山荘周辺の積雪は250cmほど。しばらくは暖かい日が続きそうです。融雪にともなう雪崩に注意
天気・気温
山と周辺の状況
1日の山荘周辺の積雪深は250cmです。あくまで所定の計測地点で測定しているものですので、場所によってかなり差はあります。
気温が急激に上昇すると、稜線に張り出した雪庇(せっぴ)が融け、崩壊するものも現れてきます。
状況によっては雪庇の崩壊が起点となってブロック雪崩が発生することもあります。
帯状高気圧の影響で、これ以上ない登山日和が続いていますが、斜面上部に大きな雪庇のあるような場所では、
油断は禁物、万が一のことを念頭に入れて行動する必要があります。
これからしばらくは、暖かい日が続きそうです。引き続き融雪にともなう雪崩には警戒が必要です。
これからは、雪面状況や気象状況の変化が激しい時期になりますので、事前に気象情報をよく確認し変化に対応できるよう準備してお越しください。
登山道の状況
●新穂高ロープウェイ~西穂山荘間
ロープウェイから西穂山荘までは樹林帯で、冬のルートになっています。ルート上には歩きやすく安全な場所に目印を設置してあります。頭上の木の枝からの落雪にもご注意ください。このところ雪は毎日のように降っており、トレースが分かりにくいことがあります。入山の際にはワカンまたはスノーシューをご用意ください。
●西穂山荘~丸山
丸山までも目印をつけています。踏み跡があれば山荘から20分程で行ける距離ですが、吹雪になると目印も見えづらくなりますので十分に注意が必要です。融雪が進んでハイマツが露出してきていますので、アイゼンで傷つけないようにご配慮をお願いします。樹林帯に比べて風が非常に強くなるため、防寒・暴風対策をしっかりしてお出かけください。
●丸山〜独標
丸山からお花畑までは、広い尾根の登りが続きます。吹雪の際は道迷いが発生しやすくまりますので、悪天候時に無理な行動は控えましょう。
西穂独標の100mほど手前から険しい岩稜帯となります。この辺りからは信州側に雪庇が発達し、滑落すれば大きな事故にもつながりますので、怖いと思う方は絶対に無理をなさらないでください。またトレースがあっても安易に信用してはいけません。必ずご自身で状況を確認し判断しましょう。アイゼン・ピッケルは必携です。
●独標~西穂山頂
例年に比べると積雪量は少なめですが、雪庇などはそれなりに発達しています。独標から山頂へは、険しい岩場をアップダウンを繰り返しながら進みますが、無雪期でも上級者向けのルートですので、積雪期はさらに難しく危険度が増します。初心者の方は安易に立ち入ってはいけません。ルートは岩と雪のミックスで、雪面の状態によって慎重にルートを選ぶ必要があります。
●西穂山頂~奥穂高岳
西穂高岳~奥穂高岳間の縦走路は、無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つです。積雪期はさらに危険な状況となります。相当な熟達者以外は絶対に立ち入ってはいけません。
●上高地~西穂山荘
春先まではほとんど人の行き来がありません。道標がありますが積雪期は迷いやすく、ご自身でルートファインディングできなければ、経験者の同行が望ましいです。トレースの無いことがほとんどですので、ワカンやスノーシューを用意した方が無難です。
●西穂山荘~焼岳
冬の時期はほとんどこのルートを通る人がいません。また明確な目印もありませんので、経験者・土地勘のある方以外はお勧めしません。
詳細、最近の登山道の画像はこちら↓
http://www.nishiho.com/tozan.htm
●【お知らせ】岐阜県、長野県では、登山届の提出が義務化されています。
長野県登山安全条例
http://www.pref.nagano.lg.jp/kan…/tozanjorei/tozanjorei.html
岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例
http://www.pref.gifu.lg.jp/…/bosai/sangaku/11115/jourei.html
・ネットでの届出が便利です。下記のサイトをご利用ください。
岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会のオンライン届出ページ
http://www.kitaalpsgifu.jp/climbing.html
公益社団法人日本山岳ガイド協会のオンライン届出ページ
http://www.mt-compass.com/
登山装備
まだしばらくの間は、本格的な冬山装備が必要です。
徐々に春めいてきましたが、これからは雪面や気温の状況変化が激しい時期です。服装や装備は臨機応変に使い分けましょう。
冬用の靴や暖かいウェアなど基本の装備はもちろん、ツェルトや非常食等、緊急時に備えた装備もお持ちください。
山荘から下の樹林帯は雪の状態によってワカンまたはスノーシューとアイゼンとを使い分けます。ロングスパッツやストックも必要です。
山荘から上の稜線へ行くには、アイゼン・ピッケル必携です。丸山より上へ行かれる方はヘルメットも必要です。
ゴーグル・サングラス・目出し帽・冬用帽子・グローブ各種(アウター・インナー・薄手の物等)もお忘れなく。
注意点
●登山の注意
安全に山を楽しむための啓蒙活動も行われていますが、残念なことにこのところ事故が相次いでいます。
楽しみにしていたはずの登山で、突然の不幸が訪れるのを間近で見るたびにやり切れない気持ちになります。
中には運の悪い事故もありますが、多くの場合は実力・体力不足や悪天候での行動など、明らかな原因が認められます。
他人事だと思わず、ご自身の問題として登山の在り方を見直していただきたいと切に願っています。
●携帯電話情報
【ドコモ、au】 山荘付近・稜線ともに繋がります。
【ソフトバンク】 山荘西面なら繋がります。
山荘自家発電時、携帯電話、スマートフォンの充電ができます(20分間100円)。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。
お知らせ
西穂山荘
http://www.nishiho.com/
北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
・寝具は布団・毛布・枕を御用意していますので、シュラフは不要です。
・山荘に御宿泊のお客様も飲料水はペットボトルの販売のみとなります。
・消灯は21時です。
・お風呂はありません。
●山荘現地へのお問い合わせ
西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
(現地電話:0263-95-2506)
外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
現地の電話は、固定電話の他に携帯電話の回線(080-6996-2455)も新たに開設しました。
なお、ご予約は松本事務所(0263-36-7052)へお願い致します。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所