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登山レベルのステップアップのために―― マイペース登高能力テストで登山体力をチェックしよう

山で必ず役立つ! 登山知識の処方箋
登山技術 2018年01月10日

冬を迎え、登山は一休みという人も多いと思うが、この新年は来シーズンに向けて登山レベルをアップしてみてはいかがだろうか? 「山のグレーディング」と「マイペース登高能力テスト」で、自分の実力を知り、冬の間にステップアップを目指してみよう。

今シーズンの冬はいつもより早く雪の季節になり、長野県山岳総合センターのある大町周辺のスキー場は雪がたっぷりです。

皆さんは冬をどんな形で過ごしますか? これから冬山にチャレンジする人もいると思いますが、「雪のある山は行かないので一休み」という方もいるでしょう。

今回はそんな人「冬はお休み」という方のために、今までよりもう一段ステップアップする方法をお教えします。

「山のグレーディング」という言葉を聞いたことがありますか。2014年に長野県山岳総合センターで作成し、長野県が公表しました。今では長野・静岡・新潟・山梨、岐阜、群馬の6県が同じ評価方法でそれぞれの県内主要登山ルートのグレーディングを発表していて、それぞれの県のホームページを開くと見ることができます。

長野県版 山のグレーディング表

 ★長野県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)
 ★静岡県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)
 ★新潟県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)
 ★山梨県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)
 ★岐阜県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)
 ★群馬県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)
 ★栃木県 山のグレーディング表 (外部サイト・PDF)

昨年、あなたが登った山のある県のグレーディングを開いてみてください。縦軸には体力度、横軸には技術的難易度と記載されていて、体力度は10段階、技術的難易度は5段階になっています。あなたが今年登った山はどのくらいのランクでしたか。今年はどの山に挑戦しましょうか。

来年挑戦したい山が、今年登った山に比べて、縦軸で上になる場合は、登山日程が長くなるかもしれません。今からカレンダーをみて連休をチェックしておきましょう。一方、来年挑戦したい山が、横軸で右になる場合は、冬の間にトレーニングをしておきましょう。

図1 山のグレーディングと登高能力の対応

 

上記に示した図1・山のグレーディングと登高能力の対応 にあるように、技術的難易度でD・Eの山に行きたい場合は、体重の10%程度の荷物を背負って1時間に500mくらいの標高差を登る体力が求められます。これが不足すると、せっかくの登山が疲れて苦しいばかりで楽しくありません。場合によっては疲れて転んだり、集中力を無くして道に迷ったりしてしまいます。

長野県では1年で300件弱の事故が起きていますが、体力不足が要因の一つと考えられる事故が半数に上ると推定されます。自分の登高能力(1時間でのどくらいの標高差を登れるか)を知るには、下記の図2・マイペース能力テスト にあるような、「マイペース登高能力テスト」をしてみるか、過去に登った山の記録を調べてみましょう。

図2 マイペース能力テスト

 

「マイペース登高能力テスト」は、登りが500m以上続いている登山道なら、どこでもかまいません。息が弾まなくて苦しさを感じない早さで歩いてみてください。

登高能力が足りた人は、しっかり計画を立てて目標の山に挑戦しましょう。足りなかった人はトレーニングが必要です。登高能力を上げるトレーニングは、山に登るのが一番良い方法です。

低い山でもかまわないので、何度も登ってみましょう。都会に住んでいて山が近くにない人は、ビルの階段でもかまいません。大切なことは登山と同じように水平方向ではなく垂直方向に移動することです。量の目安は1ヶ月に合計で登り下りそれぞれ2,000m以上(鹿屋体育大学の山本正嘉先生が提唱されています)。

マイペース登高能力テストは、苦しくない程度のスピードで登りますが、トレーニングの時は、少し息がはずむ位のスピードで登りましょう。それで1ヶ月に合計で登り下りそれぞれ2,000mです。

ただし、トレーニングはやり過ぎると体が壊れます。日頃から体を動かしてない人は特に気をつけましょう。最初は2日に一度5km程度歩くことから始めてください。痛みを感じたら休みます。

続けていると同じ距離、同じスピードでも楽に感じるようになります。続いて量やスピードを少しずつ増やしていきましょう。ウォーミングアップには2~3ヶ月はかけてください。それでも来年のシーズンが始まるまで十分に時間がありますよ!

 

なお、山のグレーディングとマイペース登高能力テストについての詳細は長野県山岳総合センターのホームページを確認してください。

※登山のトレーニングについての詳細は、「登山の運動生理学とトレーニング学」鹿屋体育大学教授 山本正嘉著 東京新聞社 を参照にしています。

登山計画 地図・読図
教えてくれた人

長野県山岳総合センター

長野県大町市にある長野県立の施設。「安全で楽しい登山」の普及啓発を主目的に、「安全登山講座」と動植物・地形地質をはじめ山の自然を総合的に学べる「野外活動講座」を、年間約60講習開催。講習参加者のうち、長野県外の方が約6割を占める。

⇒長野県山岳総合センター

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