徐々に難易度の高い山へ挑戦をしていくプロセスを大事に! 島崎三歩の「山岳通信」 第225号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年6月23日に配信された第225号では、技量不足により起きる遭難事故について言及。自身および仲間の体力を把握した上で、徐々に難易度の高い山へ挑戦をしていく大切さを訴えている。

 

6月23日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第225号では、期間中に起きた5件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 6月14日、北アルプスの西穂高岳で、単独で入山した27歳の男性が、新穂高登山口から入山して上高地へ向けて下山中に道に迷い、疲労で行動不能となる山岳遭難が発生。山岳遭難救助隊員が出動して遭難者を救助した。

  • 6月18日、下高井郡木島平村の山林内で、2人で入山し分かれて山菜採りをしていた男性(76歳)が道迷いで行方不明となる遭難が発生。木島平村の山林内に飯山警察署及び志賀高原地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が捜索をして、19日、自力で下山した。

  • 6月19日、北アルプスの燕岳で、単独で入山した59歳の男性が、常念岳から燕岳へ向けて縦走中に、大天井岳付近で技量不足のため足を滑らせて雪渓を滑落し、行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して遭難者を救助した。

  • 6月18日、北アルプスの燕岳で、2人パーティで入山した45歳の男性が、中房温泉登山口から燕岳へ向けて登山中、体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して、19日に遭難者を救助した。

  • 6月20日、八ヶ岳連峰の赤岳で、単独で入山した45歳の男性が、赤岳に向けてクライミング中、転落して負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して遭難者を救助した。

八ヶ岳連峰赤岳の遭難現場/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)6月21日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6月3週は、道迷い、疲労など5件の山岳遭難が発生しています。この時期は、残雪により登山道が分かりにくくなっている場所もありますので、必ず地図を携行し、こまめに現在地を確認してください。
これから登山を計画される方は、時間的・体力的に十分ゆとりのある計画を立て、自身や仲間の体力を把握した上で、徐々に難易度の高い山へ挑戦をするようにしてください。
天候不良の際は、雨や風等により、体温が奪われ低体温症になる可能性がありますので、疲労や体調不良がある場合は、無理に登山を続けることなく、引き返すことも計画の中に入れるようにしてください。

また、山菜採りに行かれる方は、必ず家族などに行き先を伝えるとともに、単独での入山、行動は控え、仲間と声が届く範囲で行動するようにしてください。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(6月4日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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