槍ヶ岳登山には全ルートで急勾配の雪渓トラバースがあり、アイゼン+ピッケルが必要です。飛騨側は要ルートファインディング。
天気・気温
山と周辺の状況
本日はガスで時々雨もぱらつく天気です。風はそれほどありません。
融雪が進んでいます。この雨でまた状況に変化があるかもしれません。
この時期は最新情報を得て入山下さい。
ライチョウが、今繁殖の季節を迎えています。
山荘の近くにもオスとメスのひとつがいが姿を見せ、雪の上の小さな虫をしきりについばんでいます。
山荘のテント場で
クロユリ
クロユリ
が小さなつぼみをつけました。
燕~大天井岳稜線沿いには
ミヤマキンバイ
ミヤマキンバイ
が既に沢山の花を咲かせ景色と共に楽しませてくれています。
登山道の状況
槍ヶ岳登山はまだ雪があり、アイゼン+ピッケルが必要な状態です。
登山には最新情報を得て入山するようにしましょう。
●上高地側~槍沢~槍ヶ岳山荘
槍沢ロッジから槍沢を詰めていきます。
途中から雪上となります。稜線近くは傾斜も急でアイゼン+ピッケルが必要
融雪して夏道が一部出てきました。
●飛騨側~槍ヶ岳山荘(以下は6/16の状況ですが、あまり変化ありません)
今年は残雪が多く、槍平~標高2900m地点まで夏道の露出は1割以下、ほとんど雪の上を歩く道となっています。
午後の雪が一番緩んでいる時間帯に登ったのですが、思っていたより雪面が固く早い段階でクランポン(アイゼン)を着用しました。
日によって時間帯によってコンディションは違いますが、ピッケル・クランポンはまだ必携の時期です。
道中、装備不十分で引き返してきた方もいらっしゃいました。
また、「目印がないから道が分からない」とおっしゃる方にも会いました。
今年の飛騨沢はまだまだ残雪期の状態なので、道があると思うのはナンセンス。
地形図を見て自分でルートを判断して進むことが必要とされます。
「たぶん夏道上」を歩いているのですが、慣れた道でもどちらに足を進めるか迷います。
木の間から見える地形を判断材料にして進路を決めていきます。
樹林帯では、まだ2m近く雪が吹き溜まっている個所がありました。
大きな沢筋に出ると進路は分かりやすいですが、沢が顕著に割れ始めているので注意が必要です。
リスクをどう評価してどんな道を選んで進むか、この辺りも個々人の判断になります。
雪解けの進むこの時期は落石も多い時期です。
夏道上の倒木も夏道の露出を待って処理されます。
飛騨沢の場合、途中にある槍平小屋は営業開始前(営業は7月1日から)なので、そのあたりも加味して行動したいですね。
日ごとに雪解けは進んでいきますが「今年はいつ夏の登山道が使えるようになるか」はまだ予言することはできません。
●6/27現在南岳新道上部の残雪
たっぷりの残雪量があり、急勾配の雪渓を上り下りする状態で要注意。
夏道が出始めるのはまだまだ先になりそうです!
・南岳小屋の歩きはじめから雪の上です。
・小屋~標高2700mの木道付近までの間(標高差300m)で夏道はまだ1割弱しか出ていません! 今後の雨で雪解けも進むでしょうが、7月中旬過ぎまではアイゼン等の装備が必要でしょう。
・天狗原方面 「ポール立て」「雪切り」も今後の天気を見ながら作業に向かう予定です。、
・急勾配の雪渓をトラバースする部分は幅広に雪切りしています。
ここは8月初めくらいまで残雪のある部分ですが、こまめに作業に向かう予定です。
ただし、上部からの落石と、岩に近い所は隙間やクラックがある場合もありますので通行にはご注意ください。
・上部に立てられた旗竿は短い間隔で立てていますが、広いカールの中を歩きますので、
見落としの無い様注意して通行ください。
※南岳の小屋の営業開始は7月1日からです。
●燕~大天井
燕~大天井岳周りの登山道には、通行不能な個所はありません。
現在の状況は、大天井ヒュッテまででしたら燕からでも常念からでも通行可能ですが、槍ヶ岳方面へは更に多くの雪渓トラバースの個所が残っており、一般登山者の通行は不可となっています。
ヒュッテ営業開始日の7月1日までには、雪切りを終えて表銀座コースの開通をお知らせ出来ますので、今しばらくお待ち下さい。
但し、下山時に使う槍沢や飛騨沢には相当の残雪が残っており、雪上歩行に必要な装備は必携ですのでお忘れなく。
登山装備
槍ヶ岳登山にはのアイゼンやピッケルなど冬の雪山装備が基本です。
今年は残雪が多く「海の日」までは必要になりそうです。
街はもう暖かいですがこちらはまだまだ寒く、まだ雪が降ります。
今の槍ヶ岳への登山には冬の装備が必要です。アイゼン、ピッケルをお忘れないように!
紫外線対策のサングラスや日焼け止めも必携です。
注意点
装備の油断なく、現地で最新情報を得るようにしましょう。
今年は昨年と比べて雪どけが遅れています。
融雪は進んでいますが、まだ雪山であることに変わりはありません。
晴天時に汗を掻いて山荘で登ってきても、すぐに体が冷え、フリースの上にダウンを着なくては凍えてしまうほどです。
まだまだ山の上は夏とは程遠い生活です。これから登られる方は、きちんとした装備でお越しください。
山に夏が来るのはまだまだ先のようです。
お知らせ
●槍岳山荘
http://www.yarigatake.co.jp/
●2017年系列小屋営業日
(※営業期間外の連絡は松本事務所へ)
・槍ヶ岳山荘 090-2641-1911
期間:2017年4月27日(木)~11月4日(土)
受付時間:7:00~20:00
・槍沢ロッヂ 0263-95-2626 または 090-3135-0003
期間:2017年4月27日(木)~11月4日(土)
受付時間:7:00~20:00
・南岳小屋 090-4524-9448
期間:2017年7月1日(土)~10月14日(土)
受付時間:7:00~20:00
・大天井ヒュッテ 090-1401-7884
期間:2017年7月1日(土)~10月14日(土)
受付時間:7:00~20:00
・岳沢小屋 090-2546-2100
期間:2017年4月27日(木)~11月4日(土)
受付時間:6:00~20:00
昨年の今頃の様子は?
営業4/27~(宿泊要予約)。予約受付中。4/27からの営業に向けて作業中です2023.04.21
営業スタート。本日は富士山まで見える快晴。昨日までの降雪と強風のため雪質に注意2023.04.27
昨日降雪(みぞれ)。槍ヶ岳へは前爪アイゼン+ピッケルが必須(チェーンスパイク、軽アイゼンは危険)2023.05.09
昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.16
昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.24
槍ヶ岳山荘周辺の過去の様子
槍ヶ岳山荘
- 現地連絡先:
- 090-2641-1911
- 電話番号:
- 0263-35-7200
- 連絡先住所:
- 長野県松本市埋橋1-7-2