表丹沢・塔ノ岳 | 秦野ビジターセンター

表丹沢、主稜線は台風による大きな被害はなし。二ノ塔~三ノ塔は崩落大きく、通行に十分な注意が必要

大倉尾根、標高1400m付近の紅葉(2019.10.23 秦野ビジターセンター)
大倉尾根、標高1400m付近の紅葉(2019.10.23 秦野ビジターセンター)
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天気・気温

10/16(水) --

山と周辺の状況

台風19号は丹沢周辺にも大雨をもたらせました。ビジターセンター周辺は大きな被害は受けていませんが、周辺には小枝がたくさん落ちていました。
秦野戸川公園内を流れる水無川を見ると、倒木が何本も流れついているのが確認できます。

登山道や林道は、台風の影響で倒木や土砂流出している箇所があります。詳細は以下ですが、通行止めになっている箇所は現在は報告されていませんが、一部で危険な箇所もあります。不安な方は、通行しない方が良い場所もあります。
情報もまだ全て入ってきていませんので、無理をせず、登山計画の見直しを含めて、十分にご注意ください。

登山道の状況

台風19号後の状況を以下に列挙します(登山者からの情報も含む)。

◆塔ノ岳(大倉尾根)
台風通過直後は倒木が塞いでいる箇所がありましたが、すでに倒木の多くは除けられています。今後も順次、除去されていくものと思われます。
大倉高原への分岐から雑事場ノ平(東側の登山道)の間は細い木だが、枝葉があり、こんもりとしているため、先の登山道が見えず登山道を迂回して通行するような状況。

◆表尾根
登山道に大きな問題はないが、枝葉が多く、足に絡みついてくる。

◆三ノ塔尾根
最近、森林整備の道などが交差しわかりづらくなっていたところがありましたが、台風19号後は枝葉が散乱しており、特に牛首から下の登山道は不明瞭。萩山林道の利用をお勧めします。

◆二ノ塔~三ノ塔
鞍部に設置されていた木道の北側半分が崩落し、南側半分が細い登山道上に残っている状態。南側は急な沢地形のため、通過は危険な状態。残っている登山道にロープを渡してあるが、不安な場合は通行しない方が良いとのこと。

◆蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳
とくに問題なし。

◆大倉~後沢乗越~鍋割山
西山林道の勘七沢(二俣付近)手前で、林道の谷側が川の流れで大きくえぐられている(幅1.2m、長さ3mほど)。狭くなった林道の山側を歩けば通過可能だが、現在も削られ続けており、十分な注意が必要。
勘七沢、本沢、ミズヒ沢にかかる木橋が流出していたが復旧。現在は渡渉せずに通行可能。 
その他、西山林道や登山道にあった倒木や土砂も、鍋割山荘さんとボランティアさんが2日間かけて除去、通行可能。

◆鍋割山~塔ノ岳
倒木や枝折れがあるが、大きな問題なく通行可能。

◆秦野市道52号線(戸川林道) 
土砂崩れにより、滝沢園入口から先は通行止め。歩行できるかは不明、通行自粛をお願い。

◆焼山山頂付近
トラバース道で登山道が大きく崩落していて危険な状況。詳細は不明。北丹沢方面は山麓の被害も大きかった様子で入山者も僅かの様子。

※周辺道路の規制については、日本道路交通情報センターを確認(http://www.jartic.or.jp/

注意点

●大倉登山口情報
・大倉周辺の駐車場は満車になることがあります。大倉まではなるべく路線バスをご利用ください。
 登山者が多い時期は臨時バスが出ることがあります。
・大倉バス停前には靴洗い場、トイレ、秦野ビジターセンターがあります。

●万が一に備えて、登山届(登山者カード)を出しましょう。
・大倉バス停、ヤビツ峠、秦野駅、渋沢駅などには、登山者カード投入箱があります。
・オンラインでも提出できます。 http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesg0004.htm

●山岳トイレを使用した際には、トイレ紙の持ち帰りとチップ100円のご協力をお願いします。

●三ノ塔山頂の「三ノ塔休憩所」が新しくなっています。中はまだ木の香りがして、大きな窓からは外の景色を楽しめます。設置の掃除道具を使っての清掃や、使用後は窓や戸を閉めるなど、利用者で協力しながら綺麗に維持できたらと思います。

お知らせ

神奈川県立秦野ビジターセンターは、大倉バス停の奥、県立秦野戸川公園パークセンターの中にあります。
http://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/
・開館時間 09:00~16:30 年末年始(12月29日~1月3日)以外は毎日開館します!

◆イベント情報
自然教室「丹沢の森と水のひみつ探検隊」申込受付中!
協力:サントリーホールディングス株式会社
開催日:11月4日(月曜日・祝日)
場所:宮ヶ瀬湖畔園地周辺(清川村)
対象:小学生とその保護者 30名
参加費:1人 500円(保険代等含む)
詳しくは以下URLもご確認下さい。
http://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/event.html

昨年の今頃の様子は?

宮ヶ瀬湖畔では、晩春の花々が開花していました2023.04.24

シロヤシオは標高1400m付近で咲き始め2023.05.05

行者ヶ岳~三ノ塔ではシロヤシオが満開2023.05.11

秦野ビジターセンター周辺の過去の様子

  • ミツマタ(髭僧の滝分岐付近)
  • 塔ノ岳山頂から見た丹沢主脈から丹沢主稜
  • 蛭ヶ岳から檜洞丸、富士山方面の眺め
  • 氷の華(シモバシラ)
  • 三ノ塔公衆トイレ (2022年12月撮影)
  • 花立から見た鍋割山稜
  • 政次郎ノ頭付近から塔ノ岳方面
  • ヤマビル
  • コゴメウツギ。三ノ塔山頂付近はまだ蕾です。
  • シロヤシオとトウゴクミツバツツジ

秦野ビジターセンター

電話番号:
0463-87-9300
連絡先住所:
秦野市堀山下1513

地図で見る
http://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/

施設の詳細を見る

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丹沢山 標高 1,567m

 津久井町、山北町、清川村の境にあり、これがそれぞれ津久井郡、足柄上郡、愛甲郡に属しているので、昔から三境(さんざかい)、あるいは三境ノ峰などと呼ばれてきた。この山が丹沢山と呼ばれるようになったのは、明治時代からである。明治15年に始まった三角測量の折に、この山に一等三角点が置かれ、この山地の総称として「丹沢」という名前がつけられたのだという。もともと丹沢という地名は、札掛付近の深くて美しい谷を意味する古代朝鮮語起源の地名であったようだ。この山は山魂の中心部に位置しているので、周囲には多くの谷があり、北にある早戸川の最上流の大滝沢には落差50mの大滝がある。  山頂はなだらかで木々が茂っているので、展望はあまりないが、平坦地にはバイケイソウが茂り、一段低くなった所にはブナ林が続いている。しかし、丹沢山付近のブナは立ち枯れが目立つようになった。原因究明と早期の対策が急務である。山頂にみやま山荘がある。  小田急線渋沢駅からバス大倉下車、塔ヶ岳経由で4~5時間、宮ガ瀬から三ツ峰経由で5時間30分、宮ガ瀬から塩水橋、天王寺尾根経由5時間、同じく堂平歩道経由5時間でそれぞれ山頂に達する。

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塔ノ岳 標高 1,491m

 表丹沢の中心に位置し、丹沢で最も人気のある山。秦野(はだの)市、山北町、清川村の境にある。昔は山頂一帯がうっそうとしたブナ林であったというが、今は全くその面影もない明るい山頂になっている。天気のよい休日ともなれば、多くの登山者が赤土と石ころの山頂で、車座になって休んだり昼食をとっているが、これなど塔ノ岳山頂の見慣れた風景である。  昔は山頂の北側に尊仏岩という高さ3丈、約9mほどの大岩があったと記録されている。そのためこの山は尊仏山とか孫仏山とも呼ばれた。山麓の人々は尊仏の大岩を「お塔」と呼んで信仰の対象とし、特に雨乞いの神としてあがめていた。そのためこの山を「お塔の山」と呼び、それが「塔ノ岳」になったという。その意味からすると、一般に使われている塔ヶ岳より、塔ノ岳が正しいことになる。  塔ノ岳のお祭りは毎年5月15日に行われ、近在の農民が登ってきては大いに賑わい、お塔の大岩の下の土を掘っては田畑にまいて豊作を祈願したという。このお塔の大岩は大正12年(1923)の関東大震災のときに、北西の大金沢に崩れ落ちてしまったという。  また祭りの日の山頂は賭場が開帳され、関東一円から親分、子分が登ってきたという。そしてこの賭場は、なんと第2次大戦後の昭和25年ごろまで続いていたというから驚きである。  山頂には尊仏岩にちなんだ尊仏山荘があり、通年営業している。山頂からの展望はすばらしく、丹沢山塊の全貌が眺められ、さらに富士山から南アルプスにかけての大展望、また相模湾と伊豆の島々など欲しいままの展望が得られる。  登山コースは各方面から整備されているが、その代表に大倉尾根経由のコースがある。小田急線渋沢駅からバス大倉下車で3時間で塔ノ岳に達するが、このコースはあまりにも多くの人に歩かれているため、赤土の登山道が崩れたり、深い堀割状になってしまい、そのため登山道全体が階段状に補修されている。なるべくなら塔ノ岳へは、大倉尾根以外のコースを利用することをお勧めしたい。  まず、表尾根は秦野駅からバスでヤビツ峠下車、三ノ塔を経て4時間で塔ノ岳。政治郎尾根は大倉から戸沢出合を経て表尾根の行者岳へ出る。大倉から行者岳まで3時間30分、行者岳から表尾根を経て塔ノ岳まで1時間20分、合計約5時間。訓練所尾根コースは大倉から四十八瀬川沿いの林道を歩き、二股の少し先の尾根を経てブナの美しい小丸へ約3時間30分、小丸から塔ノ岳へは40分で合計4時間強。このほかに玄倉からユーシンを経る静かなコースもある。

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鍋割山 標高 1,272m

 塔ノ岳直下の金冷しから西に延びる鍋割山稜の肩のようなピーク。秦野市、松田町、山北町の境にある。  鍋割山の名は、この山の北側にある玄倉(くろくら)川の支流、鍋割沢からつけられたようだ。鍋割とは、岩の多い所をナベといい、歩きにくい悪い沢という意味から鍋割という名がつけられたと考えられている。  この山は南麓の寄(やどりぎ)集落の人たちからは三ノ萱と呼ばれて、昔からカヤ刈り場として利用され、ふもとから一ノ萱、二ノ萱があり、頂上が三ノ萱というわけ。この山が多くの人から人気を得ているのは、山頂から富士山方面のすばらしい展望と、登山者を温かく迎えてくれる鍋割山荘があるからだろう。鍋割山稜の大丸、小丸は、表丹沢で唯一のブナ林が広がる地域だ。  バス大倉下車、二股、後沢乗越を経て3時間で山頂。

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