暖かくなっても高山帯では引き続き降雪/積雪リスクへの対策を 島崎三歩の「山岳通信」第215号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年3月4日に配信された第215号では、暖かい日でも県内の高山帯では引き続き降雪/積雪のリスクが高いことについて言及。引き続き入念な登山計画を行うことを呼びかけている。

 

3月4日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第215号では、期間中に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月24日、北アルプス後立山連峰の唐松岳で、単独で入山した61歳の男性が八方尾根を登山中に低体温などによる体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。男性は大町警察署山岳遭難救助隊により救助された。

  • 2月25日、鉢伏山で、単独で入山した64歳の男性が鉢伏山から下山中に足を滑らせて滑落・負傷する山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助された。

鉢伏山での遭難現場の状況/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)3月1日付

 

  • 2月27日、八ヶ岳連峰の阿弥陀岳で、2人パーティで入山した45歳の女性が、阿弥陀岳小滝付近をアイスクライミング中に転落・負傷する山岳遭難が発生。女性は県警ヘリで救助された。

八ヶ岳連峰阿弥陀岳での遭難現場の状況/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)3月1日付

 

  • 2月27日、北アルプス白馬乗鞍岳の鵯峰で、ツアー好きのために6人パーティで入山した41歳の男性が、鵯峰北側のバックカントリーを滑走中に雪崩に巻き込まれて転倒して負傷する山岳遭難が発生。大町警察署山岳遭難救助隊員及び県警ヘリが出動して男性を救助した。

北アルプス白馬乗鞍岳鵯峰での遭難現場の状況/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)3月1日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

2月4週は4件の山岳遭難の発生がありました。県内は、暖かい日が続くようになりましたが、標高が高い山域では、天候が崩れれば真冬と同じ厳しい吹雪となります。また、積雪が多いことから、今後の気温上昇によっては、雪崩のリスクが非常に高まります。これらのリスクを認識し、慎重な計画を立てるとともに、単独での入山は控え、雪崩対策装備を必ず携行しましょう。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令されている地域があります。登山を考えている方は、緊急事態宣言発令の地域に限らず、各地域ごとの最新情報を確認し、慎重な計画と行動をお願いします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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