コロナ禍で山小屋はどうなる!? 山小屋訪問記[第1回]真砂沢ロッジ 坂本心平さん

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コロナ、台風、ヘリ問題……。2020年、山小屋はさまざまな災禍に見舞われました。

一方で、「山小屋エイド基金」の活動、新著『ドキュメント 山小屋とコロナ禍』の取材、そしてプライベートで活動している歩荷や整備などの山小屋協力を通じて、たくさんの山小屋へおじゃまし、山小屋のご主人たちから、じかにお話を伺う機会の多い1年でした。

このショート連載「山小屋訪問記」では、山小屋ご主人から伺った貴重な「生の声」をお届けしていきます。

2021年が、登山を生きがいとする私たち登山愛好者はもちろん、山小屋を運営する方々にとっても「いい1年だった」と振り返ることができる年になるように、何ができるのかを一緒に考えていきましょう。

文=宮崎英樹(山と溪谷社・実用図書出版部)

 

北アルプス・剱岳の剱沢沿いに位置する真砂沢ロッジ。今回は、登山仲間8人で休業中の池ノ平小屋へ資材を歩荷する往復途上で、真砂沢ロッジにテント泊させていただき、ご主人の坂本心平さんに話を伺いました。

真砂沢ロッジは、室堂~剱沢~裏剱(仙人池や平の池など)~阿曾原温泉~水平歩道~欅平という長大な縦走路の途中にあります。2020年は、このコース上の山小屋の多くが休業したこともあって通過登山者が大幅に減りました。

さらには剱沢雪渓の残雪が近年まれに見る少なさで、剱沢が非常に歩きにくかったことも大きく影響したようです。また、感染予防のため宿泊人数を8人に制限したことから、経営的に非常に厳しい年になったそうです。


まれに見る少雪のため雪渓上を歩けなかった。一枚岩のスラブを通過する箇所

そんな苦しい状況のなかでも、坂本さんはこう話してくださいました。

「2021年も、その次の年も、小屋があること、私たちがここで小屋を営業し続けることが、登山者の皆さんの安全にもつながると思います。クラウドファンディングを通じていただいてご支援を生かして、より快適な山小屋、よりよい山小屋として、皆さんにサービスや安全をご提供できるようにしていきたいと思います」

続きは、インタビュー動画をご覧ください。

訪問日=2020年9月19日~22日

 

ヤマケイ新書『ドキュメント 山小屋とコロナ禍』
発売日:2021年1月7日
価格:本体1,000円+消費税

体裁:新書判256ページ

ISBN:9784635510684

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プロフィール

宮崎英樹

『山と溪谷』編集部、広告部を経て、2020年より、実用図書出版部所属。2020年、は、クラウドファンディング「山小屋エイド基金」の運営メンバーも務め、『ドキュメント 山小屋とコロナ禍』の編集・取材・執筆を担当。

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