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間もなく夏山シーズン! 妄想登山で本番に備えよう。 ~テント泊山行はテーマをもって山を歩く~

From 山と溪谷編集部
ガイド・記録 2020年06月09日

夏山の醍醐味のひとつが、テントを持って山を歩くテント泊山行だ。ただ目的のピークを目指すのではなく、山行全体にテーマを持たせると、テント泊山行はさらに楽しめるという。山のエキスパートは、どんなテーマで山に入っているのだろうか。

 

衣食住をザックに詰め込み山を渡るテント山行は、山の表情をよりダイレクトに感じられる山行スタイルの一つだ。山のエキスパートたちは、そんなテント泊山行に対して、「テーマ」を設定することを推奨している。

「〇〇のピークが踏みたい」という目的だけでは物足りなくなった人は、より深い・濃いテーマを設定して山旅をより充実したものにしよう。

ここでは、北アルプスの立山・黒部エリアと、南アルプスの荒川・赤石・聖・光エリアの魅力にクローズアップして、そのテーマについても紹介したい。

 

日本的な繊細で多様性にあふれた自然を巡り歩く

◆北アルプスの立山・黒部で長く自由な山旅を

  • 五色ヶ原~薬師岳(3泊4日)
  • 雲ノ平~鷲羽岳~黒部五郎岳(3泊4日)
  • 池ノ平~阿曽原温泉~欅平(3泊4日)

これらのコースを紹介してくれたのは写真家の星野秀樹さん。星野さんによれば、黒部源流エリアを巡る山行は、「山をつないで稜線をたどる、いわゆる縦走登山と少し違う、この山域ならではの楽しさ」があり、「日本的な繊細で多様性にあふれた自然」を巡り歩くことのできるロングトレイルだという。

「そんな『ロングトレイル』で過ごすのは、やはりテントに暮らすのがいい。それは最も自由に過ごせる手段」「山で得られる自由さは、恐らく現代に生きる我々にとってとてつもなく貴重な時間である」と強調する星野さん。

稜線をつなぐだけではなく、長く続くトレイルをたどり、独自の景観を楽しめる山旅となるはずだ。紹介してくれた3つのルートでどんな風景に出会えるのか、それは本誌を読んでからのお楽しみだ。

五色ヶ原のテント指定地から見た槍ヶ岳。平坦な稜線歩きは独特だ

 

高山を静かに歩きながら山との対話を楽しみたい

◆南アルプス南部で静寂の稜線歩きを楽しむ

  • 光岳~上河内岳(2泊3日)
  • 小河内岳~荒川三山(3泊4日)
  • 赤石岳~聖岳(3泊4日)

南アルプス南部は人の喧騒から離れて静かに山を楽しむのに適している。森林限界より上部で出会う高山植物群や、変化のある展望が続く稜線、標高差1000mを超えるアップダウンなど、南アルプスのスケールの大きさを感じられるだろう。

南アルプス南部調査人の岸田明さんは、「この15年間歩くことによって南ア南部は私の山の楽しみ方の幅をずいぶん広げてくれた」「高山植物をはじめ、蝶や昆虫、鳥の観察や、地形の起源を考えるなど興味は尽きない」という。

高山を静かに歩きながら山との対話を楽しみたい人にとって、南ア南部はぴったりだ。そして静かな山中を歩くことで、新たな楽しみを発見できる。そんな魅力の詰まった山域をテント泊でどう歩くか、岸田さんが推奨するコースは参考になるだろう。

小兎岳から見た聖岳。アップダウンの厳しい縦走路が続く

 

「山と溪谷」6月号の特集では、「エリアとテーマで選ぶ!テント山行ベストコース30」と題し、10人の山のエキスパートがそれぞれお気に入りのエリアを紹介。バラエティ豊かな30のコースがそろった。自分の山行に「テーマ」を設定することで、「○○のピークが踏みたい」という目的だけでは物足りない人でもより充実した山旅ができるはずだ。

今年の夏山シーズンは、新型コロナウィルスの影響による登山自粛要請に続き、営業休止を発表した山小屋もあり、例年どおりの山のインフラに頼ることはできないだろう。つまり、テント泊という選択肢は、今後より身近な登山スタイルとなる可能性がある(山小屋の営業休止に伴い、テント指定地も閉鎖している所もあるので注意)。

日本の山に精通した達人の視点から選ばれたコースを参考に、いつかテント泊で山を歩く日の計画や妄想に役立ててほしい。

 

日本の山 ガイド
教えてくれた人

山と溪谷編集部

『山と溪谷』2020年10月号の特集は「テーマで歩く秋の山旅」。

夏が過ぎ、雪が降る前、山は彩りに包まれます。
「自然」、「歴史」、「温泉」、「文学」という4つのテーマで、秋山の魅力をお伝えします。
第2特集では、そんな秋の山で探してみたい山の自然<草木><キノコ><コケ>をピックアップ。

⇒ 『山と溪谷』最新号はこちら

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