登山計画書を家族や友人などに渡して連絡を取ること登山のマナーの一つ 島崎三歩の「山岳通信」 第241号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年10月20日に配信された第241号では、県内の標高が高い山域では冷え込みが厳しくなっていることを説明。気象遭難にあった際に最悪の事態を回避するための装備の充実を促している。

 

10月20日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第241号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月11日、北安曇郡小谷村の雨飾山で、17人パーティで入山した72歳の女性が雨飾山から下山中に山頂付近で転倒、負傷して行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して女性を救助した。

雨飾山での遭難現場の様子/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)10月18日付

 

  • 10月12日、北佐久郡軽井沢町白糸で、単独で入山した66歳の女性が、浅間牧場から白糸の滝に向けて散策中に道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。警察・消防が出動して女性を救助した。

  • 10月16日、八ヶ岳連峰の西岳で、2人パーティで入山した52歳の男性が、西岳から下山中に別々に行動していたところ道に迷って行動不能となる山岳遭難が発生。茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪広域消防特別救助隊員及び県警ヘリが出動して男性を救助した。

八ヶ岳連峰・西岳での遭難現場の様子/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)10月18日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月3週は、3件の山岳遭難が発生しました。「登山に行った家族の携帯電話がつながらない」「SNSなどで友人と連絡がとれない」これだけでも、登山の経験がなく、山の様子が分からない家族などからすれば、とても不安になり、場合によっては「遭難しているのではないか」と心配になってしまいます。登山計画書を作成した際には、家族や友人、職場の方などに写しを渡すとともに、定期的に連絡を取る場所や時間などをあらかじめ決めておくことも、登山のマナーの一つです。

県内の標高が高い山域では、降雪があり、冷え込みが厳しくなりました。今後は、登山道の凍結による滑落、降雪や風雨よる、いわゆる「気象遭難」に注意が必要です。山岳地帯では、救助を要請しても実際にヘリや救助隊が到着するまでには、相当の時間を要します。アクシデントに遭遇し、行動不能になった場合でも、その場で一晩を過ごせるだけの最低限の装備(シェルター、防寒具、コンロ、非常食など)を携行するようにしましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(9月22日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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