梅雨が明け、登山者の数も増えましたが遭難事故も発生しています。疲労による転倒や滑落を避けるため余裕のある計画で
天気・気温
山と周辺の状況
長い梅雨が明け、同時に登山者の数も増えました。途端に遭難事故も発生しています。
例年、連休や山の日などの混雑時に実施している、ロープウェイ乗り場前での登山指導でしたが、今年はコロナウイルス感染防止対策として中止となりました。過去の登山指導では、軽装備の登山者に注意喚起や計画書を出していない登山者にその場で提出させて事故防止を促していましたが、登山指導を実施しないということは遭難予備軍がそのまま入山してしまうということです。これは海水浴場で監視員がいない状況に似ています。基本的に登山は自己責任ですが、今年はより慎重な判断が必要です。
ロープウェイに乗車の際や山小屋、避難小屋に入る際にはマスクが必要になりますので必ず持参してください。ロープウェイや山小屋は利用しないという登山者も、もしも怪我などで救助要請される場合、救助隊など搬送する人達への配慮としてマスクは必需品です。
登山道の状況
現在、登山コースの異常や通行不可などの情報はありません。
[天神尾根、西黒尾根]
・熊穴沢避難小屋上部の鎖場で下山時の転倒による遭難も発生しています。特に下りに身体の疲れから、集中力が散漫になり、遭難になるケースが非常に多いです。下りでしっかり時間を取れるようにしましょう。
・西黒尾根は残雪がなくなりました。下山には不向きのルートです。下山遅れや滑落の遭難が多発しています。
[巌剛新道]
・沢地形に崩壊地あり。通行に注意してください。
・田尻尾根の中間部に倒木がありますが、巻くか超える事は可能。
・芝倉沢から先の旧道も各沢(特に武能沢)など雪渓が残り滑落、崩落など稜線より危険度が高い場所が多くあります。
・新道旧道分岐から蓬峠までは草刈りが入るまでは草が茂り不明瞭になります。
・最近登山道ではマムシやヤマカガシをよく見かけます、ご注意ください。
※各登山道は草刈りが始まりました。作業前のルートによっては草が茂り足元が見づらい所やルートが不明瞭な箇所もあります。初めてのコースは地図をよく確認しましょう。蓬峠、清水峠周辺の笹原や旧道、沢沿いのルートなど標高が低いところは特に草の伸びが激しくコースミスしやすくなるので注意が必要です(鉄塔巡視路に入らないように!)。
登山装備
・水分は必ず持参し、水分は最低でも2L以上は持ちましょう。7月は熱中症での救助要請が急増します。帽子をかぶって水分、塩分はこまめに取り自分にあったペースで登山をしましょう。
・これからの季節は夕立、落雷が多くなります。登山開始を早めなるべく早めに下山する事。天候の急変に備えレインウェアは必携です。天気予報では予測できません。
・山頂付近では時間帯や天候により気温が10℃を下回ることも珍しくありません。夏の日帰りの場合でも防寒具は携行するようにしましょう。
・日帰り登山であってもヘッドランプとレインウェアは必須です。万が一、滑落やケガをした場合、夜は気温が低く防寒対策が必要になります。またスマートフォンの灯りは小さくバッテリーがなくなれば救助者との連絡もつかなくなります。
注意点
・夏山での遭難者の多くが体力の不足です。転倒、滑落なども疲れた下山時が多く熱中症も同様です。水不足は完全に装備不足です。
沢での遭難事故が発生しています。万が一に備え登山カードには人数やコースなど出来るだけ正確な情報を書いてください。迅速な救助の為ご協力をお願いします。
・熊穴沢避難小屋上部の鎖場で下山時の転倒による遭難も発生しています。特に下りに身体の疲れから、集中力が散漫になり、遭難になるケースが非常に多いです。下りでしっかり時間を取れるようにしましょう。
・谷川岳ロープウェイは通常営業中(土日祝7時~17時、平日8時~17時)。乗車人数制限、マスク着用のお願い等、新型コロナウイルス感染防止対策は引き続き行っていくとのことです。週末など朝の便は混み合う事が予想されます。歩き出しが遅れると行動時間の減少となります。
・国道291号線、登山指導センター前から一ノ倉沢出合までの区間は歩行者と自転車のみ進入可です。電気バスが運行中です。
お知らせ
指導センター付近に駐車場はありません(ゲートの脇の広場は警察車両や緊急車両用のスペースになっているので停めないでください)。
指導センターの休憩舎は24時間利用できます。毎年のことですが、この時期、指導センター前の湧き水の水源が少なくなり枯れてしまうことが多々あります。水が枯れた場合、登山用に汲むことができなくなりますので、湧き水を当てにせず持参してください。また、水が止まってしまった場合、休憩舎トイレも使用できなくなります(湧水は生水です。水質検査はされていません)。
■小屋の情報
[肩ノ小屋]
外のトイレ利用可(協力金100円)、宿泊は完全予約制、売店は不定休。利用の際はマスク着用、アルコール消毒など登山者自身で感染予防を徹底してください。今後の営業は政府や自治体の方針により対応とのこと。
肩ノ小屋や平標の有人小屋の営業状況は直接お問い合わせください。
[茂倉岳避難小屋]
利用は可能とのことですが、雪で窓ガラスの一部が割れて風雨が入りこんでしまうとの情報がありました、新潟県の建物であり、修復の予定は不明です。念のためテントやツェルトを持参したほうがよいでしょう。
[オジカ沢避難小屋]
基礎と上部シェルターを接続するボルトが腐食により折れてしまったと情報あり。利用は可能ですが強風時にぐらつきが出る可能性があります。簡単に修理できない状態とのことで、町役場に報告し、対応を待っています。
昨年の今頃の様子は?
登山口付近の雪は少なくなってきましたが、稜線はまだ冬山装備が必須です2023.04.11
ロープウェイは4月17日から24日まで点検運休中。ベースプラザも休業のため駐車場も利用できません2023.04.18
雪が解けはじめ、急な斜面のトラバースが増えてきました。岩場などでは踏み抜きに注意2023.04.25
状況変化に対応できる装備と技術が必要な季節であることを意識して入山してください2023.05.02
残雪と夏道が混在しています。滑落事故も多く発生しているのでアイゼンの着け外しの判断は慎重に2023.05.09
登山指導センターから先の冬季閉鎖は5/19解除。翌日からは一ノ倉沢出合までの電気バスも運行開始予定2023.05.16
例年より早く雪解けが進み歩きやすくなってきました。山頂直下の急斜面には残雪があり滑り止めが必要です2023.05.23
谷川岳登山指導センター周辺の過去の様子
谷川岳登山指導センター
- 電話番号:
- 0278-72-3688
- 連絡先住所:
- 〒379-1728 群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽