本Webサイトを見て、「よし! 高尾山に行ってみよう」と思い立った方もいるかもしれない。しかし油断は禁物、行く前にしっかり山歩きの基本を学んでおこう。
出かける前、現地についてから、実際の行動中についての注意点を、この章でしっかりチェックしよう。
出かける前の準備
山歩きの基本は「早起きして出かけること」
高尾山は、豊かな自然を残した標高599mの山。中腹までケーブルカーやリフトも利用できるが、頂上をめざすには、起伏に富んだ道を行く"山歩き"となる。
山歩きの基本のひとつは早起きして出かけること。午前9時、遅くとも10時までには登山口から歩きはじめられるようスケジュールを立てたい。
午後は天気が不安定
高尾山の主要ハイキングコースは、登山口から頂上まで徒歩1時間30分~2時間。10時前にスタートできれば、すがすがしい午前中のうちに登って、頂上にはちょうどお昼ごろ到着。こんなスケジュールなら、頂上でゆっくりランチを楽しめるし、ビジターセンターの自然観察会に参加する余裕も出てくるだろう。
そして帰りは、必ず夕暮れがせまる前、秋・冬ならば午後15時には、春夏ならば17~18時には登山口にもどってこられるよう行動しよう。
山の天気は変わりやすいといわれるが、特に午後は天気が不安定になり、崩れやすいため、早めの行動を心がけたい。
出かける前に天気予報をチェック
高尾山を歩くのは、できれば天気のよい日を選びたい。本降りの雨や強風など、天気のわるいときのハイキングは想像以上につらく、雨にぬれてブルブル震えてしまったり、ぬかるんだ地面で足を滑らせ、思わぬ転倒といった危険もある。
したがって、出かける前には必ず天気予報のチェックを。朝から天気がくずれそうな日は、無理せず予定を延期。もし「午後から天候が下り坂」という予報なら、いつでも引き返すつもりで出かけよう。
晴れた日でも天候急変の備えを!
ただし、山の天気は変わりやすく、平野部とは天気が異なることもある。天気予報にかかわらず、レインウェアや折畳み傘などは必需品。よく晴れた日でも天候急変に対する備えは忘れずに。
プロフィール: 佐々木 亨
1961年生。小学時代より家族で登山を楽しむ。
高校時代には社会人山岳会に所属し、アルパインクライミングに熱中。『山と溪谷』『ヤマケイJOY』をはじめ、登山雑誌への執筆多数。
ガイドブック取材のため '06~'07年にかけては八ヶ岳を取材。四季を通じてほぼ全コースを踏破、精力的に歩き、取材した。
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