始めましたか?「冬山に向けての準備」。雪が降る前から始まる冬山登山の計画
秋が少しずつ深まり、標高の高い山で初雪や初氷の声が聞こえてくる時期だ。冬の足音が少しずつ聞こえてきた今から、冬山の計画を立てておこう。冬山登山は、雪が降る前から始まっているからだ。
例年になく暑かった夏もようやく終わり、秋を感じる今日この頃です。紅葉を楽しむ秋山の計画を立てている方も多いかと思います。
ところで、今シーズンの冬山に向けての準備は始めていますか? 同じ山でも、無雪期と積雪期では山の様子や天候は全く違うものとなります。
気の早い話かもしれませんが、今シーズン冬山デビューをする方も含めて、ぜひこの時期から冬山登山に向けての準備を始めましょう。そこで今回は、今から始める冬山の準備・計画のポイントについて説明します。
1.この冬シーズンの大まかな登山の計画を立てましょう
- 誰と、いつ、どこの山に登るのか決める。
- 雪が降る前に、計画している山に登ってみる。
- 本番に向けて、アイゼンやピッケルなど道具を使いこなす訓練山行を計画する。
- 登る山の積雪状況についてデータのチェックを始める。
2.登山道具のチェックを始めましょう
- 今シーズンから冬山を始める方は、まず道具を購入する。
- すでに道具を購入している人は、冬山道具を一式出して状態を確認する。
- 特に、雪崩関係のギア(ビーコン、プローブ、ショベルなど)の動作確認をする。ビーコンのアップデート情報も確認する。
3.雪崩ビーコン操作の基本を確認しましょう
- 雪が降る前の11月頃、一緒に登る仲間と公園などでビーコン操作の基本を確認する機会をとる。
- 本番の山行前に、雪上でのビーコン捜索訓練をする。
4.身体の準備も怠らないように
- 一般のトレーニングに加え、寒さに対するトレーニングをする。
冬山は美しく、また楽しい登山のフィールドであると同時に、無雪期とは全く違った厳しさも併せもっています。冬山登山経験のある方も、今一度初心に戻って、今から準備を始めてください。
今シーズン冬山デビューを考えている方は、講習会などを利用して、まず冬山登山に向けての知識や技術を身につけることをお勧めします。
手前味噌になりますが、長野県山岳総合センターでは、積雪登山の基礎的な知識・技術を全3回でステップアップしながら学ぶ「冬山入門コース」の募集を先日より開始しました。
また、12月初めに「冬山登山の基礎知識(机上講習)」という座学講習を計画しています。こちらは、10月中旬頃に募集を開始する予定です。
その他にも各種講習会を計画しています。冬山登山について学びたい方は、是非、長野県山岳総合センターのホームページをチェックしてみてください。
プロフィール
長野県山岳総合センター
長野県大町市にある長野県立の施設。「安全で楽しい登山」の普及啓発を主目的に、「安全登山講座」と動植物・地形地質をはじめ山の自然を総合的に学べる「野外活動講座」を、年間約60講習開催。講習参加者のうち、長野県外の方が約6割を占める。
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