宮之浦岳・縄文杉 | 屋久島ガイド協会

屋久島の森では植物たちが春の訪れを告げるかのような賑わいを見せています。白谷雲水峡では、登山口までの山道に沿ってサクラツツジが開花し始めています。

サクラツツジ(2018.03.29 屋久島ガイド協会 )
サクラツツジ(2018.03.29 屋久島ガイド協会 )
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天気・気温

03/29(木)  
●縄文杉コース(標高1300m)
天気:晴れ 縄文杉デッキの気温:12℃ (12:00 標高1300m) 風:東の風 登山者数:約300名

●白谷雲水峡(苔むす森 標高850m)
天気:晴れ 苔むす森の気温:15℃ (11:30 標高850m) 風:なし 登山者数:約400名
鹿児島市の天気予報
明日
雨時々曇
23℃
19℃
明後日
雨時々曇
22℃
18℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

先週22日(木)は気圧配置が西高東低の冬型となり、縄文杉コースではあられが降りました。24日(土)までは冷え込みが続きましたが、今週は春の温かさが戻りました。

屋久島の森では、植物たちが春の訪れを告げるかのような賑わいを見せています。
白谷雲水峡では、登山口までの山道に沿ってサクラツツジが次々と開花し始めています。サクラツツジの花弁は上側のみ斑点模様がついています。これは「蜜標」と呼ばれ、花粉を運ぶ昆虫を蜜へ誘導し、効率よく花粉を運んでもらうための工夫です。常緑の照葉樹林で覆われた登山道では、足元にひっそりとサツマイナモリの白い花が咲いています。サツマイナモリの漏斗型の花には、おしべの花糸(おしべの軸の部分)が長く、めしべの花柱(めしべの軸の部分)が短い「長花柱花」と反対に花柱が短く、花糸が長い「短花柱花」があります。これは遺伝的に近縁な個体との交配を避け、より多様な遺伝的性質を持つ孫を残していくための工夫だと考えられています。

森が生命力に満ち溢れるこの季節に、様々な生き物による自然界を生き抜く知恵を探し歩くのも、屋久島の森の楽しみ方の一つです。
暖かくなり、登山者数も多くなりますので、山歩き、森歩き、自然観察の際には周囲への気配りも忘れずに屋久島を満喫して下さい。

3月28日現在の日の出は6:11、日の入りは18:33です。

登山道の状況

(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)?荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。
バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。

詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/

屋久島の道路通行規制情報はこちら
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima

(縦走ルート)
・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。

登山装備

・標高1000m以上では、雪山装備が必要です。積雪、凍結、悪天候に備え、奥岳登山ではチェーンスパイク程度の滑り止め、ストック等が必要です。万が一のビバーク用装備もお忘れなく。
・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・標高や風雨など天候によっては体感温度は低くなります。衣類は速乾用素材、防水、防寒、防風の装備をしっかりと用意して下さい。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライトは必須です。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。

注意点

・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

お知らせ

その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。

【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/

昨年の今頃の様子は?

呼ばれた人しか来れないと言われる神秘の島「屋久島」。縄文杉に出会えた時の感動はひとしおです2023.04.06

4月に入り暖かい日が増えましたが、登山には目標の標高に合わせた服装を考慮しましょう2023.04.11

先週は低気圧の大雨のため交通規制もありましたが、一昨日昨日は春らしい陽気となりました2023.04.19

縄文杉ルートでサクラツツジが見頃。GWは時間と気持ちに余裕を持って新緑の森を楽しんで下さい2023.04.26

GW中の人気登山道は人多くすれ違いに注意し、行動時間に余裕を持つなど安全登山を心がけて2023.05.03

GWはコロナ前の賑わいを取り戻してきたようです。小屋泊や色とりどりテントで賑わいました2023.05.10

シャクナゲ登山が増える時期。車は現地の表示に従い、駐車禁止区域に駐めないで下さい2023.05.17

屋久島ガイド協会周辺の過去の様子

  • 縄文杉ルートのトロッコ道沿いに咲くマムシグサ
  • アオモジ
  • ヒサカキ
  • ヤクシマオナガカエデの新芽
  • ヤクシマオナガカエデの新緑
  • ヤクシマゴケ
  • 隣の種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット 屋久島から見えました
  • ヤクシマゴケ
  • 春を告げるサツマイナモリの花
  • 桜とモッチョム岳
  • 冬の苔むす森。森の中は雪の白さで普段より明るく感じます。
  • スギバゴケの仲間

屋久島ガイド協会

電話番号:
0997-49-4191
連絡先住所:
〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町1436-56

地図で見る
http://www.yakushima-guide.com/

施設の詳細を見る

関連する山

鹿児島県 / 大隈諸島 屋久島

宮之浦岳 標高 1,936m

 屋久島のほぼ中央に位置し、九州の最高峰。山体は四万十層の基盤岩に貫入した花崗岩で、山容は女性的である。  屋久島は九州本土最南端の佐多岬から70kmの黒潮洗う中にある。南北25km、東西27km、周囲わずか105kmのハート型をしたこの島には、1500m以上の高峰が11座、1000mを超える山が30座以上もあり、洋上のアルプスである。  海岸線からは、宮之浦岳などの高峰は見ることができないので、奥岳とも呼ばれ、これらを囲む前衛の峰を前岳と呼ぶ。また、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を三岳(みたけ)、または御岳と呼び、翁岳、安房岳(あんぼうだけ)、投石岳(なげしだけ)、筑紫岳(ちくしだけ)を含めて八重岳とも呼んでいる。  屋久島の骨格をなす山々の稜線は、宮之浦岳からほぼ四方に延びる。全山花崗岩からなり、山頂近くは風化、浸食された奇岩、怪石が多い。一帯は低いヤクザサに覆われ、矮小化したヤクシマシャクナゲが点在し、花期の6月上旬には登山者の目を楽しませてくれる。  豊富な雨量により渓谷も発達し、山肌を深く浸食しながら島の中央から無数の河川が海に注ぐ。宮之浦岳を源流とする宮之浦川、小揚子川、安房川などは日本有数の峻険な谷である。  山頂西側の花崗岩の割れ目には、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を祭る宝珠大権現の社があり、宮之浦にある益枚(やく)神社の奥宮として、古くから島民の岳参り信仰の中心となった。春は日帰りで五穀豊穣、国家安穏、延命息災を祈願し、秋は大願成就のため2泊3日で参詣した。必ず各集落から参拝し、女人禁制で登られていた。  昭和40年代まで安房川中流域小杉谷を中心に、伐採が盛んに行われた。島の南東の安房集落から小杉谷まで軌道が敷かれ、トロッコによって屋久杉を運搬していた。現在では輸送手段がトラックに変わり、島の四周に林道が延び、これを利用した登山コースが多い。  花崗岩の山頂からの展望は抜群。島とは思えない雄大なスケールで、島の山岳はもとより、晴天時には遠く九州本土佐田岬や開聞岳、口永良部(くちのえらぶ)島、種子島も浮かんで見える。  島の中央宮之浦岳への登山道は四方に拓かれ、代表的なコースは、楠川―小杉谷―縄文杉を眺め、宮之浦岳まで約20km、12時間。永田―鹿之沢―永田岳―宮之浦岳は約14km、9時間。他に栗生―花山歩道―鹿之沢。湯泊―湯泊歩道―花之江河(はなのえごう)―宮之浦岳。尾之間―尾之間歩道―花之江河。屋久杉ランド―安房歩道―花之江河などがあるが、一般日帰りコースは、淀川登山口(よどごうとざんぐち)―花之江河―宮之浦岳、約8km、所要5時間などである。山小屋は淀川、石塚、鹿之沢、高塚にある。

ユーザーの登山記録から