宮之浦岳・縄文杉 | 屋久島ガイド協会

荒川登山口行きシャトルバス運行再開。日本屈指の森では様々な生き物との出会いがあります

ヒメツルアリドオシ 白谷雲水峡(2019.06.23 屋久島ガイド協会 )
ヒメツルアリドオシ 白谷雲水峡(2019.06.23 屋久島ガイド協会 )
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天気・気温

鹿児島市の天気予報
明日
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15℃
日本気象協会提供 2024年4月16日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

5月18日の土砂災害以降、通行止めとなっていた荒川登山口までの道路は、梅雨の晴れ間にも恵まれて順調に進み、6月7日に道路の補修工事が完了しました。
6月8日から荒川登山口行きのシャトルバスが運行を再開し、通常通りのルートで縄文杉登山を楽しむことができます。

屋久島を含む九州南部は平年通り5月31日に梅雨入りしましたが、6月6日は梅雨前線の隙間にできた高気圧に覆われ、気持ちのいい快晴でした。
縄文杉コースは往復十時間以上と非常に長い行程となっていますが、道中には写真映えするスポットがいくつもあります。

その中で最も面白い写真を撮ることができるのが、ウィルソン株です。
うまく角度を合わせると切り口の空洞がハート型に見えます。
登山者の多い繁忙期は撮影待ちの行列ができるため、
人の少ない6月や冬の12月~2月頃でしたら混み合わないためおすすめです。

また、写真映えのする真っ赤なサツキの花が渓流沿いを彩っています。
このサツキと同じツツジ科の植物で、変わった特徴を持っているのが背丈が10cmほどの真っ白な植物、 ギンリョウソウ ギンリョウソウ です。
その見た目や生活様式から、別名「ユウレイタケ」とも呼ばれます。

普通の植物は葉に葉緑体という光合成をするための器官を持っていますが、 ギンリョウソウ ギンリョウソウ は真っ白な見た目の通り、植物なのに葉緑体を持っていません。
ではどうやって生きるのに必要な栄養を得ているかというと、地面の中に生息している菌類に寄生して、栄養をもらっているのです。
ギンリョウソウ ギンリョウソウ は樹木の根に共生しているベニタケの仲間に寄生します。
光合成をする必要がないため普段は地中で生活していて、地上に姿を現すのは花を咲かせる時期だけです。

最近の研究では、 ギンリョウソウ ギンリョウソウ などの葉緑体を持たない植物たちの多くは様々な昆虫(カマドウマ、ゴキブリなど)に種子を運んでもらうことがわかっています。
※下記URL参照
https://nph.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/nph.14859
https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/sizen/20170727

生きるために、菌類や昆虫など他の生き物の協力が必要な菌従属栄養植物は、多種多様な生き物が作り出す豊かな生態系の象徴とも言えるかもしれません。
屋久島で登山される際は、日本屈指の森のなかで様々な生き物との出会いを楽しんでください。

■天候ほか
6月12日現在 日の出は05:14、日の入りは19:19です。

・縄文杉コース(標高1300m)
6月11日 雨 縄文杉デッキ(12:00 標高1300m)18℃ 無風 登山者数22名 
・白谷雲水峡(標高1080m)
6月8日 曇り 太鼓岩(12:00 標高1080m)17℃ 北西の風 登山者数186名

登山道の状況

■縄文杉ルート

・5月18日の大雨による土砂崩れで通行止めとなっている縄文杉の荒川登山口へ通じる町道では
復旧工事が進められています。

現在縄文杉は、白谷雲水峡から入山して登山を行っています。
日帰りも可能ですが荒川登山口からのルートより2時間近く行程が長くなります。
体力に不安のある方は無理をしないようにして下さい。

詳しくは、屋久島山岳部車両運行対策協議会で確認できます。
http://www.yakushima-town.jp/sangaku-syaryou/

・屋久島の道路通行規制情報はこちら
http://www2.pref.kagoshima.jp/dourokisei/cgi-bin/mapframe.cgi?num=yakushima
・天候により、登山道の積雪、凍結の恐れがあります。

■縦走ルート
・暴風の恐れがあります。特に投石平付近は強風の吹きやすい場所です。
天気予報を確認して必要に応じた装備を準備してください。

登山装備

・縄文杉ルートでも気温10℃以下、奥岳ルートでは5℃以下になることがあります。衣類は速乾性素材、防水、防寒、防風の装備をしっかり用意してください。
・屋久島での登山は予想以上に行動時間がかかることがありますので、日帰り登山でもヘッドライト、予備電池は必須です。奥岳登山時は万が一のビバーク装備をお忘れなく。
・登山中、混雑時やトイレ設備の故障などに備え、携帯トイレを持参することをお勧めしています。縦走ルートでは必ずお持ちください。携帯トイレは島内でも販売しております。

注意点

・着替え、防寒着をしっかりと用意し、登山中の体調管理に十分気をつけましょう。
・避難小屋でネズミの被害が出ています。食料やゴミ類は、密閉容器に入れたり、壁に吊るしておくなど、管理に気をつけましょう。
・屋久島では、登山グッズレンタルショップのほか幾つかのホテル、エコツアー会社などで登山グッズのレンタルを行っています。装備に不安のある方はご利用ください。

■山岳部環境保全協力金について(ヤマケイオンライン付加情報)
2017年3月より、「世界遺産屋久島 山岳部環境保全協力金」制度が始まりました。
みなさまから任意でご協力いただいた協力金は屋久島の環境保全に使われます。登山口や観光協会等での納入が可能です。
世界遺産・屋久島の環境を守るため、ご協力を宜しくお願いいたします。詳しくは下記をご覧下さい。
http://yakushima-tozan.com/

お知らせ

その他、登山道、周辺の状況など詳しい情報につきましては
株式会社屋久島ガイド協会(0997-49-4191)までお気軽にお問い合わせ下さい。
http://www.yakushima-guide.com

昨年の今頃の様子は?

呼ばれた人しか来れないと言われる神秘の島「屋久島」。縄文杉に出会えた時の感動はひとしおです2023.04.06

4月に入り暖かい日が増えましたが、登山には目標の標高に合わせた服装を考慮しましょう2023.04.11

先週は低気圧の大雨のため交通規制もありましたが、一昨日昨日は春らしい陽気となりました2023.04.19

縄文杉ルートでサクラツツジが見頃。GWは時間と気持ちに余裕を持って新緑の森を楽しんで下さい2023.04.26

GW中の人気登山道は人多くすれ違いに注意し、行動時間に余裕を持つなど安全登山を心がけて2023.05.03

GWはコロナ前の賑わいを取り戻してきたようです。小屋泊や色とりどりテントで賑わいました2023.05.10

屋久島ガイド協会周辺の過去の様子

  • 縄文杉ルートのトロッコ道沿いに咲くマムシグサ
  • アオモジ
  • ヒサカキ
  • ヤクシマオナガカエデの新芽
  • ヤクシマオナガカエデの新緑
  • ヤクシマゴケ
  • 隣の種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット 屋久島から見えました
  • ヤクシマゴケ
  • 春を告げるサツマイナモリの花
  • 桜とモッチョム岳
  • 冬の苔むす森。森の中は雪の白さで普段より明るく感じます。
  • スギバゴケの仲間

屋久島ガイド協会

電話番号:
0997-49-4191
連絡先住所:
〒891-4207 鹿児島県熊毛郡屋久島町1436-56

地図で見る
http://www.yakushima-guide.com/

施設の詳細を見る

関連する山

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宮之浦岳 標高 1,936m

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