積雪や落葉で登山道が不明瞭になりやすい時期、道迷いに注意! 島崎三歩の「山岳通信」第207号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年11月18日に配信された第207号では、この時期は積雪や落葉で登山道が不明瞭になりやすいことについて言及している。

 

11月18日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第207号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月上旬に54歳の男性が家族に蓼科山に登ると言って外出し、その後連絡が取れなくなっていた。しかし、11月10日に南佐久郡小海町内の登山口に男性の車が駐車されているのを発見されたことから、翌11日から県警山岳遭難救助隊員、佐久警察署山岳高原パトロール隊員などで男性を捜索している。

  • 11月14日、浅間連峰の黒斑山で、8人パーティで入山した47歳と50歳の女性2人が、下山中に同行者とはぐれ、日没で行動できなくなる山岳遭難が発生。2人は小諸警察署員及び浅間連峰地区山岳遭難防止対策救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

11月2週は2件の山岳遭難の発生があり、黒斑山では下山時に仲間とはぐれ、日没により行動不能となる遭難が発生しています。長野市では、平野部でも初雪が観測され、冬の訪れを感じさせるようになり、冷え込みが日増しに厳しくなっているほか、日没も早くなっています。

標高の高い山域では、登山道が積雪に覆われて見えなくなっていたり、里山でも落ち葉により、登山道が不明瞭になっていたりする場合もあります。特に下山時にルートを見落とす場合が多いことから、分岐点だけでなく、尾根や沢の変わり目では、地図やコンパスで確認するとともに、ヘッドライトなどの装備品をしっかりと携行して、時間にゆとりある日程を計画しましょう。
また、登山仲間は最後まで行動をともにするのが基本です。お互いに苦労と喜びを分かち合いながら登山を楽しみましょう。

県内では、熊の目撃や負傷事案が発生しています。行動中は鈴やラジオなどを携行し、テント場では、食料やゴミなどを外に放置しないようにしましょう。

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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