スキー場のコース外での事故が続発、ルールとマナーを守った行動を。島崎三歩の「山岳通信」第212号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年2月13日に配信された第212号では、期間中にあった遭難事故2件が、スキー場内からコースを外れて起きた遭難事故であることから、慎重な計画と無理のない行動を呼びかけている。

 

2月13日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第212号では、期間中に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 1月27日、北アルプス唐松岳の八方尾根で、4人でスキー場をスノーボードで滑走中に、3人(31歳男性と26歳女性2人)が天候不良によりコース外へと滑り込み、道に迷って行動ができなくなる山岳遭難が発生。3人は大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会白馬班救助隊員により救助された。

  • 2月5日、下高井郡野沢温泉村の野沢温泉スキー場において、37歳の男性が単独でスキー場外を滑走中に、立木に衝突して足を負傷し、行動できなくなる山岳遭難が発生。男性は飯山警察署員及び志賀高原地区山岳遭難防止対策協会野沢温泉班救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

1月5週は1件、2月1週は1件の山岳遭難の発生がありました。

1月27日の遭難は、スキー場のゲレンデを滑走中、天候不良のため進行方向を見失い、コース外へ滑り込んでしまったものです。県内のスキー場は、標高が高い場所も多いことから、天候が悪化して吹雪や霧により視界が悪くなると、いわゆるホワイトアウトになる場合もあります。スキー場を利用する際には、ゲレンデ情報や規制の状況をよく確認し、ルールとマナーを守るとともに、天候や視界が悪い場合には、コースをよく確認し、無理のない滑走をしましょう。

県内の標高が高い山域では、積雪が多い上、定期的な降雪により、登山者のトレース(足跡)は消失しているため、ラッセルやルート判断を行わなければならず、時間や体力は夏山登山以上に必要となります。特に単独登山は、その全てを一人で行わなければならないことから、慎重な計画と無理のない行動をお願いします。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令されている地域があります。登山を考えている方は、緊急事態宣言発令の地域に限らず、各地域ごとの最新情報を確認し、慎重な計画と行動をお願いします。

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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