6月の北アルプスはまだ残雪が多く、滑落事故が起きやすい時期。 島崎三歩の「山岳通信」 第115号
長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年6月20日に配信された第115号では、4件の遭難事例を紹介。北アルプスで残雪による滑落事故が多い理由について言及している。
6月20日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第115号では、6月4日~8日に起きた4件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。
6月4日、北アルプス槍ヶ岳で、67歳の女性が槍ヶ岳に向けて登山中に東鎌尾根水俣乗越付近で残雪で足を滑らせて滑落・負傷し、行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。
6月4日、北アルプス大天井岳で、30歳の女性が常念岳から燕岳に向けて縦走中に残雪に足を滑らせ滑落、軽傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリにで救助された。
6月5日、長野県上水内郡信濃町の黒姫山で、山菜採りのため単独で入山した70歳の男性が、黒姫山大ダルミの東方で道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。捜索中の遭対協及び署山岳高原パトロール隊員により発見・救助された。
6月8日、北アルプス唐松岳で、36歳の男性が唐松岳から下山中に、残雪に足を滑らせ滑落・負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリにで救助された。
山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
6月に入り、暑い日が続いていますが、標高の高い山にはまだ雪が残っており、残雪で足を滑らせ滑落し、負傷する遭難が発生しています。事前に登山道の残雪情報を入手し、アイゼン・ピッケルを携行してください。
また、この時期の残雪は、日中は気温上昇に伴い、解けてゆるくなり、アイゼンを装着していても、スリップすることもありますので、慎重に登山するようにしてください。
プロフィール
島崎三歩の「山岳通信」
信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。
島崎三歩の「山岳通信」
長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。