はじめての テント泊登山

登山レポート 購入ガイド How to 準備 How to 実践 How to 片付け How to Tips みんなの道具 テント場

HOWTO テント泊登山 - 実践編 -

山でのテント泊で最低限知っておきたいこと。もしくはタブーなこととは?やはり一般的なキャンプ場ではないので、多少ルールが異なる山のテント泊。はじめは経験者と一緒に行動し技術を身体におぼえこませるのが最適ですが、それができない場合は以下の「テント泊登山の実践」を見てイメージを膨らませてください。

ロケ/丹沢 大倉高原山の家 テント場

15:00 テント場到着

テント場に到着、おつかれさまでした。時間に余裕をもって夕方になる前に到着したいところ。ザックを置いてから、管理している場所へ受付をしにいきます。受付をするついでに水場とトイレのチェックも行います。

水筒やタンクを持っていけば、二度手間を防げます。水は炊事、飲み水として使うのでたっぷり汲みます。

POINT

テント場での水は有料の場合もあります。それだけ山では水が貴重で、トイレも同じく現地の人の頑張りによって支えられています。それぞれのテント場のルールを予め確認しましょう。小銭も必携です。

15:30 テント場設営

テントを設営はできるだけ凹凸がなく傾斜のない場所を選ぶようにしましょう。誰かが使った後はそれとなく分かるので、いろいろ歩いてから決めても良いかもしれません。

邪魔な木の枝や石をどけて、凹みがあったら埋めるなどしてテントを広げます。作業をする前にサンダルに履き替えておくとラクです。

まずキャノピーと呼ばれる本体を拡げます。このときは入り口の向きを注意したいところです。隣テントと視線がぶつかるような状況を避け、風の向きや景色などを加味します。ポールをつなぎ、スリーブに通して2本同時にテンションをかけたらテントらしい形になります。それからフライシートを被せガイラインを張ったら出来上がりです。ペグは石で叩いて押し込みます。

POINT

ポールは地面に置かずに組み立てます。もし置く場合でもテントの上が理想です。土や雪がジョイント部分に付着するのを防ぎましょう。またポールをスリーブに通すときは押して行います。撤収時も同じく押すようにしましょう。引っ張ると簡単に抜けてしまうのがテントポールです。

ガイラインの固定はペグを使いますが、周囲の石でも容易にできます。いろいろ工夫すれば楽しさが広がります。

15:45 テント内の整理整頓

設営が終わったらテントの中を整理します。前室と呼ばれる本体とフライシートの間のスペースに登山靴やストック、また食べ終わったあとのコッヘル類などを置きます。

マットはテントの外で膨らませるとラクです。膨らんだマットの上に寝袋を置けば寝るスペースの完成。必要な道具をザックから出して分かりやすい位置に置きましょう。モノを紛失しやすいテント内は整理整頓のスキルが試されるところです。

炊事道具、食材、ヘッドランプ、ケータイ、洗面道具を出しておくと良いでしょう。

POINT

着替えを入れておくスタッフバッグを枕にするのが一般的。また短いマットの場合、空にしたザックを足元に置いてその上に足を乗せるなどして、安眠できる環境を作ります。

16:00 夕食を作る

調理器具はグループの場合、大きめの鍋があると便利です。その鍋を安定した状態で火にかける際はゴトクの大きい分離型バーナーがおすすめ。一方、ソロの場合コッヘルも小さく、手間をかけない場合が多いので一体型の軽量バーナーで問題ありません。

食材は生食材であれば味も良く料理のバリエーションも広がります。グループで手分けして荷物を持てば負担は少なく効率的です。まさに同じ釜の飯を食うことで、団結力も高まります。一方、ソロの場合はフリーズドライをメインにして他の食材を加えるアレンジが主流。1人まったり調理する時間も悪くありません。

POINT

フリーズドライのゴハンは便利で味も悪くありませんが、米を炊けばさらに充実した時間を過ごせます。無洗米を使い、火加減を見ながら炊き上げる。標高が高いと沸点が低くなるため上手に炊くのは難しいですが、手間隙かけた料理が美味しくない訳がありません。

19:30 就寝準備~就寝

夜ごはん(宴会?)が終わり、片付けが一段落したら20時くらいにはシュラフに入りましょう。山の時間はすべて日常よりも早いです。テントの壁はとても薄く話し声は外に筒抜け。静かに話していても周囲には大きなストレスになってしまいます。翌朝に早く発つ(3時スタートとか)人もいますので、ご注意を。

POINT

後片付けは大雑把で大丈夫。翌朝にまたコッヘルを使うのでピカピカにまでする必要もありません。まとめて前室に置きます。


4:30 起床~朝ご飯

朝起きて、さっと身支度を整えたら、稜線上であればご来光タイムをはさんでの朝食です。今回は前夜に残ったスープの中におにぎりを入れて雑炊を作りました。水分を効果的に摂れて、味も良いので鍋→雑炊のパターンは山ではよくあるメニューです。麺類も合います。

POINT

鍋や食器はティッシュペーパーで拭くのみ。キャンプ場のように洗剤などは一切使いません。残飯が出たとしてもビニール袋などに入れて持ち替えるようにしましょう。

5:00 撤収~出発!

朝食を終えて、テント内の荷物を片付けたらテントを仕舞っていよいよ出発です。フライシートを外したら本体を持ち上げて入口を下にします。軽くゆすってゴミを出します。

フライシート、本体をまとめて収納袋に入れ、すべての荷物をパッキングしたら最後に忘れ物がないか、ゴミが落ちていないか確認して出発です。

POINT

テントを収納する際、出入り口のファスナーをすこしだけ空けておくと、空気が抜けて畳みやすくなります。また折りたたんだ時に端をずらしてから丸めると、収納時に端を揃えることができます。

テントについて

テントは用途やサイズがさまざま。ソロ山行だと1人用テントが最適ですが、2人用を広々と使うのも快適。一般的なのは2人用テントで、これは1人でも2人でもストレスなく過ごせます。3人用以上になると宴会ができるテントになります。ワイワイ鍋を囲んでも良いですし、多く人が入っているほうが暖かく過ごせます。



互い違いに寝るのが登山の一般的なスタイル。互いにストレスがなくスペース的にも効率が良い。

スペースに余裕があれば頭を揃えることができる。傾斜地にテントを張らざるをえない場合はこのように寝たほうが身体はラクだ。