「履いたら、もう戻れない」。山岳カメラマン、一瀬圭介が語るスポルティバ「エクイリビウム ST GTX」
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新ジャンルのアルパインブーツとして話題のスポルティバ「エクイリビウム(AEQUILIBRIUM) ST GTX」。革新的ソールと軽量で強靭な動きやすいアッパーを持つ同製品を、山岳カメラマンにしてマウンテンアスリートの一瀬圭介さんと国際山岳ガイドの石坂博文さんの2人がフィールドテスト! ホームグランドの福島県・安達太良、吾妻山域での2日間におよぶ試用結果を一瀬さんに聞きました。
構成・文=佐藤慶典、写真=一瀬圭介、
協力=スポルティバジャパン、石坂博文
これまでにない疲労感の少なさは、
まるで推進力を持った登山靴!
疲労しにくい歩き方が可能に!
1928年にイタリアで創業した登山靴メーカー、スポルティバ。現在も、生産拠点を海外へ移したり、外部へ委託したりすることなく、イタリア国内の自社工場で開発やデザインを行なう信頼のブランドです。最新のテクノロジーと、これまで培ったノウハウが注ぎ込まれたシューズは、堅牢で履き心地がよく、また、ひと目でスポルティバとわかるデザイン性の高さも人気で、世界中の登山者に支持されています。
スポルティバの代表的アルパインブーツに「トランゴ」シリーズがあります。これは、まだ重登山靴が一般的だった時代に、岩稜に対応するソールに、高耐久で軽量なアッパーを組み合わせ、「動きやすいアルパインブーツ」という新ジャンルをつくったシリーズです。今シーズン、そのスポルティバから、再び新たな潮流が生まれます。
「エクイリビウム ST GTX(以下、エクイリビウム)の初見は、トランゴよりもテクニカルな印象、と思いました。ところが2日間履いてみると、びっくり。エクイリビウムは、別モノです。足の疲労感がないって言うと語弊がありますが、この手のソールが硬いアルパインブーツに比べて、極端に疲労度が少ない。これを履いたら、もう以前のブーツには戻れないかもしれませんね」と、山岳カメラマンの一瀬圭介さんは言います。
疲労感の少なさを実感
登山道を長時間歩くと、脛(すね)や足裏のアーチに疲労が出るもの。縦走などではなおさらで、疲労度が増すと、つま先が上がらず、つまづいたり、足裏のアーチが扁平になり、膝まわりへの負担が増えたり、といったことが起こります。これを防ぐため、テーピングやサポーターを使用する人も少なくありません。
「おそらくですが、脛や足裏の筋肉への負担が少ないから、疲れないのだと思います。テーピングやサポーターがやることを、エクイリビウム自体がやっている。靴がサポートしてくれるので、足運びが軽快でスムーズです。例えるなら、電動アシスト付き自転車。どんどん前へ前へと進める。エクイリビウムは、推進力を備えた新ジャンルのアルパインブーツと言っても過言ではないでしょう」
疲れない理由①/
自然な足運びができるダブルヒール
踵から着地する足運びができる
「足が疲れない理由として、まず挙げられるのは、ダブルヒールと呼ばれる独自の踵(かかと)の構造です。踵の端部がカットされた形状で、自然な足運びが可能になります。なぜこれだけで、こんなに違いがあるのか、というくらいスムーズになります」
通常、岩に立ち込めるほどソールが硬いブーツは、足を地面にフラットに置くフラットフッティングを行ないます。極端に言えば、スキーブーツで歩くような不自然な足運びを余儀なくされています。一方、エクイリビウムは、ソールの踵部分が約45°に面取りされているため、流れるように歩を進めることができるのです。
自然なローリングになる
「トレイルランニングシューズを履いているときのようなローリング効果が働き、楽に前へ推進できます。踵から着地し、つま先へ重心移動するローリングができると、余計な筋肉を使わないで済みますから、結果的に足の疲労感が少なくなるんです」
疲れない理由②/
油圧ダンパーのような
新3Dフレックスシステム
立ち込むときも無駄なく力が伝えられる
アッパーのつくりも、足の疲れの軽減に寄与していると一瀬さんは言います。
「アッパーは軽量かつ強靭で、フィット感がいいです。また、インソールの周囲が平らだと、足の周囲に隙間ができてしまいますが、エクイリビウムは、エルゴノミックシェイプと言って、足の周囲に隙間ができない、つまり、シューズの形状が足の丸みに沿うようにせり上がった形状になっているので、力を伝える際に無駄がなく、センシティブに力を地面に伝えられます」
これは競技用のスキーブーツなどにも見られる形状で、足とブーツを一体化し、正確なパワー伝達やレスポンス向上を図るためのものです。
可動域が広い
「新しい3Dフレックスシステムを搭載しているのも疲労軽減のひとつの要因になっていると思います。これは、足首をホールドしながら自由度を大幅に高めるシステムで、登りや下り、トラバース時もストレスがないのが特長ですが、最新の3Dフレックスシステム・エボになって完成の域に達した感がありますね。足首の固定力はちゃんとあって、そのうえで、足首を曲げていくと徐々に圧がかかり、あるところまで曲がると止まり、足首を元の位置に戻そうとする。まるで油圧ダンパーのようで、前進するときの推進力をアッパーの復元力がサポートしてくれます」
疲れない理由③/
止まる、進むを効率化する
ミッド&アウトソール
推進力に活かされる
エクイリビウムは、アウトソールに、ビブラム・インパクトブレーキを採用。また、ミッドソールとなる衝撃吸収材(ポリウレタン)を、アウトソールのラグ(ゴムの突起部分)内にまで流し込む新技術を導入しています。これにより、ソールの軽量化とクッション性向上が達成されています。
まるでシカの足跡のよう。グリップ力は高い
「ラグの中までミッドソールが入っているせいか、表面やエッジは固いのに、指で押すと、わずかにぐにゅっとする感覚があります。実際に歩いてみると、クッションして反発してくれるのがわかります。特に前足部の反発力がいい。ぐにゅ! ポン!という感じで、地面からの足離れがよく、アクセルの働きをしてくれます。一方。踵は効き味のいいブレーキの役割をしてくれます。岩などに乗り移る際、踵が硬すぎると滑ってしまうところを、ぐっと止めて、少し受け流すような形でグリップしてくれる。踵のラグを見ると、シカの蹄(ひづめ)に似ていて、フィールドでのグリップ力の高さが見てとれます。ラグのパターンは、全方位へテーパーが付けられていて、泥地でも雪上でもよくグリップしてくれました。ラグの耐久性については、2日間のテストのため未検証です」
「上級者はもちろん、
初心者にこそメリットが大きいブーツ」
思い通りの足運びが可能になる
バリエーションなど、テクニカルなシーンに向けた登山靴に見えるエクイリビウムですが、登山上級者はもちろん、初心者にもおすすめだと一瀬さんは言います。
「無雪期の日本の山というシチュエーションでは、これを選んでおけば間違いないでしょう。エクイリビウムはベストチョイスです。登山のベテランにとっては、ブーツが自分の感覚に正確に反応してくれ、『ここへ足を置きたい、次の足はこっちへ運びたい』が思いのままスムーズにできるので、刺さると思います。推進力があり、疲労感も少ないので、山岳ガイドや年間を通して頻繁に山へ行く人におすすめしたい。逆に、初心者の人にもおすすめしたいです。フラットフッティングを気にせず、楽に足運びができ、疲労感が少ない。まだ足ができていなくても、ブーツがサポートしてくれます。むしろ、初心者だからこそ享受できるメリットが大きいと言えますね」
プロフィール
一瀬 圭介(いちのせ・けいすけ)
山岳カメラマンにして、アラスカなどの極北で開催される自転車の耐久レースに参戦するプロマウンテンアスリート。トランスジャパンアルプスレース(TJAR)やUTMFなど国内外の山岳フィールドにおける撮影で活躍中。活動拠点を置く福島県・岳温泉に「安達太良ビジターセンター」を開設(施設は2021年秋オープン)し、山岳アクティビティの普及を行ないながら、安達太良山域のトレイル保全なども行なっている。
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