飯豊山 | 飯豊山・天狗平ロッジ

梅花皮岳~御西小屋の稜線は、東側斜面に残雪多い。ピッケルで足場を作る必要もあり、初心者不可

切合小屋より大日杉コースの残雪を確認する(2019.07.22 飯豊山・天狗平ロッジ)
切合小屋より大日杉コースの残雪を確認する(2019.07.22 飯豊山・天狗平ロッジ)
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※ご利用上の注意

山と周辺の状況

天狗平ロッジの常駐が始まりました。以後は予約なしでも宿泊が可能になります。時間帯によっては管理人が不在の時もあるので、事前に到着予定時刻を連絡いただけるとありがたいです。(090-5846-1858井上、留守電可)

飯豊山は夏山シーズンを迎え、登山道の整備なども本格的に行われています。7月は梅花皮沢登山道整備、 ダイグラ尾根、梶川尾根などを行いました。
8月31日(土)~9月1日(日)に飯豊連峰梶川尾根上部で、合同保全作業が行われますが、使用される保全資材(ヤシネット・ヤシ土のう・ヤシ繊維)の搬送にご協力をお願いいたします。
この資材は、日本山岳遺産基金の助成により資金を調達し、飯豊胎内の会の皆さんに協力をいただき、6月18日に門内小屋に空輸しました。総重量約400kgです。
今回は7月7日の飯豊連峰二町合同山開きのAコースに参加された方々が、全員で作業現場まで担いでくれました。心から感謝と敬意を表します。残りは約300kgです。

飯豊山は、まだ残雪が多く残っています。とくに山形側の斜面には、この時期には多くの残雪があり、アイゼン・ピッケルは必須です。

登山道の状況

飯豊山への登山道の多くは、残雪が多く残っていて、雪山に対する装備が必須なコースが多くあります。確認できている箇所の情報は以下のとおりです。

●石転ビ沢
・石転ビ沢は10本以上のしっかりとしたアイゼンとピッケル、ヘルメットが必要です。
・石転ビノ出合手前の赤滝まで登山道整備を行いました。仮払いを行い、岩場では足場に溜まった土砂を取り除き、デッキブラシで清掃しました。石転ビノ出合までは全て夏道です。
・石転ビ沢入口の雪渓は崩壊が始まっています。現在は石転ビ沢と門内沢の合流点下流の雪渓を横断して右岸の水場に渡ります。今後は合流点付近の雪渓が薄くなっていきます。
・水場からは夏道を辿って石転ビ沢の雪渓に上がります。ホン石転ビ沢対岸(左岸)でアイゼンを装着しましょう。北股沢出合の水場が露出し始めましたが、薄くなっているので近づく時は注意してください。
・黒滝にはまだ亀裂は発生していません。黒滝上から中ノ島(草付き)を目がけて斜上しますが、ここには落石が集中するので、決して休まないでください。また視界がない場合、北股沢出合から中ノ島(草付き)にかけては大変迷い易くなっているので留意してください。
・中ノ島(草付き)はアイゼンを外して登りますが、途中左手にある水場には落石が直撃することがあるので近づかないでください。
・中ノ島(草付き)最上部からの斜上箇所は残雪が豊富で急斜面です。滑落は重大事故に直結するので、慎重に通過してください。またここには北股岳側から落石が飛んでくることもあります。
・旧幕営地から最後の残雪を登り切ると梅花皮小屋に到着します。

●大日杉コース
・大日杉小屋手前で車道の通行止め。手前400mの地点から工事のため交通規制があります。普通車(ワゴン車含む)は通行可能、マイクロバス以上の車は通行不可(Uターン可能)。8/9まで予定。
・「目洗い清水」は、雪を踏まないで水を汲めるようになりました。
・御坪~御沢は、滝の所の雪渓に穴が空き始めたので、通行が難しくなった。
・御坪~種蒔分レは、トラバース部分の登山道が急な残雪に覆われており、滑落の危険性が高い。
・草履塚の登りに残雪があるが、特に問題はない。視界のない下山時にルート注意。
・草履塚~御西小屋は全て夏道が露出している。
・大日岳頂上直下の登山道が残雪に覆われており、滑落の心配がある。

●稜線の様子
・梅花皮岳山頂近くの登山道が崩壊により悪くなっています。慎重に通過してください。
・梅花皮岳~御西小屋までの間で東側は、急斜面を横切るように登山道が作られています。ここに雪庇の名残の残雪が張りついて登山道を隠しています。残雪は地面と接している部分が氷化しています。
・登山道と残雪を結ぶルートは土の上を慎重に移動しますが、日々変化し、登山者の踏み跡が曖昧なため、自己判断となります。視界がない時は行き詰まる登山者が少なくありません。
・場合によってはピッケルで土の上に足場を作って移動することになります。重大な滑落事故が珍しくない場所です。初心者が立ち入ることは控えてください。
・稜線は素晴らしいお花畑でした。特に、チシマギキョウ・オノエラン・ ウスユキソウ ウスユキソウ ヨツバシオガマ ヨツバシオガマ などが見事でした。
・梶川尾根~梅花皮小屋は、ほぼ残雪がなくなりました。今年の梶川峰~門内岳はヒメサユリがことさら見事です。

●その他のコース

・ダイグラ尾根取り付きの桧山沢吊橋は架橋されていて通行できます。7/8にクロスズメバチの巣を撤去しました。

・梶川尾根は、標高1,800m以外はすべて残雪は融けて夏道を歩けます。五郎清水に設置していた「水場」の標識が折損しています。直進は水場、登山道は右に下ります。昨年も間違えて遭難者が出ているのでご注意ください。

・奥胎内ヒュッテまでの車道は開放され、入山できます。ただし、6/17(月)~8/3(土)は夜間通行止めの交通規制があるようです(21:00~05:00)。なお、土日祝と第2・4金の夜間は休工。また、登山タクシーとの接続の関係で、7/6・20。、8/3は04:30に開放されます。

・加治川治水ダム~湯の平山荘は、通行止めになります。従って湯の平山荘は通年無人になります。途中の橋は架橋される予定ですが、詳細は不明です。

登山装備

7月は、まだ雪山登山に対する装備が必要です。アイゼン・ピッケルを用意してください。

注意点

この時期の飯豊山は残雪が多く残っています。入山には十分な装備・技術・経験・体力が必要です。

お知らせ

その他詳細は「飯豊朝日連峰の登山者情報(http://www.ic-net.or.jp/home/iide/)」へ。

【飯豊連峰、山小屋の清掃協力金が変わりました】
・稜線の山小屋および天狗平ロッジの清掃協力金・宿泊費が全て500円値上げされました!
→梅花皮小屋・門内小屋・頼母木小屋はこれまでの1,500円から2,000円に変更されました。
→御西小屋はこれまでの2,000円から2,500円に変更されました。
→梅花皮小屋・御西小屋の幕営に伴う清掃協力金は、一人500円から1,000円に変更されました。

★各山小屋の連絡先一覧
三国小屋(090-4820-0815金子)、切合小屋(090-3366-7696佐藤、090-9746-0392長谷川)、本山小屋(090-8850-0332渡辺)、御西小屋(090-5846-1858井上)、梅花皮小屋(090-5846-1858井上)、門内小屋(090-1530-6053)、頼母木小屋(090-1530-6032)、天狗平ロッジ(090-5846-1858井上)、杁差小屋(通年無人)

昨年の今頃の様子は?

4月28日に倉手山登山口と大日杉小屋までの車道が開通予定、開通時刻にも留意ください。2023.04.27

飯豊山・天狗平ロッジ周辺の過去の様子

  • 2023年12月30日の頼母木小屋の様子
  • 10月22日撮影、丸森尾根標高1,100m付近にて
  • 崩壊が進む石転ビ沢
  • 梅花皮小屋から撮影した石転ビ沢。融雪が進んでいる
  • 石転ビ沢を見上げる
  • 御西小屋へ続く主稜線の様子。御西小屋に資材を運ぶヘリから撮影したもの
  • ダイクラ尾根の吊り橋は、まだ掛かっていません
  • 石転ビ沢遠望
  • 国民宿舎飯豊梅花皮荘から飯豊連峰
  • 倉手山山頂から飯豊連峰を望む
  • 登山道が消滅した貝附山城コース

飯豊山・天狗平ロッジ

電話番号:
090-5846-1858
連絡先住所:
山形県西置賜郡小国町

地図で見る
http://www.ic-net.or.jp/home/iide/

施設の詳細を見る

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