BCではリスクの再確認・ルールとマナーの厳守・十分な装備の携行を 島崎三歩の「山岳通信」第219号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年4月8日に配信された第219号では、バックカントリー中の事故が続発していることに言及。リスクの再確認、ルールとマナーの厳守、十分な装備の携行を呼びかけている。

 

4月8日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第219号では、期間中に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 4月3日、北アルプスの西穂高岳で、2人パーティで入山した39歳の女性が、西穂高岳山頂へ向けて登山中に独標付近で足を滑らせて滑落、負傷する山岳遭難が発生。女性は県警ヘリにより救助された。

北アルプス西穂高岳での遭難現場の状況/長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)4月5日付

  • 4月3日、南佐久郡川上村の小川山で、ロッククライミングのため3人パーティで入山した37歳の女性が、廻り目平付近でロッククライミング中に転落して負傷する山岳遭難が発生。女性は佐久広域消防本部消防署員により救助された。

  • 4月4日、下水内郡栄村の苗場山で、42歳の男性がバックカントリースキー中に膝を負傷して行動不能となる山岳遭難が発生。男性は新潟県消防防災航空隊ヘリにより救助された。

  • 4月4日、下高井郡野沢温泉村の毛無山で、バックカントリースキーのために3人パーティで入山した36歳の女性が、山林内を滑走中に滝つぼに滑落して負傷する山岳遭難が発生。志賀高原地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して女性を救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

4月1週は4件の山岳遭難があり、うち2件はバックカントリーでの遭難です。バックカントリーエリアは非圧雪、非整備を滑走するのが醍醐味ですが、スキー場とは異なり、雪崩のリスクが高いほか、雪の下には思わぬところに樹木や岩が隠れていたり、雪解けにより、沢等に穴が空いていたりする場合があります。
また、滑走中にスピードをコントロールできずに、立木への衝突、崖や沢への転落のほか、転倒により深い雪に埋まった場合には、自己脱出が困難になることもあります。バックカントリーエリアに出る際は、これらのリスクを確認するとともに、雪崩対策装備などを携行しましょう。なお、スキー場を利用する際には、必ずルールや滑走可能なエリアを確認するとともに、マナーを守って楽しく安全に滑りましょう。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、登山を考えている方は地域ごとの最新情報を確認し、慎重な計画と行動をお願いします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、昨年から「長野県内入山注意報」を継続し、「登山者への5つお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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