高清水トレイルで、秋にちょうどいい山と旅を。鏡野町でアウトドア体験

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夏の暑さで疲れもたまっている時期。こんなときは自然豊かな里山に滞在して、山登りを適度に楽しみ、温泉、食を堪能して疲れをほぐしたい。岡山県鏡野町はそれにぴったりの場所だ。

取材協力・写真提供=モンベル 

 

高清水トレイルの伯州山上空から高清水高原方面を望む

 

岡山県の北部にある鏡野(かがみの)町は、奥津(おくつ)温泉や名勝・奥津渓の紅葉などが有名だが、それだけでなくサイクリングやカヤック、トレッキングなどさまざまなアウトドアアクティビティも楽しめる自然豊かなエリア。なかでも注目したいのが、岡山県と鳥取県の県境を行く約8kmの「高清水(たかしみず)トレイル」。標高1000m前後の山を日帰りで繋ぎ歩くことができるこのトレイルは、2019年11月に全線開通したばかり。翌年の秋に訪ねてみた。

高清水トレイル

 

コースタイム:人形峠駐車場(30分)高清水高原(40分)御林山(40分)ブナの谷頭(40分)伯州山(40分)赤和瀬駐車場 約3時間10分 ※丸山を往復する場合はプラス30分

今回は人形峠から入山し、高清水高原から伯州山(はくしゅうざん)を経て、赤和瀬へ下山した。

入山してから30分ほどで着く高清水高原では、中国山地の山並みと日本海の眺めが素晴らしく、開放的な場所。伯耆大山(ほうきだいせん)の堂々とした山容や蒜山(ひるぜん)など、中国地方の主要な山々が見渡せ、またこの先に歩くトレイルもよく見えて気持ちが上がる。

 

高清水高原にあった概念図。蒜山にある蒜山高原はジャージー牛の放牧で有名だそう

 

高清水高原から先は適度にアップダウンがあるがそれほど険しくはなく、開けたところと、森に囲まれるところとリズムよく現れて、歩いていて楽しい。地元のハイカーが行き交っていて、人気な理由も分かる。

面白いのが、このトレイルの一部がウッドチップで敷き詰められていること。ふかふかした感覚で足腰にやさしく、軽快に歩けるのだ。

 

清水から伯州山荘あたりまでこのウッドチップが敷き詰められている

 

このトレイルではブナの原生林があるのも魅力で、御林山付近や滝谷登山道付近でそれがよく見られる。

 

ブナに包まれるようにして歩く、どこかほっとするような道

 

カエデの種類の違いをチェック。植生豊かな高清水トレイルでは様々な樹木の紅葉が見られた

 

ブナの谷頭手前の休憩所は展望抜群。広場のようになっていて、ベンチやテーブル、展望台などがあり、ここでランチ休憩をしている登山者が多かった。

 

展望台からの眺め

 

急な登りをこなし展望台へ

 

この先も大小のアップダウンを行き、伯州山山頂へ。伯州山は、4月にはイワウチワやイワカガミなどの貴重な群落が見られる山として知られており、春に訪れるのもいい。

 

標高1045m伯州山山頂でこんなものを見つけた

 

伯州山から沢沿いを行く滝谷登山道を下り赤和瀬へ。紅葉の見頃だった

 

高清水トレイルは登山初心者でも比較的歩きやすいように思う。体力に応じて、ショートコースにしてもいい。家族や仲間を誘って歩くのにちょうどよく、旅行とセットで楽しめる。

 

 

下山後は、「健康のまち」鏡野町で旅を満喫

山の紅葉と展望を満喫した後は、温泉に浸り、川魚や山菜・野菜など地元の特産物を堪能し、しっかり栄養補給したい。

自然を体感し、自然の恵みをいただき、心も身体もしっかり深呼吸して健康になる。鏡野町はそんなことができる「健康のまち」だ。

ここからは、鏡野町でぜひ立ち寄りたい、滞在したい場所をご紹介する。

 

おすすめ立ち寄りスポット

うたたねの里 いっぷく亭

赤和瀬登山口に近く、田園地帯の中に立つ茅葺屋根の農村レストラン。炭火で焼き上げるひらめ(アマゴのこと)の塩焼き(500円)や、山菜の天ぷらがセットになっているいっぷく定食(1100円)など、鏡野町赤和瀬地区の食材を使った「おふくろの味」を味わえる。

所在地:岡山県苫田郡鏡野町上齋原1805-12
電話:0868-44-2488
詳細:www.kagamino.holiday/gourmet/entry-180.html

 

山田養蜂場みつばち農園

はちみつやロイヤルゼリー、プロポリスなどのみつばち産品で知られる山田養蜂場の本社はここ鏡野町にある。みつばち農園は直営の観光農園。養蜂体験や採蜜体験、ミツロウキャンドル作りなど様々な学習体験ができる。みつばち産品のお土産を購入したり、ハチミツを使ったスイーツを楽しめる売店も併設。

所在地:岡山県苫田郡鏡野町塚谷
電話:0868-54-5515
詳細:https://www.kagamino.holiday/spot/entry-216.html

 

奥津温泉

西日本有数の名湯として知られる「美作三湯」のひとつ。江戸時代に開かれ、大正時代に温泉街となった温泉地で、吉井川沿いに老舗旅館や民宿が立ち並んでいる。版画家・棟方志功など数々の偉人にも愛されてきた。泉質はアルカリ性の単純温泉。神経痛や皮膚病、リウマチなどに効用があり、お肌が白くスベスベになる「美人の湯」としても知られている。

なかでも、深い歴史を持つのが「名泉鍵湯 奥津荘」の鍵湯。江戸時代に、津山藩が藩主や家臣専用の湯場を作り、一般の入浴を禁じて鍵をかけたということでこの名がついたという。日帰り湯の利用も可能。

所在地:岡山県苫田郡鏡野町奥津・奥津川西
電話:0868-52-0711(鏡野町観光協会)
詳細:https://www.kagamino.holiday/spot/entry-215.html

 

お土産いろいろ

写真=小山幸彦

はちみつ、姫とうがらし、トマト、原木なめこ・しいたけ、ひらめ(アマゴ)など鏡野町には特産物がたくさん、お土産選びも楽しい。道の駅奥津温泉では、特産物や特産物を扱った加工品などが販売されているので、帰り際にぜひ立ち寄りたい。

道の駅奥津温泉
所在地:岡山県苫田郡鏡野町奥津463番地
電話:0868-52-7178
詳細:https://www.kagamino.holiday/gourmet/entry-313.html

 


 

高清水トレイルやその他鏡野町の観光情報については以下のサイトでもチェックできる。

かがみの旅とくらし 健康のまち岡山県鏡野町観光&移住総合サイト(鏡野町公式サイト)
www.kagamino.holiday

 

奥津湖ではカヤックやSUPも体験できる。こちらの詳細も鏡野町公式サイトに

 

山も旅も楽しめる「ちょうどいい町」へ、秋にぜひ訪ねてみてほしい。(取材日=2020年11月10〜11日)

プロフィール

『夏山JOY』『秋山JOY』編集部

夏山、秋山それぞれのシーズンにおすすめのコースを紹介した登山ガイドブックの決定版。

最新号の『秋山JOY2021』は、北海道から九州までの全国の山から、特に紅葉が美しいと言われている人気コースをピックアップ。「秋のアルプス」「紅葉名山」「ロープウェイ・ゴンドラで日帰り」「温泉とセットで」など、テーマ別にコースの最新情報を紹介。低山から高山まで、ビギナーにもやさしい日帰りから2泊3日プランがメインになっている。9月上旬から12月上旬まで、紅葉の山を長く楽しめる1冊。

⇒秋山JOY2021はこちら

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