スキー場コース外滑走の危険性について事前に知っておくべきこと 島崎三歩の「山岳通信」 第251号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年2月8日に配信された第251号では、県内では積雪量が増加していることから、雪山でのリスクが高まっている状況を説明。とくにスキー場コース外の危険性について改めて解説している。

 

2月8日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第251号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月2日、北アルプス後立山連峰の鹿島槍ヶ岳で、1月31日から3人パーティで入山していた男性3人(27歳、27歳、20歳)が、鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根を下山中に天候不良で道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。3日に警察本部機動隊員、大町警察署山岳遭難救助隊員、北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して救助した。

  • 2月4日、下高井郡野沢温泉村の毛無山で、61歳の男性が単独でスキー場コース外を滑走中に立木にスキー板が挟まり、身動きが取れなくなる山岳遭難が発生。飯山警察署員及び志賀高原地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して男性を救助した。

毛無山での遭難現場の状況/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)2月7日付

  • 2月5日、諏訪郡下富士見町の入笠山で、6人パーティで入山した64歳の男性が、入笠山山頂から下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生。茅野警察署山岳遭難救助隊員が出動して男性を救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

2月1週は3件の山岳遭難が発生しました。県内は北部を中心に、積雪量が非常に増加しています。北アルプスなどでは、トレース(踏み跡)から外れると、積雪により元に戻れず、自己脱出も難しくなる場合があります。また、バックカントリーやスキー場のコース外は、転倒して板が外れると、登ることも下ることも困難になるばかりか、雪崩や雪に埋もれて窒息するなどの高いリスクが伴います。県内の山域へ入山する場合は、事前に積雪の状況を必ず確認するとともに、雪のリスクを考えた計画や装備品を準備しましょう。また、気象情報が悪天候の場合には、登山を延期か中止しましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(2月7日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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