解消しよう、山での肩こり|登山者のための肉体改造塾(7)
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。
文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ
ザックを背負って長時間歩くと、
肩にこりや痛みを感じるんです……。
肩のトラブルは、
肩甲骨周辺の筋肉を動かすことで解決!!
肩甲骨の動きを意識してみよう
私たちが腕を多方向に回せるのは、肩関節をつくる肩甲骨(背中の上部、左右に一対ある平たい骨)が胸郭に沿って図の6つの方向にスライドするおかげです。自由な動きをする肩甲骨ですが、背中側は関節によって固定されていないため、筋肉のこわばりや偏りで位置がずれやすく、肩トラブルの原因となります。
〈肩甲骨の動きと上半身の動作〉
ザックによる肩への負荷をやわらげよう
長時間ザックを背負い続けると肩や背中の血流が滞るため、肩甲骨周辺の筋肉がこわばり、肩のこりや痛みを起こす原因になります。休憩時にはザックを下ろし、紹介するエクササイズで肩甲骨周辺の筋肉を動かし、血流を改善しましょう。
【実践1】
肩甲骨を挙上・下制する
「肩すくめ運動」
肩甲骨周辺の血流を改善し筋肉を鍛えるには、腕を大きく回すことが必要です。しかし、すでに痛みがある場合には悪化するリスクも。まずは、肩甲骨の動きを意識して肩をすくめてみましょう。
①肩甲骨をしっかりと挙上するイメージで両肩をすくめて、3秒程度キープします
②ゆっくりと下ろし、同じ動作を繰り返します。20回×3セット行ないましょう
【実践2】
肩甲骨を内転・外転&回旋する
「肩トライアングル運動」
腕を大きく回すことで、肩甲骨周辺の筋肉がより多く動き、血流が改善されます。日頃から肩甲骨を意識して、大きくスムーズに動かせるようにしましょう。
①肩甲骨を開きながら、腕を顔の前に上げます。左右の肘、手の甲を合わせましょう
②肩甲骨を寄せながら、腕を横に開きます。このときは手のひらを外側へ向けましょう
③肘を伸ばしながら両腕を上げ、手首を返して合掌します。10回繰り返し×3セット
(山と溪谷2023年3月号より転載)
プロフィール
芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)
よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。
登山者のための肉体改造塾
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