この夏は花の百名山栗駒山へ レポート掲載!

 宮城・岩手・秋田の三県にまたがる「花の百名山」栗駒山(1626m)。

 山上では150種ともいわれる高山植物によって見事なお花畑が広がり、サクラソウの仲間ヒナザクラで田中澄江選定の「花の百名山」に選ばれている。

 また、ブナやミズナラとともに、カエデ類の落葉広葉樹林が広がり、5月からの新緑、9月中旬から10月中旬まで続く紅葉も際立って美しい。

 深田久弥氏は『日本百名山』のあとがきで「栗駒山も百名山に入れるべきであったかもしれない」と記している。

この栗駒山を、7月中旬、1泊2日の日程で、2組4名のモニター特派員が訪れた。

 名所・伊豆沼のハス、世界谷地湿原を散策し、登山口に近い温泉宿で一泊。そして早朝から栗駒山の魅力を堪能できるロングコースにチャレンジ。魅力いっぱいの栗駒山を紹介しよう。

栗駒山は見どころいっぱい!高山植物と原生林に癒されます!

 7月中旬、関東はまだ梅雨開けしていない時期でしたが、それは素晴らしい天気に恵まれました。少し暑すぎる感もありましたが、時折吹き抜ける風の極上の爽快感。高山植物、ブナ、ミズナラなどの原生林、食べ物、温泉を満喫できた2日間となりました。

 私たちの東北方面の登山は、昨年の月山、安達太良山に続き3座目、栗駒山は多くのお花が咲くということと、山岳ガイドさんや他の参加者の方がいるということで、ワクワクと緊張感でいっぱいの出発でした。

 メインの栗駒山登山は、いわかがみ平からスタート、東栗駒コースを経て天馬尾根を辿るコースでした。山岳ガイドの太宰さんからサラサドウダンやオトギリソウ、ナナカマドなどいろいろな花を教わりながら歩きます。青空には飛行機雲。やがてハイマツ帯になって山頂が近づくと、ヒナザクラやタテヤマリンドウ、ミツバオウレンなど、見たことがない小さな花々に出逢えました。感動と急登で足が上がらなくなってしまいましたが、頂上からは、月山、鳥海山を眺めることができました! 東北地方のほぼ中央に位置していることが実感できる景色でした。


   

 登りの体力に自信がなく、ついていけるか心配でしたが、ガイドの太宰さんがペースを考えて歩いてくださって、元気に下山することができました。下山後、栗駒山荘の乳白色のトロっとしたお湯、露天風呂は極上でした!

 普段は、山頂までたどりつくことを最優先し、スピード重視で下っていたので、植物を観察しながら、こんなに寄り道をたくさんした登山は初めてでした。同行した渡辺さんご夫妻や、太宰さんの山の経験談をお聞きし刺激を受けました。

 栗駒山は世界谷地コース、表掛コースなど他にもいくつかコースがありますので、ぜひ季節を変えて訪れたいと思います。花の山なので、見たい花の季節を選んで、2度、3度と足を運びたいですね。

 夜の日本酒、ブナやミズナラの森、くりこま荘のお風呂・・・。んん〜、また行きたい。また行きます!


   

爽快感あふれる稜線歩き!もっと多くの人に歩いてもらいたい

 日本一の紅葉が見られるという栗駒山は「二百名山」。いつかは訪れたいと思っていましたが、夫の登山スタイルが「百名山ピークハント」なので「ああ、きっとこの山は後回しにされるだろうな…」と思っていました。今回、思いがけずモニターとして訪れることができました。

 2日間は絶好の快晴、登山日和でした。集合後、予定になかった伊豆沼・内沼のハスを散策。8月の蓮祭りの期間なら舟に乗って水面近くからハスの花を楽しめると聞き、また来てみたいと思いました。昼食は、農家の納屋を改築したという花山地区の「山菜茶屋ざらぼう」で、迷った末、季節限定の冷製トマトそばをいただきました。風味のしっかりした蕎麦にトマトやズッキーニの入った具材がよく合います。

 世界谷地湿原では針広混交林を森林浴。ふだん樹木や植生まで注意を払っていなかったのですが、ガイドツアーはいつもと違う発見ができます。休憩時のカフェオレも美味しかったぁ! 第一湿原は花の合間でしたが、明日登る栗駒山をしっかりカメラに収めました。宿泊のくりこま荘では、山菜や岩魚など地元の食材を活かした豪勢な夕食に思わずお酒も進みました。


   

 2日目はいよいよ栗駒山登山。いつもはガツガツ登ってしまうのですが、花や景色の写真をたくさん撮りながら、ゆっくりした山歩き。とても贅沢な気分です。花の名前も教えてもらい、メモしながら歩きました。東栗駒コースは灌木から沢の渡渉、砂礫やハイマツの登山道と変化に富み、回り込みながら登って行くので、様々な表情の栗駒山を見ることができ、飽きることがありません。雪渓の残る緑の栗駒山は、雲が絹のようにかかる青空をバックに雄大な裾野を広げていました。

 山頂でおにぎりを食べ、後半は尾根コースへ。ヒナザクラやタテヤマリンドウ、イワイチョウが咲き誇る、天馬尾根コースから秣岳経由の下山ルートは、東北らしい柔らかい山容を眺めながらの稜線歩きで爽快感がありました。

 今回のコースは、往路・復路で雰囲気が違い、見所満載のルートだったので、もっと多くの人に歩いてもらいたいと思います。そして私自身、日本一の紅葉を見に、また訪れたいと思います。あんなに豊かな広葉樹の森が広がっているんですから、きっと素晴らしいに違いありません。


   

栗駒山花図鑑 2015年7月

今が旬 伊豆沼・内沼のハス。

 山麓にある「伊豆沼・内沼」では、8月のハスの最盛期に合わせて「はすまつり」を開催。 小型遊覧船で回遊しながら咲き誇る淡いピンク色のハスの花を間近で楽しむことができる。 開花情報は、栗原市観光物産協会のウェブサイトやFacebookページにアップされている。

伊豆沼・内沼はすまつり

9月中旬からは栗駒山が輝く紅葉

栗駒山では、9月中旬から10月中旬にかけて、「日本一」とも「神の絨毯」とも表現される紅葉シーズンを迎える。高山植物の咲き誇る花の山とは別の、もう一つの栗駒山の魅力。
紅葉情報も、栗原市観光物産協会のウェブサイトやFacebookページをチェックしよう。

栗駒山の紅葉情報


水が育てる お米、お餅、日本酒

栗駒山麓の地形と豊かな水によって育まれてきた郷土料理。米どころの平野部は「栗原米」を生み、ずんだ餅、くるみ餅に始まり、じゅうね餅、ふすべ餅など、50種以上ある餅料理は名物のひとつ。水と米が美味しければ、酒造りには好条件で、栗原市内だけでも6つの蔵元が存在する。

山のめぐみ イワナ、そば、自然薯

イワナの養殖発祥の地とされる耕英地区では、清流が育てたイワナを「岩魚丼」で提供しており、栗原の名物となっている。山間地で昼夜の温度差が大きい花山地区の名産は、そば。「花山そばの里」では3軒のそば店が味を競っている。粘りの強い自然薯や、山の幸であるきのこや山菜とともにめしあがれ。

どこに下山しても 温泉!

栗駒山の楽しみのひとつは、どの入下山口にも湧いている温泉。秋田・岩手県境の須川高原温泉は古くから湯治場として知られている。宮城県側も長い温泉の歴史があり、いくつもの温泉が楽しめる。写真は宮城県側「新湯温泉くりこま荘」の露天風呂。

山麓でも自然を堪能 世界谷地湿原

栗駒山山麓の標高約670mから700mに広がり、14.34ヘクタールを誇る湿原群。雪融けの5月から紅葉の始まる9月まで、ワタスグ、ニッコウキスゲ、サワランなど、湿原の植物を季節ごとに楽しむことができる。「世界谷地」とは「広い湿原」の意味とも言われる。

アクセス
東北新幹線で
東京からくりこま高原駅まで、約2時間20分。
くりこま高原駅下車後、いわかがみ平まで、車で約60分。
東北自動車道で
若柳金成ICからいわかがみ平まで、車で約50分
(川口JCTから若柳金成ICまで402km、約5時間)
築舘ICからいわかがみ平まで、車で約60分)
秋の栗駒山 アクセスバス期間限定運行
JRくりこま高原駅~いわかがみ平
平成27年9月20日(金)〜平成27年10月12日(月・祝日)
(※金・土・日・祝の14日間)
2015 秋の栗駒山麓まるかじりバス
お問い合わせ
栗原市
産業経済部 田園観光課(くりはら研究所)
〒989-5612 宮城県栗原市志波姫新熊谷284番地3
TEL:0228-22-1151
http://www.kuriharacity.jp/
自然豊かな「栗原市」に来てけいらん
栗原市観光物産協会
http://kurihara-kb.net/