バリエーションルートへの入山・・・、「自分の身は、自分で守る」ことも大切。 島崎三歩の「山岳通信」 第108号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年4月6日に配信された第108号では、バリエーションルートでの遭難事故に触れ、入山の際の心構えについて触れている。

 

4月6日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第108号では、3月20日~25日に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 3月20日、北アルプス鹿島槍ヶ岳で、39歳および56歳の男性の2名が、山頂から下山中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。県警山岳遭難救助隊員が救助活動ののちに、24日に県警ヘリにより救助された。

  • 3月25日、八ヶ岳連峰阿弥陀岳にて、39歳~63歳の7名(男性5名、女性2名)が阿弥陀岳南稜を登攀中、7名全員が滑落し、男性2名・女性1名が死亡、男性1名が重傷、男性2名・女性1名が軽傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

八ヶ岳・阿弥陀岳での遭難現場の状況(長野県警察本部ホームページ山岳遭難発生状況(週報)3月30日付)

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

これからの残雪期は、八ヶ岳や北アルプスでバリエーションルートに挑戦する登山者が多くなってきます。この時期に登山する際は、事前にルートを調べるとともに、経験者と一緒に登攀(とうはん)するようにしましょう。
また、ロープワーク、支点構築、アイゼンによる歩行等を事前に訓練を行ってから、入山するようにしましょう。「自分の身は、自分で守る」ことが、安全登山につながります。

 

春の山火事予防特別強化中!(平成30年3月12日(月)~4月11日(水))

春先は、特に空気が乾燥し、強い風が吹くことから、山火事が起こりやすい時期です。長野県では、昨年度の県消防防災ヘリコプターの事故を受け、上空からの消火が必要な火災などに対応するため、ヘリコプターの運航再開に向けた訓練に取り組んでいるところですが、「山火事を発生させない!」ため、登山者の皆様も例年以上に火の取り扱いにご注意いただくようお願いします。

万が一、火災が発生しているのを見つけた場合は、ただちに119番に通報してください。また、火や煙に巻かれないように身の安全を確保してください。

 

山菜取りや登山、ハイキングなどの野山に出かける際には、タバコやたき火などの火は確実に始末し、火の取り扱いにはくれぐれも気を付けてください。

次のことに十分気を付けてください ※火の取り扱い不注意から山火事多発中!

  • 枯れ草など燃えやすいものがあるところでは、たき火をしないこと
  • たき火など火を使用しているときは、その場を離れず、使用後は完全に消化すること
  • 風が強い日や乾燥している日は、たき火はしないこと
  • たばこは指定された場所で喫煙し、吸いがらは必ず消すとともに、投げ捨てないこと

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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