単独で入山する登山のリスクを改めて確認して慎重な登山を 島崎三歩の「山岳通信」 第262号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年5月18日に配信された第262号では、単独で入山した登山者が行方不明になっている事案について言及。改めてリスクを理解して慎重な判断と行動を促している。

 

5月18日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第262号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 5月11日、長野市鬼無里クルワドウ沢で、山菜採りのため3人パーティで入山した71歳の男性が、行動中に発病して死亡した。

  • 5月15日、北アルプス爺ヶ岳で、5月12日から単独で北アルプス後立山連峰爺ヶ岳に入山した73歳の男性がで爺ヶ岳に登山に向かったまま行方不明となる山岳遭難が発生。大町警察署山岳遭難救助隊などが16日から捜索を予定している(16日に爺ヶ岳南斜面で発見、死亡が確認された)。

  • 5月15日、南アルプス三伏峠で、単独で塩見岳に向けて入山した47歳の男性が三伏峠から下山中に道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。本人から救助要請があり、16日に飯田警察署員が男性を発見して救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

5月2週は、山菜採り中の死亡遭難、単独登山者の行方不明遭難を含む3件の遭難が発生しました。

単独登山中の行方不明は1週に続いて発生していますが、単独登山はトラブルが発生しても一人で対応しなければならず、命に関わる深刻なアクシデントに見舞われるおそれもあります。今後、単独で登山を計画されている方は、このような単独登山のリスクを理解した上で、慎重な判断と行動をお願いします。

北アルプスなどの標高が高い山域や北信地方の山域では、日陰となる樹林帯や谷筋に雪が残っています。このような場所では滑落の危険性もあるほか、残雪によりルートの不明瞭な登山道もあります。地図などによる確認に加え、事前に最新の現地情報を確認して安全登山を心掛けましょう。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(4月28日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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