大朝日岳 | 朝日鉱泉ナチュラリストの家

残雪あり展望は最高。イワカガミなど咲き始め。軽アイゼン&ストックで。6/16は朝日連峰夏山開き

大朝日岳山頂より平岩山方面。右奥の雲の上からまだたっぷり雪をかぶった飯豊連峰が頭をのぞかせる(2019.06.13 朝日鉱泉ナチュラリストの家 )
大朝日岳山頂より平岩山方面。右奥の雲の上からまだたっぷり雪をかぶった飯豊連峰が頭をのぞかせる(2019.06.13 朝日鉱泉ナチュラリストの家 )
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

天気・気温

06/14(金) 晴れ 気温22℃
山形市の天気予報
明日
曇時々晴
20℃
6℃
明後日
晴のち曇
22℃
7℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 0:00発表
白石市の天気予報
明日
曇時々晴
20℃
6℃
明後日
曇時々晴
20℃
7℃
日本気象協会提供 2024年4月20日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

今週末6/16(日)に鳥原山の朝日嶽神社において「朝日連峰夏山開き」が執り行われます。
登山シーズンの始まりとシーズン中の安全を祈願します。

■6/13 登山道ルートチェック(中ツル~鳥原山)に行ってきましたい。
登りは直登の中ツル尾根ルート、下りは小朝日岳・鳥原山経由でのルートをチェックしました。

中ツル尾根ルート
朝日鉱泉から2合目「出合」までの間の道は、登山道整備も行っているため、問題はありません。
雨も少なく、雪解けの水もほとんど入らなくなったため、途中の沢の水量も少なく渡るのも問題ありません。
道沿いの川ではイワナの姿をがあちこちで見かけました。

2合目からの登りでも、森林限界の6号目あたりまでも新しい倒木もなく、問題ありません。
4合目「長命水」は出てはいるものの、倒木があります。登山道からも外れるため、緊急用にするのが良いでしょう。
給水は2合目手前の「階段状の橋」(昨年破損)のたもとでかんたんに汲むことができますので、そちらをお勧めします。

 6合目の森林限界を過ぎてからは一気に視界が開け、残雪と新緑のコントラストが素晴らしい稜線(平岩、御影森方面と小朝日岳、鳥原山方面)を両側に見ながら眺めながら登ることができます。
 7号目あたりからは高山植物が出始め、 イワカガミ イワカガミ 、マイズルソウ、コメバ ツガザクラ ツガザクラ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ チングルマ チングルマ 、ヒナ ウスユキソウ ウスユキソウ …、そこかしこで咲き出しており、上を見ても下を見ても素晴らしい眺めに疲れが吹き飛びます。これから8月上旬までは中ツル尾根の上部は最高のお花畑となります。
結局山頂まではほんの一瞬雪を踏みましたが、何の問題もなく、中ツル尾根ルートでは雪の心配はありません。

山頂からはまだたっぷり雪をかぶった飯豊連峰が見えました。
避難小屋と縦走路方向、以東岳もこの日はよく見えました。
山頂での眺めは雪の残るこの時期は最高です。堪能しました。

下りは、小朝日岳・鳥原山回りで下りました。
大朝日岳避難小屋にはまだ管理人は入っていませんが、今週末の朝日連峰夏山開きからは入るようです。ただしばらくは週末のみが多くなると思われます。
気持ちの良い稜線歩きをしばらくして、いつも7月上旬まで雪の残る銀玉水の水場前の雪渓にさしかかります。ここはやはりまだたっぷりの雪で覆われています。ただ雪はかなり柔らかいですので、下りであればストックさえあれば、軽く滑りながら楽しく下れます。逆に登りの場合には、キックステップが使えますのでアイゼン無しで登ることもできますが、柔らかい分ズルっと滑りやすいので、軽アイゼン(4~6本爪で十分です)を付けた方がストレスなく登れると思います。ただし、上り下りとも視界が良ければ問題ありませんが、視界不良の際には谷など誤った方向に行かないように注意してください。

小朝日岳から鳥原山方面では、こちらも遅くまで残る残雪があります。
全体的に危ないと思われる個所はあまりなく、鳥原山へ向かう下りでは軽アイゼン無し、ダブルストックで問題ないと思います。
登りの場合には、登りやすさを考えれば軽アイゼン装着がベストです。
途中途中で夏道が出ていますので、見落とさずあまり道を外れないようにした方が良いです。

鳥原山展望台は抜群の展望でした。
山頂からはいつもより多い残雪を下り木道へでます。
ほどなくして美しい池塘を過ぎれば鳥原小屋との分岐です。
水場はしっかり出ていて、ずっと給水場がないので非常にありがたいです。
あとは朝日鉱泉までは雪は無く、夏道を下ることができます。

全体的に冬に降った雪の量に比べると4月の低温、降雪の影響もあってか残雪量が多いですが、意外に危険と思われる個所はほとんどなく、対策としては軽アイゼン+ダブルストックで十分と判断しています。
今週末には「朝日連峰夏山開き」が執り行われ、いよいよ登山シーズンの幕開けとなります。

■自然
・鳥原山ルートで見ることができる花
カタクリ カタクリ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ ミツバオウレン ミツバオウレン チングルマ チングルマ ハクサンイチゲ ハクサンイチゲ イワカガミ イワカガミ 、マイズルソウ、コメバ ツガザクラ ツガザクラ 、ヤマザクラ、ヒナ ウスユキソウ ウスユキソウ 、ツバメオモトなど。これから本格的な花のシーズンに入ります。

・小朝日岳前後のヒメサユリ
一部ほんの数株つぼみがありましたが、まだ咲き出してはいません。
例年群落する場所ではまだ株自体を見ることも少なく、今後の天候次第ですが、やはり25日前後あたりから7月上旬が見頃になるのではないでしょうか。

登山道の状況

■朝日鉱泉からの各ルート情報。

・中ツル尾根ルート
山頂まで雪を踏まずに登ることができます。
4合目長命水も出ていますが、登山道を外れるため緊急用にした方が安全です。
7合目以降は高山植物が咲き始め、周囲の残雪と相まって心を癒してくれること間違いありません。

・鳥原山ルート
鳥原小屋までの間は雪は無く夏道です。
鳥原小屋の水場は給水可能です。
小朝日岳方面へ向かう鳥原山山頂までの間は雪があり一部道がわかりずらいところもあります。
鳥原山と小朝日岳の鞍部以降では雪渓の上を歩く箇所があります。例年遅くまで雪の残る場所です。
小朝日岳から大朝日岳までの間では、こちらも例年遅くまで残る銀玉水前の斜面はまだまだ大量の雪があります。
どちらの残雪も凍っているわけではありませんのでキックステップが使えますが、上りでは滑ることが多いので軽アイゼン(4~6本爪程度)とダブルのストックがあれば万全です。
下りの場合も同様です。

■現在の状況
・5/25より朝日鉱泉へのすべての林道が開通
・朝日川にかかる各吊り橋はすべて中板が入りました。
・朝日連峰上の各避難小屋は利用は可能です。➝各小屋は管理人はおらず無人です
避難小屋の管理協力費は¥1500/人です。
・以東岳の避難小屋が新築(2017年10月)されより利用可能です。1Fにはバイオトイレも設置され、非常に快適に利用できます。

登山装備

残雪に対応できる登山装備が基本です。
晴天時の放射冷却や強風などでの低温も考えられますので、しっかりとした装備が必要です。
軽アイゼン、ピッケルもしくはダブルストックなどは必要です。
水場もまだ雪に埋もれているところもありますのでご注意ください。

注意点

■2019年 夏季登山バスと秋季連休限定登山バスの運行決定
車のない方の貴重な足としてご利用ください!
詳しくはこちら
https://www.asahikosen.com/%E7%99%BB%E5%B1%B1%E3%83%90%E3%82%B9/

・朝日連峰上の各避難小屋は利用は可能です。各小屋は管理人はおらず無人です
以東岳の避難小屋が新築され2017年10月1日より利用可能となりました。1Fにはバイオトイレも設置され、非常に快適に利用できます。
避難小屋の管理協力費は1500円/人です。

お知らせ

■朝日鉱泉ナチュラリストの家
窓から大朝日岳が見える山小屋です。

ホームページ
http://www.asahikosen.com/

Facebook
https://www.facebook.com/asahikosen/

・2019年度の営業
4月27日(土)~

昨年の今頃の様子は?

2023年は4/29~営業開始(宿泊要予約、予約受付中)。雪は少なく7~10日ほど早い季節感です2023.04.19

2023年は4/29~営業開始(宿泊要予約、予約受付中)。林道は4/末に一部開通予定。山はまだ雪山2023.04.26

ブナの新緑が美しいです。登山道整備中。今年は倒木が多め。ルート上には残雪、雪渓あり十分な装備2023.05.16

朝日鉱泉ナチュラリストの家周辺の過去の様子

  • 小屋営業最終日。朝日鉱泉周辺や標高800m付近は紅葉が見頃でした
  • 標高800mあたりまで冠雪。山頂付近はかなりの積雪がありそうです。
  • 中秋の名月は過ぎましたが…、お月様とのツーショット
  • 雲の感じからは少し秋の気配が漂いますが、気温が…異常な高温が続いています。
  • 「森の巨人100選」の上倉の大クロベの前でおにぎり。老木保護のため少し離れて鑑賞下さい
  • 快晴の空のもと。いつもより残雪は少ないです
  • 鳥原山展望台からの眺め。大朝日岳(左)は雲のなか。残雪は非常に少ないです
  • 鳥原山大朝日嶽神社にて「朝日連峰夏山開き安全祈願祭」が執り行われました
  • 太陽が沈むと久しぶりにきれいな夕焼けになりました
  • マムシっとびっくりしましたが、そっくりなマムシグサ
  • 大朝日岳を覆っている残雪も日に日にその面積を減らし、地肌と残雪が同じくらいになってきました。
  • 今年は倒木が本当に多いですが、孫兵衛平の巨人たちは無事です。

朝日鉱泉ナチュラリストの家

現地連絡先:
090-7664-5880
電話番号:
0237-67-3589
連絡先住所:
山形県西村山郡朝日町宮宿1905-1

地図で見る
http://www2.ocn.ne.jp/~ooasahi/top.htm

施設の詳細を見る

関連する山

山形県 / 朝日山地

朝日岳 標高 1,871m

 山形盆地から西方を遠望すると、純白の衣をまとい、なだらかなスカイラインを描く月山とは対照的に、浸食の進んだ山々の朝日岳の山塊が続いている。朝日岳はそびえ立つ孤高の火山と異なり、大朝日岳、西朝日岳、寒江山、以東岳を主稜とする連峰であり、その主峰が大朝日岳である。仰ぎ見る山容は主峰にふさわしい端正な三角錐を呈しており、かつては剣頭山とも呼ばれていた。  位置的には、朝日町と小国町の境をなしている。山頂は南北に細長く、付近一帯には日本列島の土台をなした縞模様の花崗片麻岩が露出している。これらの地質的な特徴に加えて、日本海を渡って吹きつける強い季節風にまともに立ちはだかるために、わが国有数の多雪地帯となっている。これらの雪は、山麓の民にとって古来より貴重な農業用水である。  かつて、鳥原山一帯に点在する池塘を「天狗ノ田代」と称して、田植えの時期に稲の苗を植え、豊作を祈願したという。山中にあっては雪田、雪渓として朝日の山々を飾り、また、咲き誇るお花畑をはぐくみ、銀玉水などの水場を提供している。  一方、谷に目を移すと、雪によって磨き抜かれた谷壁と、雪解け水によって浸食された深い渓谷が山々を引き立て、アルペン的景観を示している。なかでも大朝日岳は、東に垂直に大地を刻み込んだ黒倉沢、西には袖朝日尾根の白い花崗岩の岩壁と、植物の進入を許さない毛無沢を支流にもつ荒川の間にそびえ立つ。なお、この付近はしばしば天気の境目となるため、仏の後光(ブロッケン現象)の現れる所でも知られる。  大朝日岳の直下の大朝日小屋から金玉水にかけての北側は、主稜線からやや東側に位置しているため、膨大な吹き溜まり的な積雪があり、その雪解け水による浸食によって形成された雪窪地形が見られ、緩やかな凹地になっている。頂から南側の平岩山への下りは、大きな階段状の地形が観察される。いずれも雪線よりも低い所の、氷河の周縁に見られるもので、この付近の厳しい自然条件を示している。  登山道は山頂から延びる4つの尾根すべてに開かれており、よく整備されている。最もポピュラーな大朝日岳登頂コースは、朝日川畔の朝日鉱泉から鳥原山、小朝日岳を経て山頂に至るコースで所要6時間。同鉱泉から朝日川二俣、中ツル尾根コースで所要5時間。同じく同鉱泉から御影森山、平岩山経由で所要6時間。  一方、古寺川畔の古寺鉱泉からは、花抜峰、小朝日岳経由で所要5時間強。荒川畔の徳網からは針生平、平岩山経由で所要約7時間。以東岳からの主稜縦走は約6時間30分を要する。

山形県 / 朝日山地

祝瓶山 標高 1,417m

 大朝日岳から南に延びる尾根の先端に位置する花崗岩の尖峰で、長井市と小国町の境をなしている。遠望すると天に向かってすっと立っており、標高の割にどこから見ても確認できる。古くは岩井上岳ともいわれた。  カクナラ沢、ヌルミ沢、コカクナラ沢をもつ東面は、障子ヶ岳南面、エズラ峰東面と同様、雪崩で磨き抜かれた岩場をなしている。山頂には、宗教色の薄い朝日連峰の中で珍しく小さな石祠と鉄鳥居がある。伝承によると天武天皇のころに修験道が隆盛を極めたというが、詳細はいっさい謎である。  山頂は意外に広く、雪崩に磨き抜かれた白い花崗岩の荒々しい袖朝日尾根の山々をはじめとする朝日連峰と、飯豊連峰の好展望台である。  登山道は、ユキツバキの群生する桑住平から登るヌルミ沢とコカクナラ沢間のやせ尾根の急登コース、赤鼻尾根経由で平岩山から延びてくる尾根コース、小国口の針生平から登る鈴振り尾根コースがあり、いずれもよく整備されている。しかし、登山口までの交通の便に恵まれず、マイカーに頼るほかない。  桑住平から山頂まで2時間30分、針生平から3時間30分。

山形県 新潟県 / 朝日山地

以東岳 標高 1,772m

 朝日連峰の北端に位置し、山形県朝日村(現在は鶴岡市)と新潟県朝日村(現在は村上市)の境をなしている。  大朝日岳の端整な三角錐に対し、累々と花崗岩の岩塊が肩を寄せ合う重量感あふれる山容である。山頂から主峰大朝日岳への山並みは、ほぼ高さのそろった山々が連なっている。これは隆起した山塊が、浸食により隆起準平原化したものと考えられている。北方は、切り立った戸立山、なだらかな茶畑山へと続き、そのかなたに双子のような月山、鳥海山を望むことができる。  山頂の北西800m下方には、熊のなめし皮の形をした大鳥池が、ブナの原生林に囲まれて横たわっている。成因は、堰止説が有力。山形県最大の湖沼で、標高966mにある高山湖だ。イワナやヒメマスのほか、幻の怪魚・タキタロウが釣りブームを反映して話題になっている。  山頂へは、泡滝ダムから大鳥池経由となる。大鳥池までのコースはブナ林の山腹を平均した勾配の登りが続いている。登りが始まる前の七ツ滝沢と源太沢間の尾根に注目すると、階段状になっており、所々に礫を見ることができる。かつて双方の沢が合流していた所で(エッグ床)、朝日連峰の隆起の様子を知ることができる。大鳥池まで3時間、さらに以東岳まで3時間。

ユーザーの登山記録から

周辺の山岳最新情報