槍ヶ岳 | 槍ヶ岳山荘

10月2日に初雪、初冠雪。窓にはエビの尻尾ができました。紅葉は槍沢が見頃。天候により低体温症に注意。防寒対策は必須

天狗池では氷が張り詰め、槍ヶ岳は昨日までの積雪で真っ白と、めったに見られない光景に出会えました。(2018.10.28 槍ヶ岳山荘 )
天狗池では氷が張り詰め、槍ヶ岳は昨日までの積雪で真っ白と、めったに見られない光景に出会えました。(2018.10.28 槍ヶ岳山荘 )
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天気・気温

10/03(水) 晴
松本市の天気予報
明日
19℃
12℃
明後日
20℃
12℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 12:00発表
高山市の天気予報
明日
曇のち雨
17℃
11℃
明後日
雨時々曇
22℃
12℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 12:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

台風の影響はほとんどありませんでした。

10月1日の夜中から風雪が続き、10月2日の朝、窓にびっしりとエビのしっぽが付いていました!
予報通りでしたが「紅葉紅葉」と言っていたのにいきなりこの景色には少々びっくりです。
穂先はそれほど白くなりませんでしたが、殺生あたりまで殺生くらいまでは雪が付いていました。

10月3日は晴れ。風も落ち着いてきました。

●(南岳山荘より)
10月1日
前夜通過の台風24号はほどほどの風を吹かせて去って行きました。
先日の21号がなかなか強烈だっただけに、今回は一層警戒をしていましたが、まあ普通の台風という感じで風速は最大でも40m/sほど、特段の被害もなく一安心です。
昼頃から台風一過の晴天。空気が澄み、日光連山も良く見えていました
山麓の関東北部では午後3時の気温が33℃を越えている地域もあるようで、その差は30℃…。ここでも里と槍穂の環境の違いがハッキリと感じられます。
その後、夕焼けも期待しましたが、寒気が入り始め、午後4時以降は濃いガスとなり、気温もマイナス1℃まで下がりました。

10月2日
期待の積雪にはなりませんでしたが、夜間の冷え込み(-4℃)と霧であたりは一面の霧氷となりました。
10月ともなれば、標高3000mの世界時としては厳しい世界となります。

見下ろす紅葉・黄葉もいよいよ佳境ですね、
本谷右俣や屏風岩のダケカンバの黄葉がずいぶんときれいになってきました。
これからは槍沢や岳沢のシーズンですね、稜線から見下ろす紅葉情報はこれで最後になるかと思います。

●槍沢ロッジ
10/1朝方は台風一過とはいかなかったものの、雨に濡れた紅葉の美しさと、虹が出現しスタッフ一同大興奮でした。
10/2 快晴。
ダケカンバの黄色もそうですが、横尾根の上の方はななかまどの赤色が日に日に下りてきています。
日本に近づきつつある台風25号が憎たらしいところではありますが、明後日くらいまでは天気も良さそうでなので、天狗池の方に行かれるお客さんも多いです。
小屋の周りでも十分楽しんでもらえるほどに紅葉してきています。
ババ平は黄金色になっています。

●大天井ヒュッテより 
10/2大天井ヒュッテでも初冠雪とまではいかないまでも霜降り程度の雪が降り、強い風が朝9時頃まで吹いていてとても寒い朝を迎えました。
3000mの稜線上には飛騨側からの雲が押し寄せていて、その雲の動きで風の強さも確認出来、その雲が取れたり覆いかぶさったりと不安定な稜線となっています。
ここ大天井ヒュッテの位置は標高2650m、常念山脈に位置し飛騨側からの西風は殆ど受けない立地にあるため、
10時以降は風も治まり陽射しも暖かい「小春日和」の穏やかな天気となってくれました。

気温は-2℃~4℃と非常に寒くなって来ております。
10/3までは高気圧の範囲となりますが、10/4からの週後半は再び前線や台風25号の影響が心配され、稜線縦走の登山では低体温症のリスクも非常に高くなるものと思われます。
計画ありきではなく天候不順の場合には、その時々臨機応変の登山を心がけて下さい。

登山道の状況

周辺主ルートに支障の連絡はありません。

●槍沢ルート 支障なし

●表銀座コース 支障なし

●南岳方面 支障なし

●飛騨側の登山道 支障の連絡なし
槍平小屋のブログも参考にして下さい
https://blog.goo.ne.jp/yaridairagoya

http://yaridairagoya.sakura.ne.jp/

登山装備

3000m級山岳の秋山登山装備が基本。
防寒具雨具は必携、着替えの用意も。
手袋や帽子などの防寒小物も必要。
念のため軽アイゼンの用意があれば安心です。いつ雪が降ってもおかしくありません。

●靴は防水性の高いものを!
天気が悪い時に靴が濡れて辛い思いをする方が多い時期です。
足元からの冷えは低体温症に結びつく要因にもなります。
雨具やスパッツはもちろんですが、防水性の高い靴、保温性のある靴下など足拵えに配慮しましょう。
個人で新聞紙などを用意し、濡れた靴に詰め乾かす工夫をする方もいます。(新聞紙はお持ち帰り下さい)

●この時期「トレランシューズ」は適切ではありません。
12年前はこの時期に60センチ積もったこともあるそうです。
北アルプスのこの時期は最低でも軽アイゼンは持ってきた方が良いです。
下の方は紅葉がきれいで秋気分ですが、3000mのここではいつ「つるんつるん」の道になってもおかしくありません。
「全然いらねえじゃねえか!重いだけだったぜー」ではなく
「持ってきたけど使うことなくてよかった」
と思っていただきたいです!

※アイゼンは必要な重さです。

注意点

安全登山のため装備の油断のないようにしましょう。
日没早くなりました。15時までの到着を。遅くとも16時必着で。基本は早出早着。

いつ雪降ってもおかしくない時期となりました。低体温症に注意。

●日没早くと天気は冬に近づいています
現在の日没は17時30分ごろ、18時以降に到着される方もまだまだいます。
天気予報をよく確認し、ご自身の体力に見合ったタイムスケジュールかどうか、ご検討ください。
これからの山行を考えている皆様、今一度装備の確認見直しをお願い致します!!

そして!
静かになった秋と冬が楽しめる北アルプスの山登りをお楽しみくださいっ!!

お知らせ

●槍岳山荘
http://www.yarigatake.co.jp/

松本事務所 電話0263-35-7200(受付時間:9:30~17:00)

槍ヶ岳山荘グループは槍ヶ岳山荘、槍沢ロッヂ、南岳小屋、大天井ヒュッテ、岳沢小屋を経営しております。
槍ヶ岳山荘グループのご利用をお待ちしております。

●大天井ヒュッテ イベント
・さよならパーティー 大天井ヒュッテ営業最終日10/13
http://www.yarigatake.co.jp/news/otenjo/2018/09/post-46.html


【2018年の営業】
●槍ヶ岳山荘 4月27日(金)~11月3日(土)泊まで
・予約は以下の通り承ります。(メール・インターネットでのご予約は承っておりません。)
 3名様以下 ご予約は不要です。
 4名様以上 槍ヶ岳山荘現地 090-2641-1911(受付時間:7:00~20:00)
・テント場 幕営数 39張 予約承っておりません。(先着順になります)
 水は槍ヶ岳山荘受付横で販売。(1リットル/200円)
 トイレはテント場北側にあります。

●槍沢ロッヂ 4月27日(金)~11月3日(土)泊
・予約は以下の通り承ります。(メール・インターネットでのご予約は承っておりません。)
 3名様以下 ご予約は不要です。
 4名様以上 槍沢ロッヂ現地 090-2641-1911/090-3135-0003(受付時間:7:00~20:00)
 お風呂があります(きれいになりました)
・テント場 槍沢ババ平野営場
槍沢のキャンプ指定地は、小屋から30分ほど槍ヶ岳方面へ登ったババ平にあります。
槍沢ロッヂのフロントにて受付を済ませてから幕営ください。
水場、トイレ使用できます。

●南岳小屋 7月1日(日)~10月13日(土)泊まで
・予約について(メール・インターネットでのご予約は承っておりません。)
 定員80名の小さな小屋ですので、少人数様でもご予約をお願い致します。
 個人のお客様 南岳小屋現地 090-4524-9448(受付時間:7:00~20:00)
・冬期小屋 オフシーズンにご利用いただけます。
・テント場 南岳小屋野営場
南岳小屋のキャンプ指定地は小屋前になります。手続きは南岳小屋フロントにてお願いします。
小屋の周辺に水場はありませんので、南岳小屋にてお買い求め下さい。
トイレは別棟に設置

●大天井ヒュッテ 7月1日(日)~10月13日(土)泊まで
・予約について(メール・インターネットでのご予約は承っておりません。)
 個人のお客様は、前日か当日までに現地(大天井ヒュッテ)に天候や状況確認と合わせて連絡いただければ幸いです。
 個人のお客様 大天井ヒュッテ現地 090-1401-7884(受付時間:7:00~20:00)
・テント場 ありません

●岳沢小屋 4月27日(金)~11月3日(土)泊まで
・予約について(メール・インターネットでのご予約は承っておりません。)
 定員60名の大変小さな小屋です。宿泊は予約制。
 必ずご予約をお願い致します。
 個人のお客様向け 岳沢小屋現地電話 090-2546-2100(受付時間:7:00~20:00)
・テント場 岳沢小屋野営場
岳沢のキャンプ指定地は小屋の右手沢側になります。手続きは岳沢小屋フロントにてお願いいたします。
水・トイレは小屋の施設をご利用ください。

なお小屋営業期間外の連絡は松本事務所へ電話0263-35-7200(受付時間:9:30~17:00)

昨年の今頃の様子は?

営業4/27~(宿泊要予約)。予約受付中。4/27からの営業に向けて作業中です2023.04.21

営業スタート。本日は富士山まで見える快晴。昨日までの降雪と強風のため雪質に注意2023.04.27

昨日降雪(みぞれ)。槍ヶ岳へは前爪アイゼン+ピッケルが必須(チェーンスパイク、軽アイゼンは危険)2023.05.09

昨日降雪。雪山装備が基本。前爪アイゼン+ピッケル必須(チェーンスパイクや軽アイゼンは危険)2023.05.16

槍ヶ岳山荘周辺の過去の様子

  • 槍沢から槍ヶ岳を見上げて(小屋明け前の偵察に行きました)
  • 槍沢から槍ヶ岳を見上げて(小屋明け前の偵察に行きました)
  • 横尾から槍沢ロッヂまでは一部地面が出ているところがありますが、ほぼ雪の上を歩きます。(小屋明け前の偵察に行きました)
  • 槍沢ロッヂ(小屋明け前の偵察に行きました。まだ営業していません)
  • スタッフ全員無事に下山しました!あらためまして2023年、槍ヶ岳山荘をご利用いただきありがとうございました。
  • 夕日に染まる槍ヶ岳
  • 完全に雪山となりました。凍結する登山道の様子
  • 山荘前から槍ヶ岳 完全雪山です
  • 小屋の目の前で20㎝程度、吹き溜まりでは50㎝を超えるほどの積雪があります。
  • ババ平から撮影。槍沢方面で今1番綺麗な場所(標高2000mくらい)
  • 10/6降雪時の槍沢リート 槍ヶ岳への登山道(殺生ヒュッテ分岐)風が強ければトレースはあっという間になくなります
  • 強風で飛ばされて雪が付いていない箇所もありますが、場所によっては10から20cm程度、吹き溜まりではそれ以上あります。

槍ヶ岳山荘

現地連絡先:
090-2641-1911
電話番号:
0263-35-7200
連絡先住所:
長野県松本市埋橋1-7-2

地図で見る
http://www.yarigatake.co.jp/

施設の詳細を見る

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槍ヶ岳 標高 3,180m

 鋭角に天を突く岩峰でそのものずばりの命名、しかも北アルプス南部の登山道が集中する位置のよさ。槍ヶ岳は北アルプス南部の鎮である。  行政区分からいえば長野県の大町市、松本市と岐阜県高山市との境にそびえている山である。地理的条件も実に絶妙な場所といえる。  南から穂高連峰の縦走路、東から常念山脈や燕岳からの表銀座コース、谷筋では上高地から梓川、槍沢を遡っていく登山道、新穂高温泉から蒲田川右俣、飛騨沢を登るコースと、北アルプス南部のすべてのコースが槍ヶ岳に集中し、中央部へは西鎌尾根が唯一の回廊となって双六岳に通じる、北アルプス南部の扇の要である。  しかも鋭い槍の穂先のような姿は、日本の氷河地形の典型でもある。地質は硬いひん岩で、氷河が削り残した氷食尖峰。東西南北の鎌尾根も氷食地形、槍沢、飛騨沢、天上沢、千丈沢はU字谷とカールという、日本の氷河地形のサンプルぞろいである。  登山史上で初めて登頂したのは江戸時代の文政11年(1828)の播隆上人。4回登って3体の仏像を安置し、鉄鎖を懸けて信者の安全な登拝を可能にした。登路は安曇野の小倉村から鍋冠山を越えて大滝山へ登り、梓川に下って槍沢をつめている。今も残る槍沢の「坊主ノ岩小屋」は播隆が修業した籠り堂だ。  近代登山史の初登頂は明治11年(1879)の英人W・ガウランド。1891年には英人W・ウエストンも登っている。日本人では1902年の小島鳥水と岡野金次郎。穂高・槍の縦走は1909年の鵜殿正雄で、ここに槍ヶ岳の黎明が始まった。大正11年(1922)には3月に、慶応の槙有恒パーティによる積雪期の初登攀があり、同年7月7日には早稲田と学習院が北鎌尾根への初登攀に挑んでいる。早稲田は案内人なしの2人パーティで、槍ヶ岳頂上から独標往復。学習院は名案内人小林喜作とともに末端からと、方式も違う登攀でともに成功した。  その後も北鎌尾根ではドラマチックな登攀が行われ、昭和11年(1936)1月には、不世出の単独行者、加藤文太郎の遭難、昭和24年(1949)1月の松濤明、有元克己の壮絶な遭難が起きている。加藤の遺著『単独行』と松濤の手記『風雪のビヴァーク』は登山者必読の書である。  登山道で直接登るコースは、上高地から槍沢コース経由で槍ヶ岳(9時間30分)と、新穂高温泉から飛騨沢コース(8時間40分)の2本。ほかに穂高連峰からの縦走コース(7時間30分)、燕岳からの表銀座コース(8時間40分)、双六小屋から西鎌尾根コース(6時間)と数多い。

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