鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

残雪は例年よりやや多め。厳冬期雪山登山装備が基本。柏原新道はこの時期雪のため通行不能です。GW営業は5/7まで。

薄っすらと朝焼けに染まる鹿島槍ヶ岳(2017.04.29 冷池山荘 )
薄っすらと朝焼けに染まる鹿島槍ヶ岳(2017.04.29 冷池山荘 )
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天気・気温

富山市の天気予報
明日
晴一時雨
23℃
13℃
明後日
晴のち曇
26℃
11℃
日本気象協会提供 2024年4月24日 18:00発表
松本市の天気予報
明日
曇のち晴
24℃
12℃
明後日
晴のち曇
29℃
8℃
日本気象協会提供 2024年4月24日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

●これまでの様子
4/30 一日じゅう黄砂が飛来するもやっとした一日でした。
昨日午後の雪も上がり、一日を通して好天に恵まれましたが、温度も急上昇ですので、そこかしこで小さな表層雪崩の発生が見受けられました。
幸い雪崩等によるトラブル発生等の報告もなく「爺ヶ岳南尾根」「赤岩尾根」「鹿島槍東尾根」などから、腐った雪に少々手こずりながらも順調に冷池山荘に到着されました。

4/29 朝の内はまあまあも次第に雪が舞う時間帯もありましたが、午前中なんとか視界も利いて登山者も順調に行動することができたようです。
午後1時半ごろからは天候も急変。雷も伴なって大荒れの猛吹雪になってしまいました。
夜までに小屋周りで10センチほどの新雪となりました。

4/28 昨夜も寒気が残り雪がパラついた鹿島槍ヶ岳周辺ですが、今朝はよく冷え込み-10℃ほどまで下がりました。

4/23 鹿島槍ヶ岳南峰「ダイレクト尾根」(北股本谷から頂上へ向かって真っすぐに突き上げる尾根)に登山者を見つけました。鹿島槍ヶ岳は東尾根や天狗尾根などが「バリエーションルート」ととして人気が高く、ゴールデンウィーク中も幾つものパーティが挑戦しますが、「ダイレクト尾根」は登るパーティも少ない尾根です。

●これからの予報
5/2以降は谷筋歩きや急斜面の通過等は要注意。
ゴールデンウィーク後半戦5/2~5/5の日中ぐらいにかけては、大きな移動性高気圧の圏内に入る予報。そうなるとしばらく春山モードに浸ることができるでしょうか。

登山道の状況

※柏原新道は夏山登山道です!
冬期及び4月・5月の残雪期に通行はできません!(残雪期の爺ヶ岳南峰へは南尾根を直登)
例年6月の中旬に通行が可能になります。 例年だと安心して通行できるのは6月末からです

4/26 赤岩尾根を下山偵察。
・中間の高千穂平を境に上部は平年並みの積雪、
・下部は平年より残雪は多め
・西俣出合の赤岩尾根取り付き地点から尾根上にはたっぷりと残雪
下山の際には最後の最後まで気が抜けない状況です。
慣れない方は雪が腐っていても最後までアイゼンを付けての下山をおすすめします。また急な斜面では後ろ向きでの慎重な下降をしてください。
・主尾根を外さぬように!夏道登山道はほぼ100パーセント現れていません。
下山時には間違えて支稜へ踏み込まぬよう要注意です。
トレースにしても雨が降ったり、温度が急上昇すると消え去ってしまいます。ここ2年ほどは大きな事故はありませんが、赤岩尾根は元来残雪期の転滑落事故が多いので、下山の際には最上部の国境稜線から最下部の西俣出合まで転滑落には最大限の注意を払ってください。
・ルート上には、夏には巻き道できるが、残雪期にはむずかしい、大きな露岩が2箇所にあります。的確なコース取り、慎重な通過を。
・最上部の国境稜線直下の雪斜面は、まとまった新雪が降った際には表層雪崩の危険が大です
夏道のコース取りと同じようにトラバースする場合でも、直登する場合でも無理は絶対禁物。
過去にもゴールデンウィーク中の新雪による表層雪崩で大きな事故が発生しています

登山装備

冬山装備必携。

注意点

まだまだ5月中旬までは一晩に50cm以上の降雪があっても全く不思議でない後立山連峰です。
ゴールデンウィークも慎重な行動が必要です。

●冬山の装備、体力、総合力が求められます。
ゴールデンウィーク中の冷池山荘にご宿泊やテントの方は、比較的難易度が低いと思われる「扇沢出合登山口から爺ヶ岳南尾根のピストン」をされる方の割合が圧倒的です。こーのルートも立派な「バリエーションルート」のひとつです。
比較的難易度は低いかもしれませんが、装備、体力はもちろんのこと、地図や地形を読む力、そしてあらゆる気象条件化での的確な判断力を持った方でなきゃ、やっぱり登ってはいけないと思います。

なんで毎年こんな同じようなことを書くかといえば、毎年私どもの常識とはかなりかけ離れた装備や計画、判断でまだまだ真冬の世界の鹿島槍へ来られる方がおられるからです。熟練者やベテランの方には少々うっとうしく思われるかもしれませんが、ご容赦願いたいと思います。

残雪が異常すぎるくらいに少なかった昨年のゴールデンウィークは周辺でも事故がほとんどなく幸いしましたが、残雪がやや多めの今年も昨年に続きそうあっていただきたいと思います。
ぜひともお天気に恵まれた事故のないいいゴールデンウィークになってくれればいいですね! 

※ゴールデンウィークは、夏山と違って、お客さまに安心してどんどんお越し下さいといった考えはまったくありません。
自分でルートや天候への適切な対処、判断、そして危険回避ができる方のみにお越しいただきたいと思います。
夏山登山道は通れますか? とか、危なくないでしょうか? とか、自分でもだいじょうでしょうか? 雪はどれくらいあるんでしょうか? はたまたアイゼンは・・・ ピッケルは持っていったほうがいいでしょうか? といったようなご質問をされる方はガイドさんを依頼するか、熟練者と同行されることをお勧めいたします。
まだまだゴールデンウィーク中の北アルプスは真冬の岳、厳冬期の岳となんら変わりはありません。

●マイカーの方へ
扇沢市営第二駐車場の除雪作業を4/27までにほぼ終わらせていただいたようですので、登山者はそちらへ入れてください。路上駐車や路肩駐車は絶対におやめ下さい

お知らせ

冷池山荘ホームページ http://www.kasimayari.jp/
新越山荘、種池山荘も同じURLです。

本年2017年(平成29年)も昨年同様の期間での営業を予定していますが、各山荘の小屋開き当初や、小屋閉め間際は、必ず開設状況を確認の上でご予約ください。
とくにゴールデンウィークの冷池山荘 については必ずご予約ください。本年もご来荘をお待ち申し上げます。

天候や積雪状況等により小屋開け時の入山が遅れたり、逆に小屋閉めが早まったりする可能性もありますので、小屋開けの頃や小屋閉め間際は必ず 当ホームページにて確認、もしくは電話にて必ずご予約ご確認ください。
※営業期間は各山荘毎年若干変わりますのでご確認ください。

●2017年営業予定
新越山荘 7/1~9/23
種池山荘 6月中旬~10/14(日)
冷池山荘 GWの営業 4/29(土)~5/7(日)、通常営業 6月中旬~10/14(日)
通常のご予約については電話0261-22-1263(かしわばら宅)へお願いします。
・個室の御予約は、承っておりません。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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