雨が雪に変わり季節が冬に逆戻り。山荘周辺の新雪は水分多く滑りやすいです。稜線は強風に注意
天気・気温
山と周辺の状況
5月9日時点で、昨夜降りだした雨は夜中に雪に変わり、5cm〜10cmほどの積雪となりました。
またまた季節が冬に戻ったかのような光景となりましたが、昨年も5月中旬を過ぎてから雪が降っています。
新雪は水分を多量に含んで非常に重く、足元はかなり滑りやすいです。
山荘よりも更に標高の高いところは、湿雪ではあるものの、山荘周辺程水っぽさはないと思われます。
晴れて気温が上がれば数日で融けてしまうと思いますが、少しの間は注意が必要でしょう。
また雪が解けてしまっていた場所は、岩の上に新雪が乗っているだけなので、アイゼンを履いていても岩に当たるだけで、あまり効果はありません。
足元に関して言えば、厳冬期の方が歩きやすいくらいです。
雪が融けたり凍ったりを繰り返すため、時間帯によって足元の状態がめまぐるしく変化しています。
融雪が進み岩肌も多く露出したり、雪の固い所がないので一番嫌な状態で、技術的にもかなり難しい状況です。
特に下山の際は、一歩一歩慎重に下ることを心掛けましょう。
気温が急激に上昇すると、稜線に張り出した雪庇(せっぴ)が融け、崩壊するものも現れてきます。
状況によっては雪庇の崩壊が起点となってブロック雪崩が発生することもあります。
そして、朝晩と日中の体に感じる気温差が非常に大きくなることがあります。
稜線では風の強いことも多いですので、服装調整をうまく行い、停滞時には体を冷やさないよう注意が必要です。
その時々に応じて服装調整を行いながら登山をお楽しみください。
これからは、雪面状況や気象状況の変化が激しい時期になりますので、事前に気象情報をよく確認し変化に対応できるよう準備してお越しください。
登山道の状況
●新穂高ロープウェイ~西穂山荘間
ロープウェイから西穂山荘までは樹林帯で、冬のルートになっています。
最近は暖かい日も多く、雪面は融けたり凍ったりを繰り返しています。固い部分が多いですが、トレースを外れると深く雪を踏み抜くこともあるので、ご注意下さい。
●西穂山荘~丸山
融雪が進んで大部分で夏道である岩の上を通るルートになっています。雪上にトレースがあってもバツ印をしてある所は誤ったルートですので通らないようにしましょう。樹林帯に比べて風が非常に強くなるため、防寒・暴風対策をしっかりしてお出かけください。
●丸山〜独標
丸山からお花畑までは、広い尾根の登りが続きます。一部で残雪がありますが、大部分で登山道がでています。
西穂独標の100mほど手前から険しい岩稜帯となります。滑落すれば大きな事故にもつながりますので、怖いと思う方は絶対に無理をなさらないでください。残雪はありませんが、浮石や落石が多いので要注意です。
●独標~西穂山頂
独標から山頂へは、険しい岩場をアップダウンを繰り返しながら進みます。上級者向けのコースですので、初心者の方は安易に立ち入ってはいけません。残雪はほとんどありませんが一部で雪上を歩きます。雪面の状態によってはアイゼン・ピッケルがほしい時があります。
●西穂山頂~奥穂高岳
西穂高岳~奥穂高岳間の縦走路は、無雪期でも最も難しいといわれるルートの一つです。積雪期はさらに危険な状況となります。相当な熟達者以外は絶対に立ち入ってはいけません。
●上高地~西穂山荘
残雪期はルートが不明瞭で、非常に迷いやすいです。土地勘がない方には、この時期の通行はあまりお勧めしません。現在は中尾根から山荘までに残雪があります。
●西穂山荘~焼岳
完全に雪が融けるまでこのルートを通る人はほとんどおらず、明確な目印もありませんので、経験者・土地勘のある方以外はお勧めしません。焼岳小屋の営業は6月頃からを予定しているようです。小屋から上高地への登山道の梯子はまだ設置されていません。
詳細、最近の登山道の画像はこちら↓
http://www.nishiho.com/tozan.htm
●【お知らせ】岐阜県、長野県では、登山届の提出が義務化されています。
長野県登山安全条例
http://www.pref.nagano.lg.jp/kan…/tozanjorei/tozanjorei.html
岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例
http://www.pref.gifu.lg.jp/…/bosai/sangaku/11115/jourei.html
・ネットでの届出が便利です。下記のサイトをご利用ください。
岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会のオンライン届出ページ
http://www.kitaalpsgifu.jp/climbing.html
公益社団法人日本山岳ガイド協会のオンライン届出ページ
http://www.mt-compass.com/
登山装備
残雪期は雪面や気温の状況変化が激しい時期です。
日中は暖かくても、朝晩は氷点下近くまで気温が下がることも多いですので、服装や装備は臨機応変に使い分けましょう。
基本的な登山装備の他、ツェルトや非常食等、緊急時に備えた装備もお持ちください。
稜線の岩稜帯ではほとんど残雪がありませんが、西穂山頂を目指す方は念のためピッケル・アイゼンをお持ちください。
山荘より下の樹林帯は残雪が多く、まだほとんどで雪上を歩きます。軽アイゼン程度はご用意された方が無難です。
注意点
●登山の注意
安全に山を楽しむための啓蒙活動も行われていますが、残念なことにこのところ事故が相次いでいます。
楽しみにしていたはずの登山で、突然の不幸が訪れるのを間近で見るたびにやり切れない気持ちになります。
中には運の悪い事故もありますが、多くの場合は実力・体力不足や悪天候での行動など、明らかな原因が認められます。
他人事だと思わず、ご自身の問題として登山の在り方を見直していただきたいと切に願っています。
●携帯電話情報
【ドコモ、au】 山荘付近・稜線ともに繋がります。
【ソフトバンク】 山荘西面なら繋がります。
山荘自家発電時、携帯電話、スマートフォンの充電ができます(20分間100円)。充電の際はご自身の充電アダプターをご用意ください。
お知らせ
西穂山荘
http://www.nishiho.com/
北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
・寝具は布団・毛布・枕を御用意していますので、シュラフは不要です。
・山荘に御宿泊のお客様も飲料水はペットボトルの販売のみとなります。
・消灯は21時です。
・お風呂はありません。
●山荘現地へのお問い合わせ
西穂山荘は北アルプス南部の山小屋では唯一通年営業しています。
(現地電話:0263-95-2506)
外での作業中や電話線が不調の際、現地の電話は通じないときがありますが、無休で営業しております。
現地の電話は、固定電話の他に携帯電話の回線(080-6996-2455)も新たに開設しました。
なお、ご予約は松本事務所(0263-36-7052)へお願い致します。
昨年の今頃の様子は?
新穂高ロープウェイから山荘までのルートを一部変更2023.04.23
融雪は進みましたが、凍結箇所もあるので8本爪以上アイゼンで2023.04.30
GW最終日は雨。5月8日から新穂高ロープウェイが運休です2023.05.07
天気は雪から雨に。山荘周辺の積雪は70㎝ほど2023.05.14
西穂山荘周辺の過去の様子
西穂山荘
- 電話番号:
- 連絡先住所:
- 長野県松本市中央1-11-25 西穂山荘事務所