積雪の登山道は夏山のコースタイムより余裕を持った計画を立てましょう 島崎三歩の「山岳通信」第214号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年3月1日に配信された第214号では、下山中に転倒/滑落する事故が相次いだことについて言及。アイゼン装着時の歩き方や、余裕を持った登山計画など、改めて安全対策を確認することを呼びかけている。

 

3月1日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第214号では、期間中に起きた6件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月16日、四阿山で、2人パーティで入山した27歳の男性と22歳の男性が四阿山山頂から下山中にルートを誤って道に迷い、日没により行動不能となる山岳遭難が発生。2人は17日に上田警察署山岳高原パトロール隊及び機動隊の捜索により救助された。

  • 2月17日、北アルプス小遠見山で、北安曇郡白馬村のスキー場にスノーボードに3人で訪れたうち23歳の男性が、滑走中に誤ってコースを外れて道に迷い、行動ができなくなる山岳遭難が発生。男性は大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員により救助された。

  • 2月20日、中央アルプス木曽駒ヶ岳で、2人パーティで入山した49歳の男性が、木曽駒ヶ岳から下山中に滑落して負傷する山岳遭難が発生。男性は駒ヶ根警察署山岳遭難救助隊員及び中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会救助隊員により救助された。

  • 2月20日、北アルプス霞沢岳で、5人パーティで入山した44歳の女性が、霞沢岳から下山中に積雪に足をとられて転倒・負傷する山岳遭難が発生。女性は山岳遭難救助隊により救助された。

  • 2月21日、八ヶ岳連峰阿弥陀岳で、アイスクライミングのために2人パーティで入山した47歳の男性が、南沢大滝付近でアイスクライミング中に転落・負傷し、行動ができなくなる山岳遭難が発生。男性は山梨県防災ヘリで救助された。

  • 2月21日、荒船山で、3人パーティで入山した61歳の女性が、荒船山から下山中に落石を受けて負傷する山岳遭難が発生。女性は救急隊に救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

2月3週は6件の山岳遭難の発生がありました。下山中に転倒したり、滑落したりする遭難が発生しています。下山中は、足もとをよく見て、ゆっくりと確実に歩行するようにしましょう。特に、アイゼンを装着している場合は、アイゼンを引っ掛けて転倒することのないように十分注意しましょう。また、積雪期の登山は、夏山より時間がかかることが多いため、時間に余裕がある登山計画を立てましょう。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令されている地域があります。登山を考えている方は、緊急事態宣言発令の地域に限らず、各地域ごとの最新情報を確認し、慎重な計画と行動をお願いします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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