大山の厳冬期はこれから。冬山装備はもちろん、それを使うための技術の習得も必ず行ってください
天気・気温
14:00 山頂の天候 曇り 気温 2℃ 15〜18m/s
山頂の天気の閲覧、登山計画の保存などができるようになります。
山と周辺の状況
立春も過ぎて暦の上では春の気配も感じられるかもという時期ですが、大山ではまだまだこれからが厳冬期の冬山となります。
6合目を過ぎてから西風が強くなり始め、瞬間最大風速が20m/sを越えるぐらいの強風でしたが、天候に恵まれて山頂まで問題なく到達できました。
1月と2月に山頂までの到達率は私自身は2割から3割程度です。
今日は気温も高く、積雪も比較的に柔らかく、歩きやすい状態でした。
冬の大山は誰でもが登れるほどかんたんな山ではありません。
ちょっとミスをすると即遭難に繋がります。命に関わる事故にもなりかねませんので、充分にご注意を。
天気予報などの情報をしっかり把握した上で、無理のない登山を心がけて下ください。
登山道の状況
まだまだ厳冬期の大山ですから冬山装備は必ずお持ちください。
特にアイゼンですが、まずアイゼンを使うことよりもキックステップを習得してください。
キックステップで登れなくなった時にアイゼンを装着というのが基本です。
ということは10本または12本爪でないと難しいと思われます。
3合目手前から傾斜が急になってくるので、アイスバーンが予測される時はスタートからアイゼンを履いてもいいと思います。この時もズボンの裾に引っ掛け転倒するということがあるようですが、山歩きの基本のであるガニ股歩きができていないからです。
6合目からさらに上を目指す場合は、ストックからピッケルに持ち替えたほうが無難です。
これも滑落停止ができることが必要充分条件です。
アイゼンが必要な場所で転倒するとストックは何の役にも立ちません。
従って基本はアイゼンとピッケルはセットで考えることです。
ただアイゼン無しのピッケルは雪山訓練が出来ていればアリです。
7合目を過ぎてからはブルーの細い目印のポールを立てています。
これは迷わないためのものですが、7合目から上はガスってしまうと方向がわからなくなります。
従って次のポールが見えない場合は必ずそこで無理をせずに引き返してください。
あまり密に立てるとどんなに天候が悪くてもどんどん登ってしまいます。
迷いやすい場所は少し密に、わかりやすい場所はやや広めに立てていますので、無理をしないようにお願いします。
登った以上は下りもありますが、登りで無理をすると下れなくなります。
天候などの状況をみながら判断してください。
登山装備
まだまだ厳冬期の大山ですから冬山装備は必ずお持ちください。
特にアイゼンですが、まずアイゼンを使うことよりもキックステップを習得しましょう。
キックステップで登れなくなった時にアイゼンを装着というのが基本です。
アイゼンは12本爪を必ずお持ちください。時々10本で爪の短いものが安価で売られています。
しかし実際にアイスバーンで使ってみればわかりますが、6合目より上での急斜面ではほとんど役に立ちません。
あくまで軽アイゼンと同程度のものと考えたほうがいいと思います。
(アイスバーンの急斜面を下ればよくわかります)
アイゼンワークをきっちり基本から学んでいる方は何とかなりますが、12本のしっかりしたアイゼンのほぼ半額程度で購入できるのでという理由で購入することは避けたほうがいいようです。
また、冬山では何が起きても対処できるだけの装備を持たないと、あまりに軽装備で登ることは遭難事故に繋がる恐れがあります。
注意点
道路には積雪がありますので、車でお越しの際は冬用タイヤとチェーンはお忘れなく。
駐車場は除雪していない時が多いので、お気をつけください。
先日も遭難死亡事故がありましたが、それでもなおかつ今日お会いしたグループはやはり軽装備で登っておられ、ペースも遅く、聞いてみるとヘッドランプも持っていない。
午後2時の段階で7合目付近を登っていたので、一応お願いをしましたが、やはり冬山は無雪期とはまったく違いますので、ご注意ください。
今の時期はピッケルよりもストックの方が使える場面は多いと思います。
ただピッケルもそうですが、ストックの正しい使い方を学んでください。
「ストックを使えば楽に登れますよ」という単純なものでもありません。
最近はネットとか雑誌で知識だけは得ることができますが、実際の冬山はそんなに簡単なものではありません。
下着ひとつとってみても意味を考えてこだわらないと、事故に繋がります。
11月から12月にかけて事故が続いていますが、慎重に注意していても事故が起きる要因は必ずあるものです。
決して大山の冬を甘く見ないで、無理をしないでください。
誰でもが気軽に登れる山ではありません。
●山頂避難小屋
山頂避難小屋は来年春までは無人ですが、トイレは非水洗のものが1ヵ所だけ使えます。
風が避けられるだけいいと思いますのでご利用ください。
天候が悪い場合は内部も暗くなりますので、ヘッドライト等はすぐに取り出せるところに入れておいてください。
トイレも含めて皆が気持ち良く使えるように、入り込んだ雪は出られる時にほうきで吐き出す程度のことはご協力ください。
(ほうきやスコップは小屋内に常備しています。)
●道路には積雪があります
車でお越しの際は冬用タイヤとチェーンはお忘れなく。
駐車場は除雪していない時が多いので、お気をつけください。
お知らせ
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関する依頼、受けておりますので遠慮なく下記までお問い合わせください。
日本山岳ガイド協会 認定登山ガイド 久保昌之
電話 090-7999-2931
鳥取県日野郡江府町御机鏡ヶ成709-1 休暇村 奥大山
電話 0859-75-2300
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大山プロガイド協会周辺の過去の様子
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