火曜日の最低気温は-10℃!下が雨なら上は雪。硫黄岳でも油断禁物の時期。前爪のあるアイゼン+ピッケル必携です。
天気・気温
山と周辺の状況
今日晴。鉱泉付近で風はありませんが、稜線では強い風が吹いているようです。
標高2500m以上では最後に降った雪がまだ残っています。この雪は赤岳鉱泉では雨でしたが、上では雪となりました。今日も赤岳西側は雪が残り真っ白です。次第に融雪すると思いますが、ゴールデンウィーク頃まではまだ降雪のおそれがあります。
天候に注意して、特に新しい雪には慎重な対応を求められる時期です。
近頃暖かい日の日中は+10℃近くまで気温が上がることもあります。
一方で朝夕は冷え込み-6℃くらいまで毎日下がります。
4月10日(火)は最低気温-10℃。最高気温でも-6℃でした。
雨の朝などは+1℃くらいです。
今の時期は入山者が少なく、上の情報も詳細には入ってきません。
登山者が思っている以上に、登山環境は厳しい状況です。
山麓が雨の時、上は雪になります。今は新しい雪が降っては融け、再凍結しては融けを繰り返している状態です。
軽アイゼンにストックといった軽装備では、まだ硫黄岳や赤岳には登れません!!
硫黄岳でも最低限6本爪以上のアイゼンを。赤岳や横岳では前爪のある10本爪以上のアイゼン+ピッケルが必要です。
●人工氷壁「アイスキャンディー」営業終了
登山道の状況
※週末の空模様に注意。下が雨なら上は雪。たちまち冬に逆戻りします。基本的にまだ「山は冬」という認識で!
(4/7の状況ですが、それほど今も変化ありません)
●赤岳山荘~赤岳鉱泉
・積雪0㎝~90㎝
日陰箇所が凍結していますので、転倒にご注意ください。チェーンスパイク+ストック利用が安全です。
また、雪が腐り始めていて、雪の踏み抜きがあります。
足が股下まで潜る箇所がありますので、こちらにもご注意ください。
●赤岳鉱泉
・積雪0㎝~90㎝
小屋周辺の融雪がかなり進みました。
土が見えている箇所はぬかるんでいるので、注意が必要です。
●赤岳鉱泉と行者小屋から上の登山道全般
樹林帯 50㎝~100㎝
岩稜帯 0㎝~50㎝
・入山者が少なくトレースも消えがちです。また残っているトレースも正しいとは限りません。あまり信用しないで下さい。
・気温が上がれば雪が腐り、アイゼンに雪が絡み付いてアイゼンの爪が効かなくなったり、雪を踏み抜いたりして、滑落や転倒する危険性が高まってきますので、ご注意ください!
・場所によっては雪庇やブロック崩壊に注意。
アイゼンをつけて岩稜帯を歩くミックス状態です。
●[赤岳鉱泉~樹林帯~赤岩の頭](硫黄岳への手前です)
積雪80㎝~100㎝弱
トレース(足跡)の不明瞭な箇所が多々あります。
トレース上の表面が凍結していて、トレースを外すと腰ぐらいまで雪を踏み抜く箇所も有ります。
軽アイゼンやチェーンアイゼンを装着して登り下りすることは、大変危険な状況です。
●[赤岳の頭~硫黄岳頂上]
・積雪30㎝~0㎝
赤岳の頭頂上を過ぎて岩稜帯に入ると積雪はほぼ無いです。
しかしながら、凍結箇所には注意が必要です。
硫黄岳に登る場合には、下記装備が必要となります。
◎最低10本で前爪のあるアイゼン
◎ピッケル
◎ヘルメット
これから気温が上がると雪が腐ってアイゼンに絡み付いたり、雪の踏み抜きが頻発したりすることが予想されますので、硫黄岳だからといって油断せずに、これからの時期だからこそ硫黄岳登山には細心の注意を払ってください!!
●赤岳山頂 横岳へは
前爪のある10本以上のアイゼン+ピッケルが必要です。
特に横岳の通過は厳しい状況です。くれぐれも慎重に。岩と氷のミックス状態です。
登山装備
・赤岳鉱泉まで チェーンスパイクや軽アイゼン+ストックが必要。雪があり完全防水の登山靴やスパッツも必要です。
氷点下の気温に対応できる防寒装備や降雪に対応できる雨具やアウターも必要。
・赤岳鉱泉より上は冬山登山に準ずる装備が必要です。
赤岳鉱泉から上にはアイゼンは10本爪以上で前歯のあるアイゼンが必要
加えてピッケルは必須です。ヘルメットの装着もお願いします。
※鉱泉~硫黄岳でも安全登山の見地からはピッケルの携行を推奨します。
天候に関係なく、赤岳鉱泉と行者小屋から上に登る際には、ヘルメットの着用を推奨しています。
山岳ヘルメットのレンタルを1日500円で実施。
帽子、手袋なども含めて防寒対策をしっかりと行ってください。
雪崩の対応としてアバランチビーコンの携帯も!
注意点
街は春でも、山はまだまだ冬です。
天候をよく確認し、登山はご自分の判断のもと安全登山を心がけて下さい。
「登れること」と「安全登山」は別の話です。
ご自身の技術と経験に見合った、余裕のある登山計画をよろしくお願いいたします。
●赤岳鉱泉や行者小屋まで夏山登山靴やスニーカーでお越しになる方が増えています。
南八ヶ岳はまだ春山ではなく冬山です!
冬山に夏山登山靴でお越しになるのは、下記リスクがあり大変危険なことです。
◎足の凍傷
◎足の冷えから来る低体温症
◎雪上や氷上でのグリップ不足
◎12本爪アイゼンが装着出来ない
赤岳鉱泉では冬山登山靴無料レンタルを行っていますが、趣旨として夏山登山靴を履いてお越しになった方にお貸しする為の無料レンタルサービスではありません。
大前提として赤岳鉱泉に冬山登山靴や3シーズン登山靴(※厳冬期の南八ヶ岳では推奨しません)を履いてお越しいただいた方に試し履きしていただくという無料レンタルサービスです。
上記趣旨を理解していただき遭難防止の為に、ご自身のリスクマネジメントをしっかりと行いましょう!
●赤岳天望荘は今営業してません。
稜線でのエスケープ箇所がありません。営業再開は4月中旬から
お知らせ
●赤岳鉱泉・行者小屋ホームページ
http://userweb.alles.or.jp/akadake/
Facebookはこちら http://blog.livedoor.jp/akadakekousen/
※赤岳鉱泉のお風呂は冬季休業中。入浴営業再開は5月上旬(ゴールデンウィーク)の予定。
・行者小屋のGW営業は、5/3(木)~5/5(土)泊となります♪
行者小屋の直通衛星電話は営業していないと通じません。
GWの行者小屋宿泊予約は、WEB予約又は赤岳鉱泉直通衛星電話090-4824-9986までご連絡ください
・赤岳鉱泉・行者小屋のInstagram
アカウントは、
akadakekosen_gyojagoya
フォローよろしくお願いいたします
昨年の今頃の様子は?
例年に比べて残雪は少なめ。夏季の小屋の予約が始まりました2023.04.04
赤岳鉱泉周辺の過去の様子
赤岳鉱泉
- 現地連絡先:
- 0266-62-8100
- 電話番号:
- 090-4824-9986
- 連絡先住所:
- 長野県諏訪郡富士見町落合桜ヶ丘10716