少しずつ登山の計画を考えている方へのアドバイス 島崎三歩の「山岳通信」第188号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年5月21日に配信された188号では、県内は引き続き登山自粛となっている中、登山計画についてアドバイスを送っている。

 

5月21日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第188号では、5月11日~13日に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

 

  • 5月11日、下高井郡山ノ内町の山林内で、山菜採りのために入山した85歳の男性が、何らかの原因により行動できなくなる山岳遭難が発生。警察と志賀高原地区山岳遭難防止対策協会木島平班で捜索を行い、男性を救助した。

  • 5月13日、須坂市米子山付近の沢で、渓流釣りのために仲間と2人で入山した25歳の男性が、同行者とはぐれて道に迷う山岳遭難が発生。同行者からの救助要請により、男性は捜索中の警察官が発見・救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

5月3週は、県内で2件の山岳遭難が発生し、山菜採りと渓流釣りの遭難でした。長野県の新型コロナウイルスによる「非常事態宣言」は解除されたことから、近隣へ出掛ける方もいるかと思います。しかし、自然を相手にしていることを思い出していただき、慎重な計画と行動をしましょう。

さて、少しずつ登山の計画を考えている方へ、今回は山で食べるご飯や行動食、飲料水について、自宅でもう一度見直してみましょう。皆さんもご承知のとおり、登山は非常に多くのカロリーを消費するだけでなく、大量の汗とともに、体内のミネラル(塩分)が失われるスポーツです。そのため、これらを効率良く補給しなければ、目的地まで無事にたどり着くことはできません。
過去には糖分などを気にして、食事や行動食をあまり取らなかったことによるハンガーノック(いわゆるシャリバテ)や、塩分などを控えるために、お茶や水だけしか飲まなかったことによる熱中症や脱水による痙攣など、行動不能遭難が発生しています。これからは気温が上がってくるので、十分に注意をしましょう。

登山中の食事はエネルギーを補給するだけでなく、登山中の楽しみの一つでもあります。最近は山のごはんのレシピやおいしい行動食も多く紹介されていますので、登山に出掛ける前に、自分に合った、食べやすくおいしいものをご自宅で試してみてはいかがでしょうか。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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