭としたもの。旭川市や忠別岳の名も同じ由来である。  古くから登山道は開かれていたようで、明治36年(1903)、上川文武館生徒21名が集団登山した記録があるが、往復に3日を要している。この頃、旭岳は「於武建志計(オプタテシケ)山」と呼ばれていたという。明治の文学者・大町桂月の登山はずっと後で、大正10年(1921)、黒岳沢から無名峰(現在の桂月岳)に達し、北鎮岳を経て旭岳に登り、松山温泉(天人峡)に下っている。冬の登頂は翌大正11年(1922)1月、北海道大学の板倉勝宣、加納一郎らが最初である。  いま夏の登頂は全く容易になった。ふもとの旭岳温泉(旧名 勇駒別温泉)から、2本のロープウェイを乗り継いで一気に1600mの姿見駅へ。お花畑の中の道をたどって、旭岳の姿を映す「姿見ノ池」のほとりから、火山礫の登山道を、白く煙を上げる火口を見下ろしながら登ること2時間ほど。ついに頂上に立てるのだ。道内最高地点だけに展望は広大で、国立公園内の山々はもとより、天塩岳、暑寒別岳(しよかんべつだけ)、芦別岳(あしべつだけ)なども見え、さらに快晴の日には遠く利尻山までも望むことができる。  黒岳からの縦走はもっとすばらしい。黒岳石室を早朝に出発し、第2の高峰北鎮岳(ほくちんだけ)にも登って旭岳に至るコースは、約5時間の行程だ。旭岳の北東面には遅くまで雪渓が残り、夏スキーを楽しむ人々も多い。雪渓の下が指定のキャンプ地になっていて、最盛期には色とりどりのテントが花と咲く。頂上に登らず、途中の中岳から旭岳の山腹を巻き、山中に湧く無人の中岳温泉を経て姿見駅に出ることもできる。駅付近には姿見ノ池のほかにもいくつかの沼が点在し、それらを散策するのもよい。  頂上付近は草も木もないから、どこへでも行ける。なかには道を踏み外してどんどん下ってゆき、帰ってこられなくなった例もある。姿見駅の付近でさえ、ガスがかかると分かりにくくなる。ロープウェイは冬には多くのスキーヤーを運び上げるが、軽装で頂上を目指したまま行方不明となる人が時々出るのも、目標物に乏しい頂上付近の地形に惑わされるからであろう。充分、注意したい。

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大雪山・北鎮岳 標高 2,244m

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