このエントリーをはてなブックマークに追加

降水確率0%でも雨に降られ、100%でも雨が降らない。知っておきたい降水確率の話

太田昭彦部長の「大人のワンゲル部」―リーダーとしての力を身につけよう―
基礎知識 2018年11月05日

登山の予定が決まったら必ずチェックする天気予報。なかでも降水確率は、当日の持ち物を決めるだけではなく、山に行けるか、また、コースや時間の調整が必要かどうか、山行計画を大きく左右する要素となる。今回は、意外と知られていない“降水確率”の定義について話を伺った。

 

山へ行く際、非常に気になることのひとつに、雨があると思います。気象庁では、1980年から降水確率を発表するようになり、雨が降るかどうかの目安に利用されるようになりました。

気象庁のホームページから引用すると、降水確率の定義は次のような内容です。

a) 予報区内で一定の時間内に降水量にして1mm以上の雨または雪の降る確率(%)の平均値で、0、10、20、…、100%で表現する(この間は四捨五入する)。

b) 降水確率30%とは、30%という予報が100回発表されたとき、その内のおよそ30回は1mm以上の降水があるという意味であり、降水量を予報するものではない。

 

そもそも、降水確率0%でも雨に降られ、100%でも雨が降らない

例えば、私が住んでいる神奈川県厚木市の降水確率を知りたいとき、気象庁ホームページの「天気予報」から神奈川県西部を見ます。今日が8日だとした場合、明日9日の降水確率を見てみると、6時から12時の間は10%となっています。この10%が意味するのは、同じような大気の状態が過去100回あったとしたら、そのうち10回は、1mm以上の雨か雪が降ったという意味になります。

横浜地方気象台発表の天気予報 2018年10月8日5時(気象庁HPより)

 

ただ、この予報で注意が必要なのは、降水確率0%のケースです。四捨五入されて10%刻みになるので、降水確率が4%だとしても0%と発表されます。ということは、0%だからといって雨が降らないということではないことです。

また、降水確率が95%だとしても100%と発表されるので、0%でも雨が降り、100%でも雨が降らないということになるのです。

 

降水確率は、降水量ではない

また、勘違いしやすいのは雨量と降水確率との関連性についてです。100%とあると大雨が降るイメージがある人もいるかもしれませんが、それは違います。9日6時から12時の間に、神奈川県西部のどこかで雨が降るかどうかの確率なので、雨の降る時間や量、広さを示しているわけではありません。降水確率が10%だから小雨で、100%だから大雨ということでもありません。

 

降水確率0%で、身体が濡れる程度の雨が降っていても、予報通り!?

もうひとつ注視したいことは、「1mm以上の雨か雪」の定義です。実際、どの程度の雨が1mm以上なのでしょうか?

一概にいえないので説明が難しいのですが、街で降水量1mmの雨の場合、“傘をさす人とささない人がいる”、降水量2mmになると“多くの人が傘をさしている”状況とイメージするとわかりやすいでしょう。

例えば、霧雨の場合は1時間に1mm以上にならないこともありますので、そもそも雨マークになりません。ただ、霧雨でも1時間も降られれば、身体はしっかり濡れてしまいます。この場合、気持ち的には天気予報では0%なのに、雨に降られて“天気予報が外れた”と思ってしまいますが、事実としては“天気予報が当たった”ということになるでしょう。

降水確率の意味を正しく理解して、登山計画に上手に活用してください。そして登山当日、予想していた天気と違っても一喜一憂しないようにしたいところです。

教えてくれた人

上村博道

気象予報士の資格をもつ登山ガイド。安全登山の指導を行っている。 国内では北海道・積雪期日高山脈全山縦走、積雪期知床半島縦走など積雪期の長期山行を行う。海外では、エベレスト8848m、デナリ 6194m、アコンカグア6960mに登頂。
⇒BLOG:ヒロい自然の中で・・・

歩きにすと倶楽部

山岳ガイドの太田昭彦が主宰する会員制の登山教室。30代から70代の会員の方が観音参りなどのウォーキング、高尾山のハイキングから日本アルプスまでの山歩きを自分の体力や経験に応じて楽しんでいる。
http://www.alkinistclub.com/

同じテーマの記事
美しい紅葉に出会うために―。“紅葉の見ごろ”を9月の気温から予測してみよう!
登山愛好者として身につけておきたい知識、技術を教えてもらう「大人のワンゲル部」。今回は、気象予報士の資格をもつ登山ガイドの上村博道さんに“紅葉の見ごろ”を簡単な計算式で予想していた(!)話を伺った。ぜひ参考にして、美しい紅葉に出会う登山をしてほしい。
実はよくある登山靴のトラブル。登山ガイドに教わる、靴底剥がれの対処法&役立つグッズ
山の中で登山靴のソールが剥がれてしまった時の対処法は? 上村ガイドの実体験から学んだ知恵は「テーピングによる補修」だった。その経験談と巻き方を伝授する。
梅雨時期は特にヤマビルの被害の多い時期。知っておこう! 山でのヒル対策、撃退法。
特に梅雨時期は、ヤマビルが活発に活動する時期。登山ガイドの上村博道さんが教える対策方法を参考に、山でのヒルの被害を減らしてほしい。
万が一、道に迷ってしまったら。その時の行動と、ビバークする決断のタイミング。
登山愛好者として身につけておきたい知識、技術を教えてもらう「大人のワンゲル部」。今回は、ワンゲル部部長で山岳ガイド太田昭彦さんに、山で道に迷ってしまった時の行動について教えてもらう。
記事一覧 ≫
最新の記事
記事一覧 ≫
こんにちは、ゲストさん
◆東京の天気予報[山域を変更]
明日

明後日

晴のち曇
(日本気象協会提供:2019年1月23日 17時00分発表)
[ログイン]
ユーザ登録・ログインすることで、山頂天気予報を見たり、登山履歴を登録・整理・分析して、確認できます。
あなたの登山靴にあったインソール、靴下は?
あなたの登山靴にあったインソール、靴下は? 今回は「ハイキング」、「岩稜・雪山」などアクティビティごとに登山靴、靴下、インソールの組み合わせをご紹介!
NEW ひざのサポーターを実際の山行でテスト!
ひざのサポーターを実際の山行でテスト! 「フェイタス メディカルサポーター ひざ」を、ヤマケイオンライン会員が実際の山でモニター。その使い心地は?
NEW 特集スノーシュー 厳選エリアガイド
特集スノーシュー 厳選エリアガイド 雪原や林間を楽しむスノーシュー。「どこでできるの?」の疑問に答える、各地のスノーシューエリアと関連施設を紹介!
NEW 冬向けソフトシェルパンツを岩の山で試す!
冬向けソフトシェルパンツを岩の山で試す! 高橋庄太郎さんの連載「山MONO語り」。今月はマムートの冬向けソフトシェルパンツを岩場のある乾徳山でチェック!
NEW 2019年に登るべき山、大集合!
2019年に登るべき山、大集合! 新元号が始まる2019年、今年はどんな山に登ろうかと計画している人――、標高の山、干支「猪」の山など大集合!
冬ならではの景色、氷瀑を見に行こう!
冬ならではの景色、氷瀑を見に行こう! 1月~2月限定! 滝が凍りつく「氷瀑」は見られるとは限らない冬限定の景色。比較的簡単にアクセスできる氷瀑のコースをピック...
冬だ! 富士山の見える山へ行こう!
冬だ! 富士山の見える山へ行こう! 日本一の山・富士山は、空気の澄んだ冬はとくに美しい。西は和歌山から北は福島まで――、富士山の見える山を目指してみては?
冬季営業の山小屋をご紹介!
冬季営業の山小屋をご紹介! 冬季の山小屋営業情報をピックアップ! 冬山を楽しみたい登山者のみなさま、ぜひご利用ください!
富士登山についてのアンケート
富士登山についてのアンケート 富士登山についてアンケートのお願いです。抽選で富士山グッズをプレゼント! 富士山未経験の方もぜひご参加ください。
雪山の学び場、八ヶ岳へ行こう!
雪山の学び場、八ヶ岳へ行こう! 初級者から上級者まで、バラエティに飛んだ雪山登山を楽しめる八ヶ岳。しっかり冬山装備を整えて、雪山の魅力を堪能してほしい。
全国津々浦々ご当地アルプス8選
全国津々浦々ご当地アルプス8選 その規模や迫力は元祖アルプスには遠く及ばないものの、アルプスらしさが楽しいご当地アルプスの魅力
JR青梅線の駅から行く奥多摩エリアの山
JR青梅線の駅から行く奥多摩エリアの山 都心と奥多摩を結ぶJR青梅線に乗って駅を降りれば、そこはもう登山口、駅から登って駅から帰れる、魅力たっぷりの山を紹介!