高尾山ナビ
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高尾山を知る
Text by 石丸哲也

高尾山はどんなところ?

ミシュラン観光ガイドで三ツ星の観光地として紹介

高尾山は、1億年あまり昔、まだ恐竜が繁栄していた中生代後期以降の 造山運動で生まれたとされる。高尾山山頂から東北東、高尾駅方面へ延びる尾根と周辺がハイキング・行楽のメインエリアで、北側は蛇滝、南側は琵琶滝が懸かる沢に挟まれ、多様な地形を見ることができる。

植生は1300種類!!

高尾山が注目される理由の一つが、その豊富な植生。1300種に及ぶという多様な植物が分布し、動物や野鳥も多く生息している。こうした植生が残った理由は、

  • 平地の暖帯林と山地の温帯林との境目にある
  • 薬王院の寺域として保護されてきた
  • 明治以降は皇室の御料林として手厚く保護されてきた

などが挙げられる。
1967年(昭和42年)12月には、明治の森・高尾国定公園にも指定されている。

ミシュランガイドに選出

また、最近では、フランス版の「ミシュラン観光ガイド」で、富士山とともに観光地として3つ星に選ばれたことで話題になった。高い評価を得られた理由は、首都近郊にありながら、豊かな自然に恵まれ、ハイキングコースの整備も行き届き、だれでも手軽に自然に触れられるから。

高尾山のシンボル薬王院は1200年以上の歴史がある!

高尾山の中腹には、「薬王院(やくおういん)」という寺院があり、初詣の際にはとくに多くの人で賑わっている。薬王院の正式名称は高尾山薬王院有喜寺で、開山は天平16(744)年、なんと1200年以上の歴史があるという。

行基の開山と伝えられ、成田山新勝寺、川崎大師平間寺とともに真言宗智山派の三大本山に数えられる。本尊は不動明王の化身・飯綱大権現で、その使いである天狗は 高尾山のシンボル的存在になっている。

高尾山全体が山岳修験の道場であり、最もハイカーが多い1号路は薬王院の表参道、蛇滝と琵琶滝は水行場となっている。

ブナ、シイ、カシ、ムササビなど、高尾山は自然の宝庫

先に説明したように、豊富な植物は高尾山の第一の魅力。高尾山で見られる主な植生を挙げると、暖帯林に属するカシ、シイなどの常緑広葉樹(照葉樹)、温帯林に属するイヌブナなど落葉広葉樹、中間に見られるモミやツガ、植林のスギやヒノキなどとなっている。また、季節折々の花、新緑や紅葉も彩りを添えている。

夜には空飛ぶムササビ

動物では、夜になると滑空するムササビが有名。ほかにもホンドリスやタヌキ、イタチなどを見ることができる。他にも、季節の渡り鳥やさまざまな留鳥も見られ、バードウォッチャーにも人気だ。

初心者でもベテランでも楽しめる魅力的なハイキング路

高尾山の玄関口は京王線の高尾山口駅で標高は190m程度。山頂は599mなので、山頂までの標高差は約400m。東京タワー特別展望台までが200mであることを考えると、このほぼ倍に相当する高さを登ることになる。これは、初心者には決して簡単なことではない。

ケーブルカーとリフトで気楽に登ろう!

ハイキングとしては手ごろな行程だが、気楽に登りたい人は 標高約485m地点まで延びるケーブルカーまたはリフトを利用すると良いだろう。

山頂までのルートは10通り

高尾山の山頂に行くには、多くの登山道があり1~6号路など、全部で10の登山道が存在する。最もポピュラーな1号路は薬王院までは舗装され、要所に茶店やトイレもあって、ハイキングが初めての人も安心して歩けて、豊かな自然にふれることができる。

一方、6号路などは完全な山道で、登山の雰囲気を十分に満喫できるようになっている。コースや季節により異なる魅力があるため、繰り返し、たずねても飽きることない懐の深さも高尾山ハイキングの魅力といえる。

プロフィール: 石丸哲也

1952年生まれ、東京都出身。オールラウンドな登山や海外遠征を経て、頂上を目指すだけでなく、五感や教養を活用して楽しむ山歩きを推奨している。山岳ライターとしてだけでなく、登山ツアーや登山教室の講師としても活躍中。

『山と溪谷』をはじめとした雑誌の執筆だけでなく、「日刊スポーツ」木曜版には隔週でハイキングコーナー「山だより」を連載中。山と溪谷社主催の講習会「ヤマケイカルチャークラブ」では、初心者向け講座の講師を担当している。

主な著書に『関東百名山』、『駅から駅までハイキング[関東周辺]』、『ハイキングと立ち寄り温泉 関東周辺』(山と溪谷社)を発刊。


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