宮之浦岳・縄文杉 | 屋久島ガイド協会

風の強い日と穏やかな日が交互にやってきて、寒暖の差が大きい日が続きました。多雨地帯の屋久島では、雨の準備をしてトレッキングをお楽しみください。

クロバイ。花は白い(2018.04.21 屋久島ガイド協会 )
クロバイ。花は白い(2018.04.21 屋久島ガイド協会 )
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

天気・気温

04/17(火) ●縄文杉コース(標高1300m)
4月16日 天気:曇り 縄文杉デッキの気温:13℃(11:30 標高1300m) 風:北風の風 登山者数:約180名

●白谷雲水峡(太鼓岩 標高1050m)
4月15日 天気:曇り 太鼓岩の気温:12℃(12:30 標高1050m) 風:北西の強風 登山者数:約300名
鹿児島市の天気予報
明日
晴時々曇
24℃
13℃
明後日
曇のち雨
22℃
15℃
日本気象協会提供 2024年4月24日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

今週の屋久島は、風の強い日と穏やかな日が交互にやってきて、寒暖の差が大きい日が続きました。
14日、15日は前線の通過に伴い、南からの湿った温かい空気が入り込んだ影響で「春の嵐」となり、1時間に30mm近い雨が降る時間帯もありました。
「月に35日雨が降る」と言われている、多雨地帯の屋久島。1年間の平均降水量を比べると、東京が1500mmに対して屋久島の平地では4000mm。山岳部ともなると、1万mm近い雨が降るほどです。

そんな屋久島でのトレッキングにおいて、雨の日を最大限楽しむポイントをご紹介。
その1、「しっかりとした装備を準備する!」
気温も上がるこれからの季節は、防水性はもちろんですが透湿性の高い雨具があれば、汗をかきにくく快適です。また、縄文杉ルートのトロッコ道を歩く際や屋根の無い場所でのお弁当タイムでは、折り畳み傘があると便利です。

その2、「苔を愛でる!」
実に600種以上もの苔が屋久島に生息しています。その中でも特に触り心地が良いのがヒノキコケ。丸くてふわっとした動物の毛並みのような群落を作り、イタチノシッポという別名もあるほど。

その3、「雨の日限定の光景を楽しむ!」
森中が苔で覆われている屋久島で、唯一苔が生えにくいヒメシャラ。秋から春にかけて皮をぽろぽろ落とすことで綺麗な「美肌」を保ちます。雨の日は濡れた「美肌」が一層輝きを増し、その美しさに目を奪われるほど。よくよく観察するとそのつるっとした表面に雨が滝のように流れていて、根本まで雨水をしっかりと届けている様です。

ポイントその4、「沢の増水にはご注意!」
山岳部のほとんどが花崗岩で構成されている屋久島では、貯水性のある土壌が少なく、強い雨が降ると一気に沢が増水することもしばしば。白谷雲水峡などでは沢を渡渉する場所もあり、無理をすると下山不能に陥る事態もあり得ます。当日の天気予報や現地の情報をしっかりと収集し、現地ガイドの指示には素直に従うようにしてください。

以上のポイントを参考にされて、ぜひ屋久島の雄大な自然を満喫しにいらしてください。


4月17日現在の日の出は5:49、日の入りは18:47です。

登山道の状況

(縦走ルート)

・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。

(縄文杉ルート)
・3月1日から11月30日までの間、町道荒川線入口(荒川三叉路)から荒川登山口の区間は、通行規制がかかり、一般車の通行が不可になります。バスやタクシーなどの交通機関を利用してください。

詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/

屋久島の道路通行規制情報はこちら
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima

(縦走ルート)
・暴風、積雪の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。

登山装備

・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。

注意点

・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

お知らせ

その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては、
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。

【山岳部環境保全協力金について】
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/

昨年の今頃の様子は?

4月に入り暖かい日が増えましたが、登山には目標の標高に合わせた服装を考慮しましょう2023.04.11

先週は低気圧の大雨のため交通規制もありましたが、一昨日昨日は春らしい陽気となりました2023.04.19

縄文杉ルートでサクラツツジが見頃。GWは時間と気持ちに余裕を持って新緑の森を楽しんで下さい2023.04.26

GW中の人気登山道は人多くすれ違いに注意し、行動時間に余裕を持つなど安全登山を心がけて2023.05.03

GWはコロナ前の賑わいを取り戻してきたようです。小屋泊や色とりどりテントで賑わいました2023.05.10

シャクナゲ登山が増える時期。車は現地の表示に従い、駐車禁止区域に駐めないで下さい2023.05.17

屋久島もそろそろ梅雨入りの時期。傘と雨具は必携です。島内の交通機関や道路の最新情報に注意2023.05.24

屋久島ガイド協会周辺の過去の様子

  • 縄文杉ルートのトロッコ道沿いに咲くマムシグサ
  • アオモジ
  • ヒサカキ
  • ヤクシマオナガカエデの新芽
  • ヤクシマオナガカエデの新緑
  • ヤクシマゴケ
  • 隣の種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット 屋久島から見えました
  • ヤクシマゴケ
  • 春を告げるサツマイナモリの花
  • 桜とモッチョム岳
  • 冬の苔むす森。森の中は雪の白さで普段より明るく感じます。
  • スギバゴケの仲間

屋久島ガイド協会

電話番号:
0997-49-4191
連絡先住所:
〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町1436-56

地図で見る
http://www.yakushima-guide.com/

施設の詳細を見る

関連する山

鹿児島県 / 大隈諸島 屋久島

宮之浦岳 標高 1,936m

 屋久島のほぼ中央に位置し、九州の最高峰。山体は四万十層の基盤岩に貫入した花崗岩で、山容は女性的である。  屋久島は九州本土最南端の佐多岬から70kmの黒潮洗う中にある。南北25km、東西27km、周囲わずか105kmのハート型をしたこの島には、1500m以上の高峰が11座、1000mを超える山が30座以上もあり、洋上のアルプスである。  海岸線からは、宮之浦岳などの高峰は見ることができないので、奥岳とも呼ばれ、これらを囲む前衛の峰を前岳と呼ぶ。また、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を三岳(みたけ)、または御岳と呼び、翁岳、安房岳(あんぼうだけ)、投石岳(なげしだけ)、筑紫岳(ちくしだけ)を含めて八重岳とも呼んでいる。  屋久島の骨格をなす山々の稜線は、宮之浦岳からほぼ四方に延びる。全山花崗岩からなり、山頂近くは風化、浸食された奇岩、怪石が多い。一帯は低いヤクザサに覆われ、矮小化したヤクシマシャクナゲが点在し、花期の6月上旬には登山者の目を楽しませてくれる。  豊富な雨量により渓谷も発達し、山肌を深く浸食しながら島の中央から無数の河川が海に注ぐ。宮之浦岳を源流とする宮之浦川、小揚子川、安房川などは日本有数の峻険な谷である。  山頂西側の花崗岩の割れ目には、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を祭る宝珠大権現の社があり、宮之浦にある益枚(やく)神社の奥宮として、古くから島民の岳参り信仰の中心となった。春は日帰りで五穀豊穣、国家安穏、延命息災を祈願し、秋は大願成就のため2泊3日で参詣した。必ず各集落から参拝し、女人禁制で登られていた。  昭和40年代まで安房川中流域小杉谷を中心に、伐採が盛んに行われた。島の南東の安房集落から小杉谷まで軌道が敷かれ、トロッコによって屋久杉を運搬していた。現在では輸送手段がトラックに変わり、島の四周に林道が延び、これを利用した登山コースが多い。  花崗岩の山頂からの展望は抜群。島とは思えない雄大なスケールで、島の山岳はもとより、晴天時には遠く九州本土佐田岬や開聞岳、口永良部(くちのえらぶ)島、種子島も浮かんで見える。  島の中央宮之浦岳への登山道は四方に拓かれ、代表的なコースは、楠川―小杉谷―縄文杉を眺め、宮之浦岳まで約20km、12時間。永田―鹿之沢―永田岳―宮之浦岳は約14km、9時間。他に栗生―花山歩道―鹿之沢。湯泊―湯泊歩道―花之江河(はなのえごう)―宮之浦岳。尾之間―尾之間歩道―花之江河。屋久杉ランド―安房歩道―花之江河などがあるが、一般日帰りコースは、淀川登山口(よどごうとざんぐち)―花之江河―宮之浦岳、約8km、所要5時間などである。山小屋は淀川、石塚、鹿之沢、高塚にある。

ユーザーの登山記録から