季節に合わせたおもてなし。 表丹沢の聖地・ヤビツ峠レストハウスの魅力とは?
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今年の3月からヤビツ峠にオープンしたヤビツ峠レストハウス。塔ノ岳や大山の登山後に立ち寄れば、おしゃれな店内と四季折々の料理がもてなしてくれます。丹沢の新たな聖地に足を運んできました。
奥田晃司=写真、西村怜(Yamakei Online)=取材・文
開放感のあるウッドデッキのそばに、むき栗が置かれていた。そういえば、栗がおいしい季節だな。
私の視線に気づいたのか、運営スタッフの平野君子さんが朗らかに笑みを浮かべる。
「この秋から栗のポタージュを新メニューとして出す予定なんです。ぜひ召し上がってください!」
大山(おおやま)登山を終えたばかり、お腹をすかせた私は喜んで店内に足を踏み入れた。
ヤビツ峠に作られた登山者の新たな聖地
「表丹沢は心の山」という人は多いだろう。都心からアクセスがしやすく、稜線では素晴らしい展望が待っている。一つの山頂を踏むのにもさまざまなルート取りを設定できるので、何度も訪れても飽きない山域だ。
大山(1252m)と塔ノ岳(とうのだけ、1491m)の拠点となるヤビツ峠は、必然的に登山者に広く親しまれている。表丹沢の一大拠点とも言えるこの峠に、新しくレストハウスができたのは、今年の3月28日のこと。おしゃれで立派な場所だとは風の噂で聞いていたが、実際に訪れるのは今回が初めてだ。
「このレストハウスの運営者を募集していると知ったとき、皆でおもしろそうだと話して手を挙げたんです。ここを拠点に里と山をつなげられればと思いました」
そう話すのはレストハウスを運営する平野有恒さん。パートナーの君子さんと一緒に、登山者や観光客、サイクリストを出迎えている。
秦野産にこだわった旬の料理を堪能
お話を伺いつつ、早速ランチをいただくことに。 ここの目玉メニューは「丹沢ロイヤルカレー」だ。学生だった天皇陛下がお忍びで丹沢を訪れた際に、有恒さんの祖母が振る舞ったカレーを再現。チャツネ(調味料)には秦野産無農薬レモンが使用され、地場産の三元豚がたっぷり入った濃厚カレーとなっている。
暑い時期はスパイシーな風味に仕上がっている。添えられるピクルスや、セットで注文できるポタージュも季節によって変わるという。
「9月はバターナッツかぼちゃのパンプキンポタージュを売り出していましたが、これからの季節は数量限定で栗のポタージュを提供する予定です」(君子さん)
まだ販売前だった栗のポタージュを特別に食べさせていただいた。味わいは非常にまろやかでクリーミー。山中であることを忘れてしまうほど上品な味わいだった。
カレーを食べた後はティータイム。丹沢山中に生えている「クロモジ」から作るクロモジ茶は、カレーと並ぶレストハウスの名物。場所によって味が変わるというクロモジ茶、丹沢産のクロモジはスッと鼻に抜ける爽やかな香りが特徴だ。
スイーツとして出てきたのは「秦野産いちじくと青みかんのロールケーキ」。柔らかなスポンジが包む甘いクリームに、甘酸っぱいいちじくと青みかんのソースがみごとにマッチする。
ほかにもヤビツ焙煎コーヒーやプレミアムソフトクリーム、具だくさん豚汁など、食べたくなる料理が盛りだくさん。
「食材は秦野産にこだわっています。また、訪れていただいた際にいちばんおいしいものを食べてもらいたいので、季節ごとに旬な料理を提供しています」(君子さん)
登山者の心を豊かにする、さまざまなおもてなし
魅力は食事だけにとどまらない。「山から生まれる文化に広く親しんでほしい」という平野御夫妻が同じく運営者である父・義燿さんから受け継ぐ理念のもと、さまざまなサービスが用意されている。
店内でひときわ目立つのはシックなピアノ。タイミングが合えば、ピアニストであるスタッフの演奏を楽しむことができる。店の奥は展示スペースとなっており、絵画展や写真展を開催している。
また、物産コーナーには、丹沢や秦野に関する商品が並んでおり、登山のお供やお土産に最適だ。
「レストハウスをきっかけに、訪問者にさまざまなアクティビティを体験してもらいたい」という平野ご夫妻の理念のもと、ノルディックウォーキングや森林セラピーなどのイベントも実施している。
四季に応じてサービスを変え、多彩なイベントを開催するヤビツ峠レストハウス。ぜひ一度、いや何度でも訪れて、丹沢の魅力を堪能してほしい。
ヤビツ峠レストハウス
営業時間=
平日 午前9時から午後4時まで
休日 午前8時30分から午後4時30分まで
休業日=水曜及び木曜日(祝日の場合は翌日)
アクセス=
公共交通機関 小田急線秦野駅よりバス「ヤビツ峠行き」で約50分、「ヤビツ峠」下車、徒歩1分
自家用車 東名高速道路「秦野中井インター」から約15キロ、約40分
問合せ先=0463-73-5688
登山ガイド:大山ケーブルカー駅〜大山〜ヤビツ峠
取材にあたって、大山ケーブルカー駅から大山に登り、ヤビツ峠に降りるルートを歩いた。
モデルコース:大山ケーブルカー駅バス停~大山~ヤビツ峠
コースタイム:大山ケーブル駅バス停<15分>大山ケーブル駅(山麓駅)<ケーブルカー約6分>阿夫利神社駅(山上駅)<1時間30分>大山<45分>ヤビツ峠
大山名物「こま参道」や江戸時代に流行した「大山詣り」で歩かれた表参道を登り、山頂へ至る。都心からアクセスしやすいのも本コースの魅力だ。