筑波山に登るなら「つ・く・ば」の三拍子揃ったうどんを食すべし
地元産の食材をふんだんに使った、具だくさんの「つくばうどん」。筑波山に登ったら、ぜひ食べたい一品だ。今回の下山メシは、茨城県つくば市のつくばうどんについて紹介する。
つくばの地元愛あふれるネーミングは、けっこう強引
筑波山を登ったら食べたくなるのが、つくばうどん。つくばうどんというのは、筑波山のご当地グルメ。地元産の食材をふんだんに使った、具だくさんのうどんだ。
つ=つくね(筑波産の銘柄鶏、つくば茜鶏使用)
く=くろ野菜(しいたけやごぼうなど)
ば=バラ肉(茨城県産ローズポーク)
――という、若干、いや、かなり強引な語呂合わせのネーミングに、毎度のことながらニヤリとしてしまう。うどんには、地元産の小麦とレンコンパウダーを使っているという。とにかく地元のよいものを使いまくって美味しいものを作りたいという、地元愛がひしひしと感じられる一品だ。
筑波山周辺の飲食店でつくばうどんを食べることができる。つ・く・ばの食材とレンコンパウダー入り麺という共通事項を守りつつ、各店オリジナルのうどんが供されている。
お肉と野菜がたっぷり、アツアツうどんは寒い時期にありがたい
筑波山神社あるいはつつじヶ丘から女体山を登り、稜線を歩いて男体山へ向かう途中、御幸ヶ原に立ち並ぶ茶店でつくばうどんを味わうのが私の定番コースだ。他のメニューに比べて若干割高ではあるが、ここに来て、つくばうどんを食べない選択肢はない。とくに秋冬や春先のちょっと寒い時期は、アツアツのうどんがありがたい。
ジューシーなつくねや、味わい深いバラ肉の存在感。野菜はくろ野菜以外にも大根やニンジンなどいろいろ入っていて、けんちん汁のよう。肉や野菜のうまみがたっぷりと出た、ちょっと濃いめの味のつゆもいい。とくに山を歩いてきたあとは、ちょっとしょっぱいぐらいがたまらなくいい。
うどんを一気に半分かきこみ、野菜や肉を味わっていると、体の中にじわじわと力がためこまれていくような気持ちになる。お腹はいい感じにふくれ、体もよくあたたまった。あとは男体山を往復して、ケーブルカーで下山するだけ。今日もおいしかったな、ごちそうさま。
――そういえば。
筑波山の名物に、地元産の「福来(ふくれ)みかん」の皮入りの七味唐辛子があるのだが、つくばうどんにかけて食べると、香り豊かでよりおいしくなると聞いた。ああ、それはしたことがなかったな。次に筑波山に行くときは、つくばうどんにたっぷり唐辛子をかけて食べよう。
プロフィール
西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)
初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。
下山メシのよろこび
登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。