北岳 | 南アルプス市 北岳山荘

北岳周辺は標高2600m以上で積雪10~30cm、「北岳の積雪期に怪我なし」といえる状況です。11/3まで営業

ロープをつけてチェーンスパイクのテストをする。写真のとおり、効いていません(2019.10.23 南アルプス市 北岳山荘)
ロープをつけてチェーンスパイクのテストをする。写真のとおり、効いていません(2019.10.23 南アルプス市 北岳山荘)
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天気・気温

10/29(火) 10/26(日)の天気:晴れ、最高気温6.8℃、最低0.5℃
甲府市の天気予報
明日
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日本気象協会提供 2024年4月25日 12:00発表
松本市の天気予報
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曇のち晴
23℃
13℃
日本気象協会提供 2024年4月25日 12:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

北岳周辺は台風19号の影響で、登山道が荒れている箇所があります。大樺沢の登山道は通行止めとなっています。現地の指示に従って登山を楽しんでください。
なお、南アルプス林道は、山の神ゲート(市営駐車場付近)~広河原は開通していますが、広河原から先(北沢峠方面)および、県道南アルプス公園線は通行止めとなっています。

現在、北岳山頂より間ノ岳方面、および八本歯のコルから上部は完全な冬山となっています。標高2600m以上で積雪は約10cm~30cmとなっています。
紅葉は標高2400m付近でピークとなっています。

11月3日の宿泊まで営業予定ですが、今後の積雪状況や、林道閉鎖継続が続いた場合、予定より早く小屋を閉鎖する可能性があります。登山道や林道の状況も含め、必ず利用前に現地へお電話ください(090-4529-4947)。

なお、北岳肩の小屋は10月29日で営業を終了いたしました。

【お願い】
SNSの普及などで、良い景色や、楽しい思い出などが多く投稿されていますが、当情報では綺麗な景色などばかりではなく、山の危険性、安全策についてもきちんと配信していきたいと思います。当情報をご覧になられた方の安全登山のため、少し厳しい内容になりますが、以下、ご理解とご協力をお願いいたします。

黒部では、「黒部に怪我なし」という言葉があります。黒部ダム関連の黒部渓谷開発後、その時に使用された登山道の一部が開放されています。
下の廊下、上の廊下、水平歩道は、その代表される登山道です。「黒部に怪我なし」とは、落ちたら怪我ではなく死亡するという意味です。この一週間に、黒部では五名の登山者の方が亡くなっています。全て未然防止ができた事故であったことから、現地の関係者は悲しみに暮れています。

黒部と同様に、現在の北岳は「北岳の積雪期に怪我なし」と言える状況です。
数年前、夕刻に滑落事故がありました。救助には向かいましたが、日暮れで二次災害の危険性があるため、滑落現場から滑落者のところへ下降できず、救助できませんでした。
この時、アイゼン、ピッケルを持たない別の登山者が、付近の登山道で立ち往生している場面に遭遇しました。幸運にも、彼らは無事救助できました。このように、事故が未然に防げた幸運な方がこれまでの30年間で4名います。しかし、彼ら以外の事故については、全て死亡事故となりました。

先週金曜日の北岳情報で、チェーンスパイクは効かず、12本のアイゼンと、滑落停止技術を持ってのピッケル使用がこの時期は必要とお伝えしました。しかし、昨日、日暮れの6時30分頃に、更にアイゼン、ピッケルのない登山者が2名いました。また、装備は持っていたものの、日暮れに北岳山荘へ到着した登山者が1名いました。

 もしも途中で滑落していたら。
 もしも途中で足を怪我したら。

・・・積雪期の北岳に怪我なし。
 
周囲に冬山経験者がいない場合は、迷わずガイドを雇ってください。または、技術を取得して、経験を積んで、いつの日か、素晴らしい白き高峰「北岳」においでください。
今年の北岳山荘営業もあとわずかとなりました。我々山小屋管理者は、安全で楽しく、笑顔の登山サポートを最後まで行って参ります。

登山道の状況

●大樺沢方面
大樺沢の登山道は台風被害のため通行止めです

●草すべり方面
・とくに問題箇所はありません。

●大門沢方面
通行止めとなっています。

登山装備

防寒対策をしっかり行い、身体・衣服が濡れない工夫と、風雨から身を守る工夫をしてください。

注意点

★雨雲レーダーや最新の気象状況を常に確認してください。
早い時はお昼前でも雷が発生します。岩稜の稜線では逃げ場がありません。雷が直撃した事故が過日発生しましたので、事前の情報収集により再発を防いでください。

・登山(下山)中は、水分をたくさん摂ってください。(※塩分を含む食物、飲料も行動時に摂ってください)
・ゆっくり呼吸をしながら登山してください。
・下山時は、無理なく高度を下げてください。
・登山前、下山前には、ストレッチ体操を十分にしてください。
・休憩中は防寒着を着用し、身体を冷やさないようにしてください。

お知らせ

北岳山荘は、例年、週末に利用者が集中して混雑します。平日の利用が快適です。
・土日祝祭日はカレーになります(おかわり自由)。
・今年度より、お弁当の販売対象は、縦走者のみとなります(高温時は販売中止)。

★お弁当、夕食、朝食について
近年、北岳山荘においては、気候が高温多湿化しており、お弁当の日持ちが悪くなり、食中毒の発生が懸念されています。お弁当の提供ができなくなっています。
行動食の持参、他の小屋で昼食をとるなどのご協力をお願いいたします。なお、縦走する方には提供いたします。


・消費税率改正に伴い、北岳山荘の利用料金が一部変更になりました。
寝具付素泊 5,800円 → 5,900円 小学生半額、小学生未満無料
寝具無素泊 4,800円 → 4,880円 小学生半額、小学生未満無料
テント(一人) 800円 →  810円 小学生半額、小学生未満無料
夕食1,700円、朝食1,200円、弁当1,000円 ※変更なし
寝具付宿泊(大人) 2食付 8,800円   3食付 9,800円(縦走者のみ)
寝具無宿泊(大人) 2食付 7,780円   3食付 8,780円(縦走者のみ)

南アルプス市 北岳山荘周辺の過去の様子

  • 大樺沢上部は凍結しています
  • 北岳山荘付近のライチョウ
  • 北岳山荘から見る朝焼け
  • 北岳の様子
  • 中白根方面の様子
  • ライチョウの親子(中白根山付近)
  • 北岳周辺の稜線の様子
  • トラバース道落石跡、通行時はご注意ください
  • ウラシマツツジ
  • ヒメセンブリの花
  • アオノツガザクラ
  • ミネウスユキソウ

南アルプス市 北岳山荘

現地連絡先:
090-4529-4947
電話番号:
055-282-6294
連絡先住所:
山梨県南アルプス市小笠原376 南アルプス市役所 観光商工課

地図で見る

施設の詳細を見る

関連する山

山梨県 / 赤石山脈北部

北岳 標高 3,193m

 日本で富士山に次いで高い山は白峰の北岳である。白峰は通称白峰三山と称し、3000mを抜く山5座が、南アルプスの北部に連なっている。すなわち北岳(3192m)、中白峰(3055m)、間ノ岳(3189m)、西農鳥岳(3050m)、農鳥岳(3026m)である。  この連山の最北にある故、北岳。当を得た山名である。古くは『平家物語』に「手越を過ぎて行きければ、北に遠ざかりて、雪白き山あり。問へば甲斐の白根と云ふ」と出ているが、果たして東海道筋から見えたであろうか。時代は下がり、『甲斐国志』(文化11年―1814年編)によれば「白峰、此山本州第一ノ高山ニシテ西方ノ鎮タリ。国風ニ詠スル所ノ、甲斐ヶ根コレニシテ(中略)南北ニ連ナリテ三峰アリ。其北方最モ高キモノヲ指シテ、今専ラ白峰ト稱ス」と記している。  同書によれば、「山上ニ日ノ神ヲ祀ル。其像黄金ヲ以テ鋳ル。長七寸許、容ルニ銅室ヲ以テス。高貳尺貳寸廣方八寸、其四隅ニ鈴ヲ掛ク、風吹ケハ声アリ」と大日如来を祭ってあることを載せている。明治41年7月、この頂に立った小島烏水は「奉納大日如来寛政七年乙卯六月(1794年)」と彫られた小鉄板のあったことを記録している。となれば『甲斐国志』の記事も本当かも知れない。  明治4年、地元、芦安村の行者、名取直江が里宮、中宮、奥宮を造営して開山したという。  登山者として最初にこの頂を踏んだのはウエストンで、明治35年8月23日のことであった。積雪期の初登頂は大正14年3月22日、京都三高山岳部のメンバーで、西堀栄三郎、桑原武夫、多田政忠、四手井綱彦の4人。野呂川両俣から右俣に入り、間ノ岳を経て頂上に立った。次いで3月28日、山梨の平賀文男が広河原から第2登を飾った。  最近は交通の便がよくなり、おそらく南アルプスの山の中で、一番人気のある山ではないだろうか。登山基地の広河原まで車で入れば、1泊2日でゆっくりと往復でき、雪渓あり、お花畑あり、しかも展望絶佳ときている。  展望は南、眼前にどっかと腰をすえた間ノ岳、これに重なり合うは、塩見岳や悪沢岳。南東の櫛形山の上に富士山、東側には鳳凰三山の上に奥秩父。その左には八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳。遠く白馬三山から槍・穂高、その左にずんぐりと仙丈ヶ岳、御岳山、中央アルプスが堪能できる。  登山コースは広河原から大樺沢二俣、小太郎尾根経由で6時間、同じく二俣から八本歯のコル経由で5時間強の登りで登頂可能。

山梨県 静岡県 / 赤石山脈北部

間ノ岳 標高 3,190m

 白峰三山の真ん中に位置するので間ノ岳とは、当を得た山名である。日本第3位の高峰であるにもかかわらず、極めて地味な山だが、赤石岳、仙丈ヶ岳とともに、大きな山容を見せている。山頂は広くて、通称、間ノ岳のドームといわれるほどで、悪天のとき、方向を間違えることさえある。  一般的に、この山だけを単独に登るということはあまりない。白峰三山縦走時、あるいは仙塩尾根を経て塩見岳へと抜ける際など登頂する。  この山頂からの展望は、北岳のそれと大差がない。しかし、南側から眺めた鋭角の北岳は、さすが南アルプスの王者の風格をもって昂然として迫ってくる。  間ノ岳は『甲斐国志』にその名が載っている。登山者としては、明治14年(1881)8月18日に、アーネスト・サトウが農鳥岳経由で登頂している(出典「日本旅行日記Ⅰ」東洋文庫)。積雪期では京都三高山岳部の西堀栄三郎ら4名が、大正14年3月22日、野呂川右俣をつめて頂上に出た。北岳に登頂の途次の通過であった。  この山を踏むためのベースとなるのは、北岳のコルにある北岳山荘で、ここから中白峰を経て2時間ほどで登頂できる。 ※2014年3月までは、日本第4位の標高の山とされていたが、測量方法の変更や地殻変動などにより1m高くなることが国土地理院より発表され、2014年4月1日より奥穂高岳と並んで日本第3位の標高の山となった(2014.04.01追記)。

ユーザーの登山記録から