2023年に登りたい!西暦と同じ標高の山3選

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

いよいよ迎えた2023年。西暦と同じ標高の山に登ってみようと思っている方に、標高2023mの山3座を紹介しよう。

 

白山北部の薬師山。
標高は2023.4m(写真=永田泰山)

 

干支にちなんだ山に登るのも楽しいが、西暦と同じ標高の山に登るのを目標にしている人も多いだろう。主な標高2023mの山は日本アルプスや白山に3座ある。「山」と名前こそついていても、いずれも人気の名山のそばにあって決して目立たない存在ではある。きっと今年くらいしか脚光を浴びる機会はないであろう、そんなマイナーピークばかりだが、静かな山旅を愛する人なら楽しめる山ばかりだ。

 

鳥倉山2023.6m

南アルプスの中央に位置する塩見岳。そのアプローチに利用されている鳥倉林道があるのが、標高2023.6mの鳥倉山。小数点以下を四捨五入すれば2024mなので、今年登るチャンスを逃しても、2024年に登るのもありかもしれない。

鳥倉山の地滑り地にある古くからの集落、
上蔵(わぞ)からの鳥倉山(写真=宗像充)

鳥倉林道から望む冬の鳥倉山

 

鳥倉山は日本で最も美しい村のひとつとして知られる長野県大鹿村に位置し、パラグライダー場があることで知られる。南アルプスの影に隠れて登山の対象としてはあまり有名ではないが、標高1620mにある夕立神展望台からは、赤石岳をはじめとした南アルプス、南駒ヶ岳など中央アルプスの大展望が広がる。山頂への登山道はあまり整備されておらず、ルートファインディングは必須の山だが、二等三角点をめざして登る人も少なくない。鳥倉林道は野ヶ池上ゲートから先、4月下旬まで冬季閉鎖となる。塩見岳に登った帰りに、少し時間をとって登ってみてはいかがだろうか。

鳥倉山周辺をヤマタイムで見る

 

薬師山2023.4m

白山北麓、新岩間温泉から御前峰方面に登る岩間道の途中にあるピークが2023.4mの薬師山だ。岩間道はアクセス道の崩落により登れない状況が続いていたが、有志の努力で今夏はこの大展望のピークへの道が開かれそうだ。

楽々新道にある小桜平避難小屋と
薬師山(写真=永田泰山)

 

北部白山の登山道は観光化された南側のコースに比べて比較的登る人が少なく、白山本来の魅力に触れられるのが特徴。2021年にアクセスに利用する林道が崩落し、岩間道は取り付くことができなくなっているが、笈ヶ岳(おいずるがたけ)や白山山頂部をぐるりと展望できるこのピークへの登山道を再整備する案が浮上。今年6月下旬に地元有志が楽々新道と岩間道の分岐・樅ヶ丘から薬師山までの区間を整備することにしている。今年白山に登るなら、ぜひ北面からのコースを選び、薬師山で展望を楽しんではいかがだろうか。

薬師山周辺をヤマタイムで見る

 

モモアセ山2023m

モモアセ山は北アルプス北部の毛勝山から北西に延びる尾根にあるピークだ。直下には稜線のオアシスのようなモモアセ池が水面を光らせる。

雪化粧の毛勝三山。
モモアセ山は毛勝山(左)の左に延びる尾根にある(写真=PIXTA)

 

毛勝山は南に続く釜谷山(かまたんやま)、猫又山とともに毛勝三山と呼ばれ、剱岳から北に伸びる稜線にそびえる秀峰だ。阿部木谷登山口から毛勝山への登山道は往復10時間超のロングコースだが、山の大きさを実感できる尾根歩きが待っている。登山口からモモアセ山までは4時間余り。池塘と高山植物に彩られた小ピークで、この長い尾根にアクセントを添えている。豪雪地帯で遅くまで雪が残るが、雪山の経験がある人なら、残雪と新緑の季節もおすすめだ。

モモアセ山周辺をヤマタイムで見る

Yamakei Online Special Contents

特別インタビューやルポタージュなど、山と溪谷社からの特別コンテンツです。

編集部おすすめ記事