下山後に、温泉、食事に、お土産購入。日の出山からの下山メシは「つるつる温泉」で

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下山後に味わいたい粋なごはんを紹介するライター西野 淑子さんの「下山メシのよろこび」。今回は、日の出山からの帰りに立ち寄れる天然温泉の日帰り入浴施設を紹介する。下山メシを目的に登山をしても良さそうな、充実の施設。

日の出山山頂

日の出山山頂からは、御岳山の武蔵御岳神社や宿坊も望められる(yamail さん登山記録より)

 

東京都青梅市と日の出町の境にそびえる日の出山。関東平野の眺めのよさで人気のある山だ。

日の出山を歩くときは、よほどのことがない限り、つるつる温泉に立ち寄ると決めている。山頂からつるつる温泉へは、東側に延びるハイキングコースを下って約1時間半の道のり。「温泉、温泉」と呟きながら、どんどん歩調が早くなっていってしまうのはご愛嬌。

無色透明のアルカリ性単純温泉、なめらかな肌触りの温泉。湯に浸かりながら腕をさすると、ぬるりとした感触が心地よく、「肌がうるおってキレイになっちゃうな」といつも思う。大浴場と露天風呂があり、日替わりで男女入替えとなっている。大浴場は明るいガラス張りで広々としたしつらえ。窓から木々の緑が眺められるのがいい。露天風呂は、雰囲気のいい岩風呂とヒノキ風呂。

つるつる温泉はお風呂以外の施設も充実しているのだが、地元食材を使った料理が人気のパノラマ食堂には、なかなか立ち寄るチャンスがなかった。先日、少し早めに下山ができ、風呂上がりに足を運べた。周りの樹林の眺めがどこからでも楽しめる円形の間取り。明るくて居心地のよさそうなスペースだ。

生涯青春の湯「つるつる温泉」パノラマ食堂

ぐるりと囲む大きな窓から四季が楽しめるパノラマ食堂

生涯青春の湯「つるつる温泉」洋風露天「ひのき露天風呂」

ひのき造りの露天風呂。木々の緑が間近に見えて気持ちよい

 

メニューを見て、まずは「1人飲みのお客様におすすめ!」と書かれた生ビールセットをオーダー。注文後すぐに出てきてニヤニヤ。生ビールのジョッキ、おつまみは冷や奴、刺身こんにゃく、枝豆。まずはビールを一口。風呂上がりのビールはどうしてこんなに体にも心にも染み渡るのか。みずみずしい枝豆、さっぱりとポン酢で味わう刺身こんにゃく、風味のよい豆腐。よくよく考えると、たんぱく質多めのヘルシーなラインナップ、下山後の一杯には最適か。

生涯青春の湯「つるつる温泉」生ビールセット

筆者定番の生ビール。今回セットメニューで

 

少し落ち着いたところで食事のメニューを見る。東京黒毛和牛の朴葉焼き、注文を受けてから炊き上げる釜飯…どれも美味しそうなのだが、「当館いちおし」のキャッチに惹かれ、「赤いうどん」をオーダーした。とろとろのトマトスープで煮込んだうどん、おもしろそうだが危険な香りしかしない…。

ビールを飲みながら待つうちに、赤いうどんが登場した。真っ赤なスープに、ねぎとレタスがたっぷり乗っている。おそるおそる食べてみると…美味しいではないか。とろとろのスープは、トマトの酸味や甘みとともに、和風の出汁の風味がふんわりと感じられる。もちもちのうどんとの相性もいいし、シャキシャキのレタスをスープに浸しながら食べるのもいい。スープに浮かんでいる揚げ物はなんだろうと思ったら、チキンカツだった。これまたトマトスープとの相性が申し分ない。和と洋の不思議な組み合わせ。おもしろいなあ、美味しいなあと思ううちに、お腹いっぱい。ごちそうさま。

生涯青春の湯「つるつる温泉」赤いうどん

つるつる温泉オリジナル「赤いうどん」。トマトスープの染みたチキンカツも美味

 

帰り、バスを待つ間に館内のお土産コーナーへ。西多摩地区の名産品や採れたての野菜がずらりと並んでいる。お店のお姉さんに笑われるほどあれこれ買い込み、幸せな気持ちで温泉をあとにした。やっぱり、下山後の温泉は気持ちいいし、地元のおいしいものでお腹を満たすのは幸せだ。下山メシ、万歳。

生涯青春の湯「つるつる温泉」お土産コーナー

完熟してから収穫する「日の出トマト」など、豊富な品揃え

生涯青春の湯 つるつる温泉

日の出山の東麓に建つ、天然温泉の日帰り入浴施設。アルカリ成分の高い温泉が人気だ。館内にはゆったりくつろげる大広間、地元の名産品が揃う売店のほか、メニューの充実したパノラマ食堂も。食堂のみの利用も可能。

住所:東京都西多摩郡日の出町大久野4718
電話:042-597-1126
HP:http://www.tsurutsuru-onsen.com/

※新型コロナウイルス感染予防対策の関係で、休業あるいは営業時間・形態等に変更がある場合があります。ホームページより最新情報をご確認のうえ、お出かけください。

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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