標高の高い山域では登山道が積雪に覆われ、厳しい冬山シーズンを迎えています 島崎三歩の「山岳通信」第208号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年11月26日に配信された第208号では、県内の標高の高い場所では登山道が積雪に覆われ凍結し、厳しい冬山シーズンを迎えていることを説明している。

 

11月26日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第208号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 11月21日、中央アルプスの南木曽岳で、3人パーティで入山した64歳の男性が、南木曽岳から下山中に滑落して負傷する山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助されたものの、搬送先の病院で死亡が確認された。

  • 11月23日、北アルプスの大天井岳で、21日から燕岳などを登山するために単独で入山した49歳の男性が行方不明となっており、安曇野警察署山岳遭難救助隊が捜索。男性は24日に発見されたものの死亡が確認された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

11月3週は2件の山岳遭難の発生があり、内訳は滑落遭難が1件、行方不明遭難が1件となっています。長野県内も小春日和の温かい天候になりましたが、標高の高い山域では、登山道が積雪に覆われて見えなくなっていたり、凍結している箇所もあり、厳しい冬山シーズンを迎えています。天気が良くても稜線上で風に吹きさらされると、低体温症のリスクが非常に高くなることから、入念な計画とともに、装備品をしっかりと準備しましょう。

里山でも落ち葉により、登山道が不明瞭になっていたり、非常に滑りやすくなっています。遭難の多くは下山時に発生していることから、時間にゆとりを持って下山できる計画を立てましょう。また、もしもの日没に備え、ヘッドライトや非常食、防寒着などの装備品を携行しましょう。

県内では、熊の目撃や負傷事案が発生しています。行動中は鈴やラジオなどを携行し、テント場では、食料やゴミなどを外に放置しないようにしましょう。

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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