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GPSって、そもそも何だろう? GPSの仕組みがわかれば、登山アプリも理解できる!

山で便利・安心! 登山用アプリ&GPS徹底使いこなし術
道具・装備 基礎知識 2018年02月28日

スマートフォンGPSと登山アプリを理解して、GPS機器を使いこなせる登山者を目指す本連載。2回目は、基礎知識として「GPSとは何か?」を学ぶ。GPSの仕組みを知れば、スマホとアプリの中身が見えてくるはずです!

 

こんにちは、スマホ用のGPSアプリを開発している松本です。今回は、そもそもGPSってなに? というお話を進めたいと思います。

★ジオグラフィカ iPhone版
★ジオグラフィカ Android版

 

衛星からGPSに届く電波の時間差で距離を測定している

「GPS」とはアメリカが運用している全地球衛星測位システムのことで、グローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System)の頭文字を取ったものです。

GPSの原理を簡潔に説明すると、「約32機の人工衛星(測位衛星)が高度約2万kmを飛行しており、それらの衛星が発信する信号をGPS端末が受信することで位置を特定する」、となります。

もう少し詳しく説明すると――。測位衛星には、ものすごく正確な時計が搭載されています。衛星はその時刻と軌道の情報を電波に乗せて発信していて、GPS端末でその情報を受信すると、発信されてから届くまでの時間差を算出できる仕組みになっています。時間差といっても電波は光の速さで進むので差はわずかですが、衛星と地球との距離は十分に遠いので、計算できるだけの時間差が生まれます。この時間差と光速とを掛けることで、衛星とGPS機器との距離を図れる、というわけです。

そして四機の衛星からの距離がわかると、理論上は3次元空間での位置が決まるのです。

最低四機の衛星が頭上にいれば、自分の位置を算出できる

 

ただし、計算誤差もあるため、実用上では六機程度の衛星からの信号を受信する必要があります。また、信号を受信できる衛星の数が多ければ多いほど、測位の精度は高くなります。

 

測位できる場所と出来ない場所

GPSは以上のような仕組みになっているので、地球上のどこにいても使えます。ただし、空から降ってくる信号を受信できない場所――、例えば地下では使えません。窓が近ければ使えることもありますが、屋内でも基本的には使えません。

「いや、自分のスマホは地下や屋内でも現在地がわかるぞ?」と考える人もいると思いますが、それは「A-GPS」という仕組みで、GPSとは別の方法で位置を決めています。なお、A-GPSについては、また別の機会に説明します。

 

地下では測位衛星からの信号は受信できないが、「A-GPS」の働きで大雑把な位置が分かる仕組みになっている

 

ところで、空の見通しが悪い場所では精度が落ちる経験をしたことのある人もいるでしょう。これは、信号を受信できる衛星の数が減るためです。例えば、山では谷間やビル街などでは、衛星を捕捉できずに現在地に誤差が出るケースが増えます。

アウトドアでも、谷や沢では精度が落ちて少しズレた場所を指すことがあるが、これはGPSの仕様だ

 

逆に原っぱや山頂など、空が広く見える場所では精度が上がります。大半の地図アプリは座標の正確さ(座標精度)が画面に表示されています。精度が悪い時は、現在地がズレているかもしれないと思って使うのが正しい理解です。

拙作ジオグラフィカでは、画面上部に精度が表示される。画像の例(精度5mの表示)では、半径5mの円のどこかにいるという精度になる

 

「みちびき」など、GPS以外の衛星測位システムも利用できる?

冒頭に説明したように、GPSはアメリカの衛星測位システムです。アメリカ以外でも同様の測位システムはあり、例えばロシアでは「GLONASS」、ヨーロッパでは「ガリレオ」、中国では「北斗」というシステムが稼働しています。

そういった測位システムを、GPSも含めて総称して『GNSS』と呼びます。グローバル・ナビゲーション・サテライト・システムの略です。

GPSはアメリカが運用しているGNSSの固有名詞ということになりますが、一般的には測位システム全体を指して使われています。これは、コピー機が一部の国では「ゼロックス」と呼ばれているのと同じ関係です。

ところで、日本の衛星測位システムはどうなのでしょうか? 実は日本も測位衛星を打ち上げていて、『みちびき』という愛称が付いているのを、聞いたことがある人も多いと思います。みちびきは、現在四機の打ち上げが完了していて、2018年の4月から正式運用が開始されます。

運用が始まると、最低一機は真上(天頂)に近い位置に存在するため、対応しているスマホを持っていれば測位精度が上がります。

ただし、よく言われている“センチメーター級”にはなりません。せいぜい半径3~5m程の精度です(将来的には技術の向上により精度が上がる可能性はありますが・・・)。

気になるのはスマホへの対応状況ですが、一般的なスマホであればGPSとGLONASSには対応しています。一部ではガリレオや北斗に対応しているものもあります。ちなみに、iPhone6s以降のiPhoneなどの一部の機種は、みちびきにも対応しています。

多種の衛星測位システムに対応していると、それだけ多くの衛星から信号を受け取れるので位置情報の精度は上がります。特に谷や沢など、空が広く見えない場所での精度向上に役立つので、自分のスマホがどの測位システムに対応しているのか、確認してみてはいかがでしょうか?

 

 まとめ

  • GPSはアメリカが運用している衛星測位システムの名前。
  • 基本的に地下や屋内では使えない。谷間やビル街では測位精度が落ちる。
  • GPS、GLONASS、ガリレオ、北斗などを総称してGNSSという。
  • みちびきは日本が運用し、アジア・オセアニア地域で使える。
  • 多くの測位システムに対応している方が精度が高くなる。

 

登山計画 地図・読図
教えてくれた人

松本 圭司

アプリ作家、ライター、料理研究家などマルチに活躍する山好き。江戸川区在住。

アプリの代表作「ジオグラフィカ」は多くの登山者に利用され、GPSアプリに関する講演・講習なども行う。

ほか、国土マップR、アルパカナビ、速攻乗換案内、雨かしら?雨時雨などもリリースする。クリーン&ビルド株式会社所属。

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