高尾山ナビ
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高尾山を知る
Text by 石丸哲也

高尾山のおすすめ時期

高尾山のベストシーズンはいつ?と聞かれると、回答に窮してしまうほど。実は高尾山は春夏秋冬いつでもベストシーズンなのである。そこで、季節ごと(月ごと)の見どころや主な観光スポットについて紹介していこう。
※平均気温は気象庁データをもとに算出した参考値

1月

高尾山の山懐に抱かれた薬王院は初詣の人気スポット。ケーブルカーが大晦日から終夜運行され、旧年から新年にかけての2年詣をする人もたくさんいる。山頂では初日を迎える迎光祭がとりおこなわれ、薬王院の僧侶が読経する声が響く。

植生では、シソ科の草本シモバシラの枯れた茎に氷の結晶が形づくる「氷華」が例年中旬ごろまで見ることができる。下旬には高尾山の20軒あまりのそば店で「高尾山の冬そばキャンペーン」が始まる。

シソ科の草本シモバシラの茎に現れる「氷華」

1月の高尾山

  • 平均気温:  -0.8℃
  • 見頃の植物: シモバシラ、ミヤマフユイチゴ
  • イベント:  迎光祭(げいこうさい)、冬そばキャンペーン

2月

上旬の週末に、高尾梅郷梅まつりが行われる。中旬ごろからはヤマネコノメやヤマルリソウが開花。続いて木の芽がふくらみ、ダンコウバイやキブシ、スミレ類なども咲き出し、ウグイスのさえずりも聞こえてきくる。

第2日曜には、薬王院火渡り祭が行われる。また「冬そばキャンペーン」は月末まで行われている。

2月の高尾山

  • 平均気温:  0.5℃
  • 見頃の植物: ミヤマフユイチゴ
  • イベント:  薬王院節分会、冬そばキャンペーン

3月

上旬の週末に、高尾梅郷梅まつりが行われる。中旬ごろからはヤマネコノメやヤマルリソウが開花。続いて木の芽がふくらみ、ダンコウバイやキブシ、スミレ類なども咲き出し、ウグイスのさえずりも聞こえてきくる。

第2日曜には、薬王院火渡り祭が行われます。「冬そばキャンペーン」は月末まで行われている。

高尾梅郷梅まつりが開催。雪の降る日もあるので、
寒さ対策は万全に!

3月の高尾山

  • 平均気温:  4.1℃
  • 見頃の植物: ハナネコノメ、アズマイチゲ
  • イベント:  薬王院火渡り祭、冬そばキャンペーン

4月

春の花のピークを迎える。アオイスミレ、エイザンスミレ、タカオスミレなどのスミレ類を始めとする野草、サクラなど花木が美しい時期である。

例年、サクラのごろは清滝付近で上旬、山頂付近で中旬となる。サクラが終わるころから新緑が鮮やかになり、上旬~下旬に「高尾山若葉まつり」が開催される。

週末などには伝統芸能上演などのイベントが開催されている。上旬からは高尾山・陣馬山スタンプハイクがスタート。第3日曜には、薬王院春季大祭が行われる。

春の花が咲き、一斉に山は色づく。写真はスミレ

4月の高尾山

  • 平均気温:  10.0℃
  • 見頃の植物: ミツバツツジ、イヌブナ、ニリンソウ、ハナネコノメ、アズマイチゲ
  • イベント:  滝開き、高尾山若葉まつり、薬王院春季大祭、高尾山・陣馬山スタンプハイク

5月

オオルリ、キビタキなど夏鳥が飛来する。中旬ごろまで新緑みずみずしく、ゴールデンウィークはやはり人出が多く混雑する。
花は野草がシャガ、チゴユリなど、樹木がホオノキ、ミズキ、ヤマツツジなどが見頃となる。

8日には、薬王院仏舎利塔で花まつりが開催。また、中旬の土曜に野鳥の声を聞く会、下旬の土曜に山野草に親しむ会が開催される。高尾山・陣馬山春のスタンプハイクが上旬から下旬まで行われている。

前半はミツバツツジが咲く

5月の高尾山

  • 平均気温:  15.0℃
  • 見頃の植物: ホオノキ、セッコク、ニリンソウ、ミツバツツジ
  • イベント:  花まつり、野鳥の声を聞く会、山野草に親しむ会、高尾山・陣馬山スタンプハイク、高尾山若葉まつり

6月

木々の緑が濃くなり、ホトトギスやツツドリの鳴き声がこだまする。上旬は6号路で野生ランのセッコクが開花。下旬には梅雨に入り曇りや雨の日増えるが、雨に濡れた木々や霧は趣き深い情景を浮かびあがらせている。

野生ランのセッコクの花

6月の高尾山

  • 平均気温:  17.6℃
  • 見頃の植物: セッコク
  • イベント:  ――

7月

上旬から、ケーブルカー高尾山駅上に標高500mのビアガーデン「高尾山ビアマウント」が開業する。例年、20日ごろに梅雨明けし、夏休みを迎えると共に家族連れのハイカーが一挙に増える。

花はあまり目立たない季節だが、サワギク、ギンリョウソウ、ヤマホタルブクロ、オカトラノオ、ヤマアジサイなどが咲く。大型のチョウ、アサギマダラが舞い、山を彩っている。夏休み中は「ケーブルカー・小学生夏休みこども学習」が開催される。

ヤマアジサイが目立つ季節となる

7月の高尾山

  • 平均気温:  22.9℃
  • 見頃の植物: ヤマアジサイ、ヤマユリ
  • イベント:  「高尾山ビヤマウント」営業開始、ケーブルカー・小学生夏休みこども学習

8月

深緑の森に、キジョラン、タマアジサイ、ヤマホトトギス、オオバギボウシなどが咲く。6号路ではイワタバコやサワギクも咲き目を楽しませてくれる。「高尾山ビアマウント」は引き続き営業中。

ヤマホトトギスの花

8月の高尾山

  • 平均気温:  24.8℃
  • 見頃の植物: イワタバコ、タマアジサイ
  • イベント:  「高尾山ビヤマウント」営業中

9月

ミズヒキなど秋の野草が咲き出す頃。中旬の土曜には「カンタンの声を聞く会」が行われる。下旬にはシラヤマギク、ノコンギクなどの野菊、アズマヤマアザミなどのアザミ、オクモミジハグマなど秋の花がいろいろ咲き始める。「高尾山ビアマウント」は月末まで営業している。

シラヤマギクの花

9月の高尾山

  • 平均気温:  21.4℃
  • 見頃の植物: シロヨメナ、ノコンギク、タマアジサイ
  • イベント:  カンタンの声を聞く会、「高尾山ビヤマウント」営業中

10月

涼しく、天候が安定する季節に入り、ハイキング適期を迎える。上旬から高尾山・陣馬山秋のスタンプハイクが。10月17日には、薬王院秋季大祭が行われる。

10月の高尾山

  • 平均気温:  14.6℃
  • 見頃の植物: リュウノウギク、リンドウ、シロヨメナ、ノコンギク
  • イベント:  薬王院秋季大祭、高尾山・陣馬山秋のスタンプハイ

11月

山頂のサクラなどは紅葉が始まり、例年では中~下旬が見ごろになる。下旬の連休が最も人出の多い日に。下旬は高尾駅前のイチョウ並木の黄葉も見頃を迎える。

上旬~下旬には高尾山もみじまつりが開催され、週末などには伝統芸能や音楽演奏、特産品直売などが行われる。また、上旬には秋の山野草に親しむ会が開催される。

シラヤマギクの花

11月の高尾山

  • 平均気温:  6.9℃
  • 見頃の植物: リュウノウギク、リンドウ、キジョラン、モミジ紅葉
  • イベント:  高尾山もみじまつり、秋の山野草に親しむ会、高尾山・陣馬山秋のスタンプハイク

12月

山麓では上旬ごろまで名残の紅葉が見られる。落葉後もガマズミやイイギリの赤い実が美しく彩る。ベニマシコ、イカルなどの冬鳥も飛来。例年、下旬の冷えこむ日はシモバシラの氷華を見ることができる(1月参照)。

19日には、薬王院で納札供養柴燈大護摩供養が開催。冬至前後の5日間は、山頂で富士山の山頂付近に日が沈む「ダイヤモンド富士」が見られ、カメラマンでにぎわっている。大晦日はケーブルカーが終夜運行し、夜間から2年詣の参拝客が訪れる。

下旬の冷え込んだ朝は、霜で山は銀色に美しく輝く

12月の高尾山

  • 平均気温:  1.6℃
  • 見頃の植物: モミジ紅葉/li>
  • イベント:  納札供養柴燈大護摩供養

プロフィール: 石丸哲也

1952年生まれ、東京都出身。オールラウンドな登山や海外遠征を経て、頂上を目指すだけでなく、五感や教養を活用して楽しむ山歩きを推奨している。山岳ライターとしてだけでなく、登山ツアーや登山教室の講師としても活躍中。

『山と溪谷』をはじめとした雑誌の執筆だけでなく、「日刊スポーツ」木曜版には隔週でハイキングコーナー「山だより」を連載中。山と溪谷社主催の講習会「ヤマケイカルチャークラブ」では、初心者向け講座の講師を担当している。

主な著書に『関東百名山』、『駅から駅までハイキング[関東周辺]』、『ハイキングと立ち寄り温泉 関東周辺』(山と溪谷社)を発刊。


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