湿原の主役はミズバショウからワタスゲに変わりました。周辺の雪は一気に融けましたが、燧ヶ岳は残雪多め
天気・気温
山と周辺の状況
今日の尾瀬沼は朝から気温が上がりました。新緑の森を歩きながらエゾハルゼミの声を聞いていると、初夏を感じます。林道にたくさんあった雪は姿を消しつつあります。
大江湿原では
ミズバショウ
ミズバショウ
が見頃を終え、シーズンで一番たくさんの種類のお花で賑わう季節がやってきています。
現在はミツガシワの花が見頃となっています。シカの食害による影響を受けて数を減らしているとされる植物の一つですが、今シーズンは湿原の一部を白く染めるほどにミツガシワの群生を見ることができます。
今、湿原の主役は
ワタスゲ
ワタスゲ
です。
ワタスゲ
ワタスゲ
は
ミズバショウ
ミズバショウ
の頃に目立たない花を咲かせ、そのあと白い綿毛をつけ、風を利用して種を遠くまで運びます。花ではなく種の時期が、私たちを楽しませてくれます。
また、
レンゲツツジ
レンゲツツジ
の花芽がだいぶ膨らんでいます。
レンゲツツジ
レンゲツツジ
は尾瀬では湿原に生息する低木で、例年では6月中旬から7月上旬にオレンジ色の美しい花で湿原を彩ります。
今シーズンは例年よりは遅めの開花となりそうですが、花芽をつけているのを確認することができました。
登山道の状況
●尾瀬沼周辺
尾瀬沼周辺の道は、北岸の道はすべて残雪は融けました。
南岸側(三平下~沼尻)は現在、残雪の状態が危険なため、通行止めとなっています。
●沼山峠~大江湿原
沼山峠~大江湿原は、ほぼ雪は消えています。大江湿原は、雪はもう消えています。
大江湿原~小淵沢田代方面への登山道の残雪も、ほぼ消えました。ぬかるみが多く、少し歩きにくくなっています。
●見晴~尾瀬沼方面
白砂峠の残雪も、ほぼ消えました。雪解けの遅かった白砂湿原では、今が
ミズバショウ
ミズバショウ
の盛りです。
●燧ヶ岳
長英新道(浅湖湿原~燧ヶ岳)は、樹林帯で多くは雪に覆われています。道がわかりづらくなっているので、リボンやマークを見失わないようにしてください。
御池新道(御池~燧ヶ岳)は、爼嵓直下の急斜面、および柴安嵓直下の急斜面などは、滑落の危険性があります。アイゼン・ピッケルを用意して、慎重な行動が必要です。熊沢田代より上部は、とくに残雪が多くあります。
見晴新道(見晴~燧ヶ岳)は、残雪が多く、通行には十分な注意が必要です。まだ一般的ではありません。新しい登山道のため、ぬかるみやササの切株が続きます。
ナデッ窪については、雪崩・滑落の危険があるので残雪期の通行は控えてください。
●燧裏林道・三条ノ滝
燧裏林道は、もう残雪はありません。湿原では、
ヒメ
シャクナゲ
シャクナゲ
ヒメ
シャクナゲ
シャクナゲ
、
イワカガミ
イワカガミ
が先、
チングルマ
チングルマ
が蕾をつけていました。ほか森林帯でムラサキヤシオツツジなどが咲いています。
天神田代~渋沢温泉小屋跡のルートは通行禁止です。
登山装備
防寒対策および、残雪対策が必須です。
スニーカーではなく登山靴を履き、防寒着やレインウェアを忘れずお持ちください。
思いがけない残雪の量と低い気温に、装備不足で対応しきれず、体調を崩したり怪我をされる方が多くいます。
注意点
山小屋・休憩所の営業開始予定日は、以下URLをご確認ください
https://www.oze-fnd.or.jp/wp4/wp-content/uploads/2017/04/90f532e62d7e5fc7811eb187bb567fd7-2.pdf
尾瀬にはツキノワグマが生息しています。尾瀬を散策する時には、クマの生息地を訪れるということを忘れないでください。クマについての理解を深め、人身被害を防止しましょう。
https://www.oze-fnd.or.jp/ozd/br/
お知らせ
現在、尾瀬沼ビジターセンターでは「尾瀬国立公園誕生10周年記念写真展‐会津駒ヶ岳・田代山・帝釈山魅力再発見!‐」を開催しています。
日光国立公園尾瀬地域から「会津駒ヶ岳」「田代・帝釈山」を含め、日本初の分離独立を果たした「尾瀬国立公園」がめでたく、今年度で10周年を迎えました。
分離独立のきっかけになったこの三つの山々を紹介や、季節を彩る花々や壮大な風景の写真、色鮮やかな登山道の動画などを展示しています。
昨年の今頃の様子は?
尾瀬沼ビジターセンターは5月13日に開所しました。残雪が少なく、大江湿原ではミズバショウが咲き始めています2023.05.17
尾瀬沼ビジターセンター周辺の過去の様子
尾瀬沼ビジターセンター
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